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夜の海でお月様を釣る、考察

神ゲー

10年ぶりぐらいに「夜の海でお月様を釣る」を再プレイしました。女もかで全ルート攻略してきて考えたことをまとめてみたいと思います。正直あのヨルモルキミリより理解できてない… ギャルゲーのような作品ですがかなり難しいです。しかもルートごとに真実が散りばめられているのでめちゃくちゃ大変。

世界の構造

案1

現世
↓死
ばりぃランドなどがある場所=白の世界
月の世界↑ ↓海
旅館(黒の世界)

案1

多分、基本的にはこういう3層構造なのだと思われます。地獄や天国を想起させる演出が何回かありますが、実際的には地獄・天国とは似てるけど別のシステムじゃないかな…と思ってます。

  • 現世とは、もかがふりくすくすと結婚させられ、DVを受けていた場所。ばりぃランドで結ばれるメイド(ルートによって誰か変わる相手)と不倫していた場所でもあります。

  • ばりぃランド=白の世界は現世ではないと思います。メイドがばりぃランドで実体を持っていることから、ばりぃランドの住民たちももともと現世出身で死んでばりぃランドに降りてきたのではないかと思います。また、タオル4海でばりぃランドが異世界だったことも考察点です。

  • 旅館はいわゆるあの世でしょうか。旅館で罪を洗い流して、扉の先に行くと転生できます。転生したら記憶を失って最初からです。きゅうりぽんぽん、血反吐結び、緑茶などの罪人は単に旅館に泊まるだけではなく、そこで長い時間働き続けることでやっと罪を雪いで転生できるシステムです(地獄を想起させますね)。旅館に泊まる際に右か左か案内されるのは、罪の度合いなのか?やってることが閻魔様っぽいですよね。
    ここで重要なのが旅館は「人間が死んだ後に行く場所」という事実です。わんこによって、牛ちゃんは行けない・けもぷっちは行けるかどうか分からないという判定が下っています。人魚は半分魚なので旅館では働けません。こうちゃルートラストでの「旅館の意味」とはつまり「"人間"の場所」であることを意味しているというのが私の中で一番会心の考察です。わんこもこうちゃに対して「向こうは人間、こっちは人魚。こちらからは(旅館に)行けない」という発言をしていました。そのあとこうちゃが人間の足をもらった=人間になった瞬間に旅館に訪れています。
    また、「旅館で死ぬと扉の先に行けない」という設定もあります。これは海賊もーちゃすが言っています。

旅館は人間用


わらわぅの死後

特に罪のない病弱なわらわぅが死んだあとに、旅館に行った際には、特に働かされもせず、一定の期間(きゅうりぽんぽんや血反吐結びが働き続けている間よりも短い期間)釣りなどで時間を潰していたら、扉の先に行く権利を得ました。これも含めると、旅館は単に地獄というか、天国も地獄も兼ねているように思われます。

ちなみに、もかは罪があって旅館で働かされているわけではありません。きゅうりぽんぽん/血反吐結びに助けられたために、旅館への借りができてしまい、借りを返すまで旅館の客になれない状態になってしまっただけです。緑茶が「本来と違う予定」、もーちゃすが「緑茶の娘にしては目に見えない部分も成長している」、お婿が「海を渡ってきたから悪い人かもと思ったけどそんなことなかった」、わんこが「君は悪くない」と言っているのも全てもかが罪人でないことの裏付けになっています。実際もかは現世で不倫していたんですが、まあ望まぬ結婚+DVがあったので… もかがモテすぎるという原因でいろいろ問題が発生しすぎているので事実上の罪人かも。こんにゃろ!

わんこやもーちゃすは魂を釣って、死・転生を司っているシステム寄りの存在だと思われます。ふりくすくすに対してもシステムとして制御しているように見えました。既存の言葉だと死神が近いかな?船を渡すのも、三途の川モチーフっぽいです。

「海」は三途の川モチーフということもあり、死んだ魂が旅館へ行くまでの道中を意味していると思います。船が偶然壊れることや船から偶然落ちる人がいて、それを回収するのが人魚の仕事です。もかが嵐に見舞われて、船が壊れたのはただの偶然です。こうちゃ視点では海で3回ももかに会えた偶然は運命のように見えたかもしれませんね。

月の世界はいっぱいくつしたとこほんこほんちゃんがいた場所です。わんこの代わりをやっていたりと、システム寄りの存在だと思われます。もかがばりぃランドに行けたのは、妖精が月の世界を経由して白の世界に案内したことによるものでした。月の世界はその名の通り、黒の世界の月に到達すると行けます。(黒の世界の月が真っ白なのは、そのままそれが白の世界であることを示しているかも)

案2

現世=ばりぃランドなどがある場所=白の世界
月の世界↑ ↓海
旅館(黒い世界)

案2

こうかもしれません。というのも、もかが死んだ際に、ばりぃランドを挟まずにいきなり海に落ちて旅館に行っているんですよね。構造的にはこっちのほうがすっきりしていて納得しやすい気がする。ばりぃランドにはわざとらしく太陽が配置されていることも、お月様との対応が取れていて気持ちがいいです。この場合、メイドは転生を既にしていて、ばりぃランドで偶然生まれたということでしょうか。ちょっと時系列的に早すぎるかも?

