マッシュアップと構成
私のマッシュアップ記事は音MAD記事よりも(使えるかは分からないけど)ノウハウ放出系です。
でもビュー数は伸びません。
マッシュアップは音MADより歴史も規模も深く語り尽くされているから需要がないのかもしれません。
ですが、ここでは音MAD畑出身&柴又マッシュ特化型である私の視点でマッシュアップの作り方/考え方などを語っております。
(そして気づきます。それが需要ないということに…!気にせず語ります!)
ノウハウ系なのにテキストだけで解りづらい点もあるかもしれません。
なので今回は図を使います!
<楽曲の構成>
前回までで「選曲」「伴奏とボーカル」「速度とキー」の選択の話をしてきました。これで2つの曲はとりあえずは混ざります。
あとは混ぜるときの曲の構成を考えていきます。
曲の構成とは【イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→…】みたいなやつのことです。
初めのうちはベースとしたい曲の構成にもう片方の構成を合わせる方法がいいかと思います。
この基本をマスターしておけば、後々構成で遊び倒せるようになると思います。
Aメロ、Bメロ、サビとかの違いはなんとなく分かればOKです。私がそうですので。
<伴奏ベース>
まず簡単な方。伴奏側をベースとしてボーカルを合わせていく方法。
フルサイズ→TVサイズみたいに楽曲全体の長さを短くしたい時はカットする箇所の検討や繋ぎの調整力は必要となりますが、終わりたいとこ(例えば1番だけとか)でフェードアウトという強引さもありだと思います。
現代ポピュラー音楽の多くは冒頭に書いた
【イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→…】
という定番の流れがあります。(違ってたらごめんなさい!)
それぞれのパートの長さ(小節数)やブレイクの有無などで差異はありますが、「多くの楽曲」はこの構成が基本になっていると思います。
間奏以降(2番目から)はブリッジ・Cメロの存在や落ちサビなどが絡み、楽曲の個性がより濃く出てくる部分となります。
なのでここでは基本形の1番だけで考えます。
「多くの楽曲」以外は記事最後に少し例を書いておきます。
私のやり方は”サビ”の開始位置を先に合わせてしまいます。
その後にAメロやBメロのタイミングを調整し、余剰であれば余剰分のカット、埋まらなければ”間”を作ったり”繰り返し”たり、ボーカルに手を加えていきます。
音MAD畑出身ですので「セリフ合わせ」の感覚で調整しております。
<伴奏ベース例>
以下サンプル。丸付き数字を小節数とします。
例えばボーカル側の原曲の構成が
【イントロ⑧→Aメロ⑧×2→Bメロ⑧→ブレイク①→サビ⑧→間奏⑧→】
伴奏側の原曲の構成が
【イントロ⑧×2→Aメロ⑧→Bメロ⑧→サビ⑧×2→間奏⑧→】
だったとします。
私の場合、上記構成の2曲で「伴奏をメインとしたマッシュ」の構成を考えると
【イントロ⑧×2→Aメロ⑧(ボーカル側Aメロを1ブロックだけにする)→Bメロ⑧→(ボーカル側のブレイクをカット)→サビ⑧×2(ボーカル側のサビを2回繰り返すor2番サビを追加)→間奏⑧→】
といった感じです。
このやり方=ボーカル側の構成を変えると歌詞の繋がり等に違和感が出てしまいます。
歌詞を大事にしたい/リスペクトしたい場合はボーカルベースで考えます。
<ボーカルベース>
ボーカル側原曲の構成をそのままに伴奏側の構成をはめ込んでいきます。音楽パズルです。
(ボーカルベースの場合はイントロ・間奏はあまり気にしなくても良いかと思います。ただし原曲の良さとして”タメ”や”間”があるのであればイントロ・間奏も気にしたほうがリスペクトに繋がります)
ボーカルの構成をベースにしますが作り方の手順としては伴奏側をボーカル構成に合わせて編集してからボーカルを乗せる通常のマッシュ手順になるかと思います。
<ボーカルベース例>
先ほどと同じサンプルを例にします。
ボーカル側の原曲の構成が
【イントロ⑧→Aメロ⑧×2→Bメロ⑧→ブレイク①→サビ⑧→間奏⑧→】
伴奏側の原曲の構成が
【イントロ⑧×2→Aメロ⑧→Bメロ⑧→サビ⑧×2→間奏⑧→】
だったとします。
私の場合、上記構成の2曲で「ボーカルをメインとしたマッシュ」の構成を考えると
【イントロ⑧×2(伴奏側はそのままでもいいかなと思います)→Aメロ⑧×2(Aメロ伴奏を2回繰り返すor2番Aメロ伴奏を追加)→Bメロ⑧→ブレイク①(ボーカル側のサビ前の間が重要なので入れたいとする。伴奏側どこか1小節コピーして持ってくるかボーカル側のブレイクをそのまま使ったり)→サビ⑧(伴奏側サビを削る)→間奏⑧→】
といった感じです。
<溶接>
伴奏側の構成を変えることになりますので「繰り返し」も「カット」も繋がりが奇麗になるよう溶接職人になりましょう。
ボーカルは音のある部分ない部分が明確なので切り分けが容易ですが伴奏は基本ずっと音が鳴っております。
伴奏はより繊細に編集したいところです。
カットであればサビ2回分を1回にするので単純に1回目のサビ終わりでバスっと切る、もしくはサビ2回目から始める。
それで曲の繋がりに違和感がある時は、サビ1回目の途中までとサビ2回目の同箇所で切り替える。というのもいいと思います。
その後の間奏への繋がりが無編集となるので違和感はゼロです。
自然さ狙いのマッシュアップなら切り替えはクロスフェード(重なり部分は少し)で一番違和感のない切り替えポイントを探し出すことがいいかと思います。
どうしても違和感が残る場合はクロスフェードの重ね部分を長くとったり、別トラックで重ねたり(音量調整やEQ併用したり)、別の部分から持ってきたり、開き直って原曲刻み的に振り切った切り替え・繋ぎ方でも面白いと思います。
ここが音MAD作者には得意な部分になると思うのです。(だから柴又マッシュ作って)
<いい感じ>
そんな感じで構成を調整していい感じになれば出来上がりです。
この”いい感じ”こそがマッシュアップにも音MADにも共通する私の軸となる考え方です。
作った本人が気持ちいい/面白い/好きって感じられればそれが一番です。(いい感じにならなくても投稿するときはあります。)
では次回はもっと構成で遊んで行きましょう!
柴又を絡めて!
<おまけ>
次回でも触れるかもしれません。
記事冒頭に書いた定番の構成から外れた曲について。ここでは音MADでも人気なボカロ曲を例に少しだけ。
(ポピュラー音楽以外とかも含めて色々と知りたい方は「曲の構成」とかで調べてみて!面白いです!)
構成が元から面白い楽曲はマッシュアッパーとしての血が騒ぎます。
きゅうくらりん
【イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Cメロ→Aメロ→サビ→間奏→サビ変化→Bメロ→ラスサビ】
1番は王道構成ですが、1番サビ終わりからリズムと構成で遊んでます。
CメロのBPM変化で生まれる1拍、2番サビの1拍カットした部分だったり。
おくすり飲んで寝よう
【イントロ→サビ→Bメロ→Aメロ→Bメロ→落ちサビ→ラスサビ→アウトロ】
先にBメロとしましたが、これは私の感覚的なものです。こんな構成初めて聴きました。アウトロで転調したり。