J1第33節 vs新潟 4-0 win(Away/ 2024.10.5@DAZN)
スタメン
鹿島は離脱していた知念が復帰するも、今度は現在チーム内得点ランキング2位、SBながら9得点を叩き出しチームを牽引する選手の1人だった濃野が半月板損傷で離脱。それ以外にも負傷なのかコンディション不良なのかでチャッキー、仲間、藤井など多数の選手が離脱する中、スタメンこそ濃野、仲間→知念、樋口と2人のみの変更も、フォーメーション自体を4231から3421へと大きく変更。郁万、植田、健斗の3バックで試合に臨みます。また、ベンチには舩橋、須藤が名を連ねました。
一方の新潟は1-5で大敗した前節の川崎F戦からスタメンを5人変更。人を代えて前節の敗戦から切り替えたい意図が見えるメンバーとなりました。
(※細かいフォーメーションなどはJ公式又はスポナビ参照下さい↓)
試合概要
試合は序盤から新潟が保持し、鹿島が守る展開となりますが、主導権を握ったのは鹿島。3トップで新潟のディフェンスラインに圧力をかけ、3トップの後ろに顔を出してヘルプしようとする新潟の2ボランチは岳、知念が捕まえるプレスで新潟に思うようにボールを運ばせず、奪ったら速い攻撃でシュートで攻撃を完結してセットした状態の守備で試合再開というサイクルで試合を優位に進めます。すると12分、中盤で知念が奪ったところからのショートカウンターから左に展開。安西からのクロスを樋口が折り返し師岡がシュート。これはポストに阻まれるもこぼれ球に優磨が詰め、早い時間の先制に成功します。15分にも左サイドを崩し、最後は左のポケットに入った師岡からのマイナスのクロスを樋口が落ち着いて決め2点目。47分には右サイドで得たFKからピッチ上の新潟の選手全員を欺いたトリックプレーから樋口がゴラッソを叩き込み3点目。前半のアディショナルタイムに1点返され嫌な雰囲気となりそこから逆転まで持って行かれてしまった前節とは逆にダメ押しの3点目を奪い試合を折り返します。
後半に入ると新潟も鹿島DFラインの裏へのロングボールも使いながら鹿島の守備の攻略を図る意図を見せますが流れは大きくは変わらず。53分、鹿島は中央の岳から右サイドの樋口へ展開し、樋口が上げたグラウンダーのクロスを優磨がダイレクトで蹴り込み4点目。
新潟は57分に4枚代えを敢行すると、鹿島の選手の出足が鈍ってきた事もあり徐々にチャンスを作れるようになり、60分には長倉がゴール前の狭いところで上手くスルーパスを受けシュートを放ちますがこれは枠を捉えることができず。75分には谷口がキーパーと1対1のチャンスを迎えるも、これは鹿島GK早川がコースを完全に読み切るビッグセーブ。攻勢を強める新潟でしたが結局ゴールは奪えず試合はこのまま4-0で終了。
鹿島は8/7以来、約2ヶ月ぶりの勝利を挙げることができました!
感想
1.「鹿島の形」を見誤らなかったポポ将に脱帽
「鹿島の形」「鹿島が守るべき形」は何か?442のフォーメーション?4バック?攻撃的なSB?守備に強いCB?強力なCFコンビ?…etc.
人それぞれ色々な解釈があるであろう中、ポポ将にとっては「(今季の)鹿島の形」は「左で作って右で仕留める形」だったようで、右のフィニッシャー・濃野の離脱を如何に補うか?を考えた結果の3421であり、右WB・樋口だったのかな?と思います。そして今節はそれが完璧に嵌っての完勝でした。過去の慣習や伝統に囚われ過ぎない柔軟な采配に脱帽です。
2.とは言え課題もいっぱい
結果だけを見れば4-0の大勝ですが、課題も多く見られます。
最大の課題は編成でしょう。CBの控えが今まで碌にベンチ入りもさせて来なかった津久井のみになってしまいます。今後も3421を継続するのであれば今の編成との相性の悪さはシーズン中はどうしようもありません。
また、今回は新潟が攻めてきてくれる中、上手く先制点を奪うことができたために「相手にボールを持たせてDFの網に掛かるのを待つ」戦い方ができましたが、自分達からプレスを仕掛けて奪う守備やブロックを組んで守備を固める相手を崩す攻撃ができた訳ではなく、そう言った意味では従来の課題が解決した訳ではありません。
今後、相手に先制された後、或いは、相手が引き分け上等で攻めて来ない場合などにどういう試合を見せてくれるのか?今後も3421を継続するのかどうかを含め注目したいと思います。
3.MOM樋口
2G1A、アシストはつかなかったものの、1点目も師岡へのクロスは樋口だったので、全ゴールに関わったと言って良いでしょう。特にチームの3点目となったトリックプレーからのゴールは素晴らしかった!
今季は出場機会に中々恵まれない中でも腐らず自分に矢印を向け爪を研ぎ続けていたんだろうな、と感じるイキイキとしたプレーの連続で見ていてワクワクしました。次節も頼みます!
4.舩橋と須藤の言葉、聞きたいような、聞きたくないような
試合後のコメントで優磨や知念が言及していましたが、普段中々メンバー入りすることもできない舩橋や須藤が円陣を組む時に掛けた言葉でチームが一つになったそうです。
舩橋と須藤がどんな言葉を掛けたのか?知りたい気持ちはもちろんありますが、個人的にはMATCH DAYなどには取り上げないで欲しいとも思います。そういうのに取り上げて不特定多数に発信して良いような、軽い言葉ではない気がして…。
まとめ
中々勝てず、追い打ちを掛けるように多数の離脱者が出てしまい急遽フォーメーションの変更も余儀無くされた中、舩橋や須藤の檄もあってチーム一丸となって乗り越える事ができた一戦、これから勢いに乗っていく上で非常に大きく重い一勝だと思います。
とは言え今までの課題が解決した訳ではないのも事実。良い流れには乗りつつも目の前の課題に向き合い、一歩ずつ前進していって欲しいと思います。
まだ優勝諦めてないからね!