音MADMyReview『ぷににににずむ』

この記事は企画「音MADMyReview」の参加動画へのレスポンス記事となります。
企画概要はこちら
(私の性質上、主に音声面についてばかり語ってしまう癖がありますのでご了承ください。)

ぷににににずむ

第一印象『かわいい×気持ちいいの権化。』


音MAD情報

ニコニコ動画ID:sm44212978
使用楽曲:きゅびびびびずむ
使用素材:ぷにるはかわいいスライム
再生時間:1分50秒
投稿日時:2024/10/19 0:00
投稿者:もどり鰹

レビュー

原曲と素材元、両者へのリスペクトを強く感じる音MADです。

使用曲から見る「ぷににににずむ」
まず、使用曲は「きゅびびびびずむ」のインスト音源なんです。
原曲がボーカル有りの曲で音MADを作る時、そのままボーカル有り音源(原曲)を使用するか、インスト音源(配布があれば)を使用するか、その選択から始まります。

きゅびびびびずむ音MADは本作以前に2作品確認できました(マジーとKBS)が、どちらもボーカル有り音源を使用しております。
つまりぷににににずむでインスト音源を使用するに至った経緯には、既存音MADからの影響はなく、作者の意思により選択されたと推測できます。

「きゅびびびびずむ」には更に原曲が存在します。「きゅびずむ」というこれまた名曲です。そのどちらも作曲者は原口沙輔さん。
人マニアやイガクなど音MADでも人気の楽曲を生み出している音楽家さんですね。御本人は音MADにも好意的なお方で、真島茂樹ネタを扱ったりと曲のみならず作曲者自身も愛されております。
そんな氏による自曲のカットアップREMIXに当たると思っているのが「きゅびびびびずむ」

カットアップの性質・手法上、ないと思っていたインスト音源が存在する事にまず驚きましたが、これはさすが原口沙輔さんと言うべきでしょう。(”既存曲のカットアップ”ではなく、きゅびずむの作曲者自身だから出来る”切って貼っての音遊び”、という認識が近いかも。)
現時点(2024/10月末)では「きゅびずむ」よりも「きゅびびびびずむ」の方がYouTube再生数は多く、「きゅびびびびずむ」の歌ってみたも多数投稿されております。
インスト音源の存在は必然だったのかもしれません。

脱線しましたが、そのインスト音源を使用して、原曲のカットアップ感を”音MADとして”表現しているのが「ぷににににずむ」。
インスト音源を使用した上で、原曲のボーカル部のリズムをリスペクト。

人力ボーカロイド作品でも基本はインスト音源に素材の音声を乗っけること多いと思いますが、それのセリフ合わせ版とも解釈できます。
(脱線。人力ボカロ=セリフ合わせ(文字単位)+音程合わせ、と考えていた時期がありましたが、昨今の技術革新とノウハウ熟成により、ハイレベル人力の技術が確立されていると感じております。)

人力ボカロとの違いは、セリフ合わせの自由度の高さからなる「原曲とのリズム差異」(後で書きます)と「素材の引き立て」。

ぷににににずむでは「素材の良さ=ぷにるのかわいさ」が最大限活かされたまま、気持ちいいリズムに乗っかって耳にやって来るんです。
むしろリズムに乗ることで可愛さが上乗せされているとさえ感じるのです。

完全に原曲のボーカルをなぞったものではなく、原曲の特徴的部分をより強調するかのようなポイントポイントでの使い方。
結果としてそれ以外の箇所はぷにるかコタローのシンプルなセリフ合わせとなります。
”シンプルな”と書きましたが、ここには作者のリズムセンスが詰め込まれております。(後で書きます)

そこまで含めて全体を見たときに、「きゅびびびびずむへのリスペクト」と「ぷにるへのリスペクト」がこれ以上にない絶妙なバランスで両方を立てていながらも、しっかりと一つの音MADとしてまとまり成立していることに気付きます。

ここで一つ、インスト音源を使用することについての補足ネタ。
対称的な例を紹介します。
ぅゅゅの音MADで私の大好きな「はるのぱしーまたたきぱしー」。
こちらもインスト音源を使用した音MADなんですが、原曲のボーカルを意識した作りではなく、独自の(素材の味を活かした)リズムの取り方で中毒症状を発症させる音MAD。
インスト音源を「あの曲のカラオケ版」だけには留めず、一つの楽曲(原曲とは別の曲)として考える。これも楽曲へのリスペクトの一つであるかと思います。

・ぎゅむ!カットアップ
ぷににににずむで最も好きなパートはどこか?と問われれば、私は迷いなく「イントロとアウトロ」であると答えます。
(イントロが2段階あるんですが、ぷにる自己紹介部とぎゅむ!カットアップ部に分けると、特に後者が好きです。)