白の世界はばりぃランド以外にもいろんな町がある広い世界です。ですので、あの世界のどこかにふりくすくすお嬢様がかつていた町があったとしてもおかしくありません。

もかの魂の在り処・ふりくすくすの目的

メインストーリーながらめちゃくちゃ理解が難しいです。難しすぎてあんま分かっていないです。もかの人生の流れを書いてみます。

現世でふりくすくすと結婚

ふりくすくすのDVで死にかけることで一度海に落ちる
(こうちゃとの出会い1回目、もかは認識してない)

意識を取り戻す。メイドと不倫する

ふりくすくすにバレて殺害される

船が偶然嵐に会い、海に落ちる
(こうちゃとの出会い2回目)

旅館で働く。きゅうりぽんぽんか血反吐結びといい感じになる

海賊もーちゃすに攫われ、海に落とされる
(こうちゃとの出会い3回目)

旅館で妖精を見つけて、月の世界を通りばりぃランドへ行く

この先はプレイヤーの選択でルート分岐

もかの人生

こうちゃとの出会い一回目があってるか怪しいです。このもかは「からっぽ」らしいんですが、全然意味がわかってないです。ただ、ふりくすくすとの生活で死にかけてる描写の後にこうちゃとの出会いが挟まっているのでこういう流れなんだと考えています。

死の境まで虐待された?

この後から、ふりくすくすの暗躍が始まります。ふりくすくすはもかを殺した後に、もかを復活させようとして、旅館や星宿りなどを考察して一冊の本を書き上げます。本を書き上げたことで(どういうわけか)向こう側に行けたので、ふりくすくすは人魚のこうちゃを利用して、人魚の下半身(人魚の力)を得ます。ふりくすくすはこの状態を「海の管理人」と呼んでいました。また、こうちゃに星宿りを使わせることで、もかを旅館から呼び出すことも企んでいました。(純心な者のみが貰える星宿りの枝をふりくすくすが貰えるわけないので)

ふりくすくすは旅館の扉の先に行ったあと、奇跡的に戻ってこれたそうです。「もかを復活させる行為=もかを旅館の先から呼び戻す行為」は問題がある行為であり、代償としてとかげとなってしまいます。ふりくすくすもとかげ化した描写がありました。

すな!
とかげ化したふりくすくす

旅館にお客を増やす方法について記載されているとかげの本棚から本が1冊抜き取られていることから、ふりくすくすはとかげになったあとに更に旅館の情報を得たのかもしれません。この後の石鹸箱の毒に観客を増やさせた描写とも整合性が取れます。

このとかげはふりくすくすでもこうちゃでもない

ここでこうちゃと結ばれるか否かでまずルート分岐します。言い換えると、ふりくすくすの思い通りに話が進むかどうかでルート分岐します。

・こうちゃルートを選ばず、旅館の娘やばりぃランド女の子と結ばれるルート

こうちゃは自分が選ばれなかったことを苦にして、一人海に戻りたいと願い、とかげになります。とかげ化を「旅館の先から呼び戻す行為の代償」だとすると、ここでこうちゃがとかげになるのはおかしい気がします。もしや、無理やりもかを海に呼び出して、二人っきりになろうとしたのか?だとしたら勝手すぎる。ただ、もかをみんなの物と表現するのもおかしいか?だとすると、自由にできると思ったものは「海」かも?

印象的なセリフ
みんなの物なのは何?

