J1第30節 vs広島 2-2 draw(Home/ 2024.9.14@DAZN)
はじめに
台風の影響で第29節京都戦が延期となり、3週間ぶりの試合となった鹿島。今節の相手は鹿島とは対象的に中2日3連戦の3試合目となる連戦真っ只中の首位・広島です。
鹿島はコンディションの優位性を活かして絶対に勝ちたい首位との6ポインターとなりました。
スタメン
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(課金してないので相手のサブが置けない)
【広島サブ】
GK 22 川浪 吾郎
DF 27 イヨハ 理 ヘンリー
MF 11 満田 誠
MF 18 柏 好文
MF 30 トルガイ アルスラン
FW 9 ドウグラス ヴィエイラ
FW 36 井上 愛簾
休養十分の鹿島は前節からスタメンを1人変更。負傷から復帰の知念がボランチに入り、三竿とコンビを組みます。岳がトップ下に入り、右に名古、左に師岡が入る4231の形でのスタートとなりましたが、いつでも三竿と岳をそれぞれ1列下げ、準備してきたという3421に移行できるメンバーで試合に臨みます。
一方連戦中の広島は直前の天皇杯からスタメンを5人変更。大迫、佐々木、新井、川辺、そして新加入のゴンサロ パシエンシアがスタメンとなりました。
試合概要
中2日3連線の3戦目という日程の広島に対して3週間ぶりの試合ということでコンディション的には優位性のある鹿島でしたが、その分パスが会わない、パススピードが足りない、ヘディングの目測を誤る、一発で当たりに行って簡単に入れ替わられる etc.といったプレーが散見され、試合勘という意味では不安の残るフワッとした立ち上がりとなりますが、17分、CKを知念が打点の高いヘディングで叩き込み先制に成功します。しかし直後の19分、広島のCKから最終的に岳が競ることとなりミスマッチとなってしまったパシエンシアに決められ2分で同点とされてしまいます。36分には鹿島の右サイドで川辺にボールを持たれ、引っ張り出された郁万が一発で股を抜かれて躱されクロスを上げられると松本泰志に決められ逆転を許してしまいます。鹿島もCKから植田が放ったヘディングがポストを叩く、左サイドを突破した師岡からのクロスに名古が合わせるもふかしてしまうなど惜しいチャンスを作りますが得点は奪えず。1-2で試合を折り返します。
後半頭から三竿がRCBに入る3421気味の布陣でミラーゲームを仕掛ける鹿島。流石に疲れの見え始めた広島を徐々に押し込むことができるようになると、82分、途中出場で古巣戦の藤井が左サイドから縦に突破してクロスを上げるとニアで優磨がワンタッチでフリック。これをこちらも途中出場の徳田が佐々木翔を左手でブロックしながらノーステップでシュート。広島GK大迫のタイミングを外したシュートはゴール右隅に吸い込まれ、鹿島が同点に追いつくことに成功します。その後も足の止まりかけている広島を攻め立てますが得点は奪えず。逆にカウンターからドウグラス・ヴィエイラに決定的な場面を作られるも早川のファインセーブでしのぎ、試合はこのまま2-2で終了。6ポインターで悔しい引き分けという結果となりました。
感想
1.練習試合が組めなかったのは大いに反省すべし
試合概要でも書きましたが、パスがズレる、目測を誤る、DFが当たりに行って簡単に躱されるなど、試合勘の無さを感じるらしくないプレーがチラホラ見られました。驚くほど多かった訳では無いにせよ、それにより流れを失わなければ勝てたかも知れない。逆に言えば、そこまで万全に準備しなくてはならないほど広島の完成度は高く強かったと思います。
京都戦が台風の影響で延期となり2週間の予定だった試合間隔が急遽3週間になった事で準備が難しかったのだろうとは思いますが、それでもタイトルのために何とかしてほしかったと思いました。
2.最適な構造には辛い別れがあるかも知れない
今日の試合、優磨は空中戦の勝率が低く、後ろからのロングフィードをほとんど収めることができませんでした。本人もインタビュー等で語っている通り、最前線で屈強なCBを背負ってバチバチにやり合うプレースタイルを求めるのは厳しく、今のように1.5列目から2列目辺りに落ちてチャンスメイクをするのが最適なのかも知れません。1トップで起用する場合は試合中再三優磨が要求していたように足下かDFラインの裏にボールを供給する必要があると思います。しかしそれはしっかりとビルドアップして、1トップにラフなボールではなくクリーンにボールを届ける必要があることを意味します。
現在の鹿島のCBは郁万と植田。特に植田はビルドアップが得意なタイプではないため、ビルドアップが詰まった時にはどうしても前線にラフなボールを送る場面が増えてしまいますし、そういった時にCFにはある程度相手のCBとやり合ってボールを収める能力が欲しい。
端的に言うと、現状では優磨を立てれば植田が立たず、植田を立てれば優磨が立たず、という状況に見えます。簡単な解決方法としては強力なCFを補強するか、ビルドアップ能力に長けたCBを補強するかになってしまいますが…。個人的には他のポジションを含めたチーム全体で成長しカバーし合って、補強に頼らない解決を見せて欲しいと思います。
3.徳田誉!
途中出場ながら何度か決定的な場面を呼び込み、そのうちの1回のチャンスを活かしてリーグ戦初ゴールを決めた徳田。そのゴールもあの佐々木翔を背負いながらも左手一本で制しての反転シュート。しかもそのシュートもGKのタイミングを外す意表を突いたリズムからのシュートでした。コンディション的に万全では無かったかも知れませんがそれでもあの佐々木翔を抑えるフィジカル、点取り屋のセンスを感じるシュートと、CFらしいストライカーとして楽しみになる活躍でした。ひょっとしたら、2で述べた問題を解決してくれるのは誉かも知れません。
4.ターレス!
途中出場で初出場となったターレスでしたが、非常に期待できるプレーを見せてくれたと思います。ドリブルやスルーパスなど派手なプレーはありませんでしたが、特に下がりながらボールを受けた時に相手に奪われずキープして時間を作り、その後の裁きもミス無く確実に味方に繋ぐプレーを見せてくれました。
今の鹿島で溜めを作るプレーができるのは優磨と師岡しか居ない中この能力は貴重です。この先貴重な戦力になってくれると思います。
まとめ
鹿島は優勝争いに踏み止まるためにどうしても勝ちたかった6ポインターでしたが追いつくので精一杯。町田、神戸が勝利したため、鹿島は残り9試合で首位町田と勝点差9、2位広島と勝点差7、3位神戸と勝点差6の4位となりました。
残りの試合数と勝点差が同じという苦しい状況ですが、鹿島は消化試合数が1試合少なく、首位町田とは直接対決を残しており、また2位広島、3位神戸はこれからACLが始まり厳しい日程にさらされるためまだタイトルを諦める必要は無いと思います。しかし厳しい状況であるのもまた事実。この先全試合勝つつもりで戦っていって欲しいと思います。