アニメ「ぷにるはかわいいスライム」のOP曲はぷにるが歌う『ぎゅむ!
これがまた超いい曲なんです…!かわいいぷにるが歌ってんですからかわいいんです!(ぷにるの声も歌声も好き好き大好き。本音MADでぷにるに出会えたことに感謝。)

「きゅびびびびずむ」のイントロのカットアップ(インスト版なので超てんちゃんのセリフ抜き)に「ぎゅむ!」もカットアップで合わせてます。音MAD的に言えば”曲が素材”として合わせてます。
そのぎゅむ!の使用箇所・合わせ方がもう「これしかない!」と感じさせるに十分な気持ちよさ。映像と合わさって『かわいい×気持ちいい』が限界突破。
ここはもう完全にセンスの部分だと思ってます。良すぎて嫉妬するレベル。

イントロだけループしてもご飯3杯はいけますが、その先の展開があるからこそここがより引き立つのです。
そして、最後にはおかわりが待っているんです!最高。

・セリフ合わせ
冒頭ぷにるの自己紹介。少しバグった感じの刻みは原曲を忠実に再現してます。(それでもぷにるの可愛さが損なわれないのはすごいです。)
「ずーーっと友達です」すき。

アニメを素材とした時などによくあるかもしれませんが、セリフの後ろに残るBGMをどう扱うか。
使用曲やコンセプトにもよりますね。
実際に合わせて聴いてみた時に作者がどう感じるか次第なとこでもあります。(気にしない/ならない人は気にしません。)
この自己紹介パートではセリフ後ろのBGM(ひゅぅぅぉお〜みたいなカワイイ音)がアクセントになっていて、このBGMそのままの選択はベストだったのではないかと思います。

さて、お次はAメロ部。
ぷにるとコタローの掛け合いによるリズム。
ぷににににずむでは、登場人物をぷにるオンリーにはせず、コタローも登場させてます。
ここ、私は感動しました。
コタローがいなければぷにるは生まれていません。ぷにるが生まれていなければこの音MADにも出会えなかったのです。
コタローは最重要人物なのです。

ぷににににずむは「ぷにるの音MAD」ではなく「ぷにるはかわいいスライムの音MAD」なんです。

(音声と絵面的にもコタローを挟むことで変化が出て楽しいのです。)(コタローもかわいいのです。)

隠し事パートに行く前に原曲のブレイク(無音)が入ります。
原曲では超てんちゃんの歌声「見えたー」がブレイクと被せてあるのですが、ぷににににずむではセリフもブレイクして完全な無音(に近い)状態となります。
ここ!これすき!これすき!!
インスト音源+セリフ合わせだから出来る変化球的な気持ち良さ。

隠し事パートは原曲に忠実。この時の映像のぷにるの動きのループもかわいい。
コメントで発見しましたが、口の中が「ケ」なんですね。あぁかわいい…

その次の(原曲では2度目となる)薔薇薔薇パートは音程合わせで原曲再現。

「ぼくのかわいい姿を」の「姿」の3連符。こういったさりげなくリズムで遊ぶところがほんとすき。

次もそうです。「ギャル可愛いぼくでーす」のハネリズム(ハネリズムの伸ばしver。伸びリズム?シャッフル?呼び方分かりません!)。
【ぎゃーる/かーわ/いーい/ぼーく/でーす】
すきすき。

原曲でスロー再生や逆再生している箇所は敢えてその手法を合わせず、セリフ合わせをはめ込んでます。これは前述したぷにるのかわいさをかわいいままにするためにはナイスな判断かと思います。
ぷにる音声をスロー&ピッチ低くしたり、逆再生するとかわいさが半減以下になるのは簡単に想像できます。(もしかしたら逆再生はワンチャン)

サビ前のセリフ合わせは職人技。
「ぷにるランドでかわいいぼくと握手。オーイエース」
「おれはもうスライム遊びする小学生じゃねーの!おまえなんか早くどっかに行っちまえ」
この長めのセリフをこんなに気持ちよくリズムに乗せて、さらに曲の展開にも合って、すごいとこ。譜割りと速度調整が織り成すハーモニー。

来ました!サビ!
正直に言いますが、初見では「あれ?サビきてた」と感じました。サビにしては落ち着いた雰囲気。
…しかし、こここそが!こここそが、中毒症状発症点だったのです。
ループ再生回数が20回を超えた時、「ホウ砂水と洗濯ノリを混ぜてぜてーぜてーぜてーぜてーぜて」を待ち侘びている自分に気付いたのです。
イントロが”最も好きなパート”であれば、サビは”最も体が欲するパート”となります。

そして時折入るぷにるの単発発声。
文字起こしは間違ってるかもしれませんが、ぷぎゃー!、まっ!、きゃー!、ぷぇ?とかです。
ここにぷにるのかわいさは凝縮されていると思ったので、要所で確実に使われているぷににににずむはやはりぷにる愛の音MADなのです。

