「ヨルモルキミリ」感想。
「タオルケットをもう一度」シリーズを一気に全作品プレイしたので公開順に全作品の感想をいいます。現在非公開の作品含めて全部です。
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ヨルモルキミリ
ヨルモルキミリシリーズ序章にして、RPGツクールMVに移行した歴史的作品。タオルケットをもう一度シリーズの作者様の才能の真骨頂が見れる化け物クラスの作品です。
ヨルモルキミリはタオルケット史上一番深く潜った作品です。難しいとかいう次元ではないのですが、割と「論理」のゲームなので、謎解き感覚で世界を解き明かしていけるのがポイントですね。ヨルモルキミリの考察だけで1記事書いてます↓
ヨルモルキミリの凄さは「頭のいいヤツ同士の対決」を描いているところにあると思います。天才が一人で無双する作品では凡才側を落とせばいいので簡単ですが、天才が複数いる作品だと説得力のある描写をつける難易度が爆上がりします。天才が二人いて、両方に論理的に欠如がなくて、両方とも別の方向を向いているとき、その対決を描く…こんなん「嘘喰い」やんか…
本当に本当に会話一つ一つが難しくて、1個1個の会話が意味がわからなくて「えっと…つまりこれがこうで…あ、そういうこと…?」みたいなことをやり続けるので異常にプレイ時間がかかります。うぃけちゅけとわんこが孔子に関する会話あたり本当に意味わからなすぎて半笑いで置いてかれます。
このゲームはテキストに「答え」が用意されています。よかった………と思いきや答え込みでも全然むずいです。本当に徐々に徐々に世界が見えてきて…それが楽しいったら…!
ヨルモルキミリのいいところは内容の難しさを理解できなくてもなんとなくでストーリーが面白いところですね。意味わからないまま雰囲気・勢いでも楽しめる演出力が本当に見事です。
そもそもタオルケットシリーズは「死ぬときは容赦なく死ぬ」んですが、ヨルモルキミリはこの緊張感が特に凄かったです。常にヨルモルキミリという限界状態に閉じ込められていることもあり、プレイ中の息苦しさがずっとすごい…
僕が特に好きなのはA-11くん関連のストーリーですかね。今まで学生どうこうの話していたのに、突然未来のSFの話になる衝撃よ…。タオルケットシリーズではそんなこと当たり前にあったのに、ヨルモルキミリでは完全に盲点だったので本当にビビりました。A-11くんの事情が次第に次第に見えていくあの体験は、そこ単体で一冊の小説を読んだ満足感がありました。
あと、ヘミオラというとんでもない存在でめちゃくちゃテンション上がりました。ヨルモルキミリ1はかなりリアリティラインが現実寄りなので、頭が良すぎる宇宙人という反則みたいな存在が出てきてぶち壊しにしようとするの、かなり快感でした。
石鹸箱の毒こと佐竹も可愛いですね。夜海の印象のおかげで、こっちも主人公と同じくらい佐竹のことを警戒してしまいました。
キャラとしてはうぃけちゅけが一番好きです。うぃけちゅけって学校の成績ではヘミオラ、血反吐結びより下だったじゃないですか?努力がメインの普通の女子高生が、命を賭して、ヨルモルキミリの被害者を減らそうと頑張ってるんですよ?うぃけちゅけがどれだけ綱渡りをして、どれだけ覚悟を決めて、いかにわんこと渡り合ってきたか…頭が良いだけでなくその献身にこそ心惹かれます。特に最期がいいんですが、わんこすら許して、愛してみせたんですよね。この子すごすぎる…。正直僕はプレイ中わんこのこと恨んでましたからね。まさか正解の対処法が「愛」とは…。
サカバ啓太も好きです。馬鹿ですけどめちゃくちゃいい子じゃないですか?そもそもタオルケットシリーズにおいて、「男同士の友情」がここまで描かれたのが初めてな気がします。(前回はタオル4のもかもーちゃす…?友情というか…うーん)こんなにいい奴いねえよってくらい最高のキャラです。変態っていっても実際やってることは思春期程度ですしね。ポンのお婿さんとの別離が早すぎて周りにべた褒めされてるシーンが笑えて好きです。ポンが無限増殖してみんなを守るシーン熱すぎ。
全体を通して、タオルケットシリーズ上位に好きな作品です。化け物級にカロリーの高い作品なので、人に安易に勧めようとは思いませんが…(タオルケットシリーズを始めるにあたり、ヨルモルキミリから触り始めたら泣いちゃうかもしれないという気持ち)
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