サビ終わりの「コタロー」呼び掛けも3種が使用されており比較動画としても楽しめます。特に少し大人になったぷにるの声の使い分けは流石声優さん。あぁかわいい…
【追記】見落としてた!ここ!原曲の「パブロ・パブロ・ピカソ」に「コタロー・コタロー・コタロー」を合わせてたんです!!うわーやられた。

・タイトル
原曲「きゅびびびびずむ」
音MAD「ぷににににずむ」
全音で韻を踏んでいます。
この母音の一致は気持ちいい。
さらに原曲もぷにるも平仮名。この一致も必然か…!
つまり、タイトルのセンスがバツグン。
シンプルなのに凄い。

投稿背景・本企画を絡めたレビュー

企画参加第一号。投稿予約をして参加開始日時ピッタリ(10/19 0:00)に投稿。
その際にキャプション内にキーワードも入れてくれていたと思います。(すいません、私が寝落ちしており、深夜2時過ぎに把握。)
企画告知記事へのスキもして頂いていたことからも、当企画への参加を考えてくれていたと解釈します。

本当に嬉しい…!
もちろんメインは音MAD晒しイベントへの参加だとは思いますが、私は好意的に受け取ってしまうポジティブマンなので、勝手ながらも私の主催企画における人生第一号の参加者として私の記憶に深く突き刺さりました。

キャプションへのキーワードは「あいつのあれ」を上手いこと組み込んでカモフラージュしてくださっております。
入れ辛いキーワードでホント申し訳なさを感じておりましたが、素材元を絡めてこのようにキーワードを上手く使って頂き少し安堵しました。

ちなみに本作投稿後にきゅびびびびずむの音MADが立て続けに投稿されております。
翌日に2つも!?
これはぷににににずむによる影響かはたまた偶然か。
音MAD界隈内の事情は分からないため適当な事は言えませんが、私個人としては本作ぷににににずむで「きゅびびびびずむ」にもハマってしまっております。(ぎゅむ!にもハマっております。)
きゅびびびびずむで音MADかマッシュを作りたい欲が生まれております。

作者を絡めたレビュー

セリフ合わせのリズムのとり方が上手い方。上手さの種類にも色々ありますが、もどり鰹さんの上手さは全体のバランスを考慮した構成的な上手さと思っております。
小節・単語単位の譜割りの上手さも持ち合わせている中で、小節をまたいでリズムを作り出すところなどが特に好きです。
「リズムで遊ぶ。」意識せずにそれをしているような印象です。

個人的な話

私は実はもどり鰹さんとは既にコミュニケーションを取っているつもりになっております。

音スタダ作者のセリフ合わせ評価動画で2度もじっくりともどり鰹さんのセリフ合わせと対峙した際にそれは強まりました。(私はその人の作ったモノへの理解を深める行為もその人とのコミュニケーションと捉えてます)

セリフ合わせ評価動画投稿時にもXでエゴサをするともどり鰹さんが最速でポストしてくれてました。
その際にコメントもありましたが、長期メンテ中色々作ってただろうに復旧後最初にこれ(評価動画)を投稿してくれたのが嬉しい、的な内容でした。
私はこれだけしか作ってなかったんですよ〜!と伝えたくて、今ここでそれを伝えられること、それすらも嬉しいのです。

OTOMAD TRIBUTE Vol.2が投稿された時にはカビキラメキラリが無印でリメイクされている事知っているのかなと呟いてくれており、私のエゴサ力まで見込んで伝達してくれようとしてくれた事、ありがたいです。

つまりこれらの「やり取りとは言えないのにやり取りをしている(と私が勝手に思っている)」これは完全にコミュニケーションしていると言っていいですよね!

もどり鰹さん、これからもこんな感じで仲良くしてください!
(もし、今回のこの企画この文章の所為で「あ、この人ちょっとこわいな…」ってなってしまわれないか、少し心配はしております…が、私は基本たまに自分の名前か投稿後に動画IDでエゴサするくらいで、ストーキング行為はしていませんのでご安心下さい。この企画に参加頂いた事が嬉しくての行動になります。)

参加いただき誠にありがとうございます!

っていうかぷににににずむ中毒なって頭の中でループされて困ってます。訴訟。

【10/30追記】もどり鰹さんに見て頂けたようで良かったです。嬉しいお返事まで頂きました。
本企画をメインとして頂けてたとは…嬉しすぎます…!
素敵な音MADをありがとうございました。

〆の言葉

どんなカタチ どんなモノ 混ぜたらカワイイの

ぎゅむ!より歌詞抜粋

その答えは

きゅびびびびずむ
×
ぷにるはかわいいスライム

以上です。