ふりくすくすは石鹸箱の毒とぶりとばを利用して旅館をばりぃランドとつなぎました。マップを見れば一目瞭然なのですが、明らかに白の世界に黒の世界がつながって、侵食してきています。

白と黒
真っ黒

石鹸箱の毒とぶりとばが釣られた後に、さらに「ふりくすくすの旅館」(=おるちゅま)をばりぃランドとつなぎました。この段階では画面全体が薄暗くなり、マップも真っ黒であり、黒の世界に大きく侵食されてきている事がわかります。目的は私は全く分かってませんが、手に入らなかったもかを実力行使で奪おうとしたのでしょうか?こうちゃのやった自分勝手な行いが「海≒旅館を操って黒の世界を侵食させること」である可能性もありますね。なお、ふりくすくすの旅館の接続はこうちゃルートでは起こりません。

とかげの本棚にあった本が『おるちゅま様と白と黒』=人間を閉じ込めて殺す方法であることから、もかorもかの想い人を殺すためにやっためちゃくちゃな大暴れという可能性もありますね。

ちなみにですが、現世のふりくすくすの家とふりくすくすの旅館は外観が全く同じです。


結局わんこともかの協力によって、ふりくすくすは敗北します。

ばりぃランド女の子を選んだ場合は、もかはあるべき場所=旅館に一度戻されたあと、星宿りの日に呼び戻されてハッピーエンド。

きゅうりぽんぽん/血反吐結び/もーちゃすを選んだ場合は、もかは彼女らと再会した後、旅館の客として罪を洗い流して転生していきます。なお、今後ふりくすくすは人魚として働かされることになります。

・こうちゃを選ぶふりくすくすの思い通りのルート
ふりくすくすは徐々にこうちゃの体を乗っ取っていきます。ぱりぱりうめは「徐々にあの女になってる」と評しています。ふりくすくすはもかと結ばれたこうちゃと成り代わることで、最終的にもかと結ばれることを1つの目的としています。

ここで最終的に旅館の先の扉に行くわけですが、ここで、「うぃけちゅけ化」「とかげ化」のどちらかを選ぶかで更にルート分岐します。

・うぃけちゅけ化を選ぶ。
星宿りの力を使わない=こうちゃを助けられないルート。
こうちゃとふりくすくすは体を交換しているので、ふりくすくすを殺すとこうちゃも死ぬ。「旅館で死ぬと扉の先に行けない」ので、ここで死ぬとこうちゃもふりくすくすも旅館に戻ることはできない。
罪のあるこうちゃはまた海で人魚として働かされることになる。もかはいつか死んで旅館に行くが、4回目も偶然海に落ちることができるとは限らない=こうちゃと再会できるとは限らない。ビターエンド

・とかげ化を選ぶ=旅館の意味が分かっている
こうちゃが星宿りに願った「もかとずっと一緒にいたい」という願いが叶えられる。こうちゃは先に旅館に行って、もかは寿命を全うしてから旅館へ。
こうちゃともかは旅館で出会う。こうちゃを助けてしまっているため、ふりくすくすも助かってしまっている。ふりくすくすの凶行は防げないけど、こうちゃとは出会えるバッドエンド…?ハッピーエンド?メリーバッドエンド!世界の代わりにこうちゃを選ぶという点でタオル4のラストと被せてきていると思われる。
ちなみに、ここでもかが記憶を失っているのは別に普通のこと。わんこいわく、「転生したら記憶を失って最初から」なので、ルール通り。

うぃけちゅけなっつりここなっつぃー化について

わかりません。

絶対重要だと思うんだけど…
  • 「星宿りで思いを伝えず、扉の先に行って不愉快にも成功した例、あの女。」

  • うぃけちゅけに会うともかの服が赤くなる。それがうぃけちゅけと出会うことがトリガーで起こることをぱりぱりうめだけが知っている。

  • ろっぺんちゅルートで特に回収されるが、うぃけちゅけの本棚の本で他人の秘密をこっそり覗き見ることができる。

  • 幽霊のぱりぱりうめと日常的に話しているという描写がある。

これはゲーム上の描写をまとめているだけで、私は全くもってうぃけちゅけ化の意味が分かっていません。

ただ、「星宿りで思いを伝えず」ということから、星宿りの枝を使わないルートを指し示しているっぽいです。事実、こうちゃルートでうぃけちゅけ化を選ぶと、星宿りでこうちゃを救えないです。ろっぺんちゅルートで、ぱりぱりうめが星宿りで死者を蘇らせず、今生きている猫足乙女を大切にしろと伝えたことも、星宿りの枝を使わないルートを指し示しているかもですね。

また、しばらく白の世界にいると赤い服になり、旅館にいると黒い服になります。このことから、赤い服は太陽=白の世界、黒い服は月=黒の世界を示している可能性があります。

キャラに関して

もーちゃす

きゅうりぽんぽん/血反吐結びの選ばなかった側は海賊もーちゃすに連れ去られて、純潔を奪われます。あと何気に最初に選んだ妖精も海賊もーちゃすに手籠めにされています。釣り師もーちゃすがばりぃランドで変態扱いされたのはこの時のことが妖精越しに伝わっているからなのでは…変態っていうか強姦魔なので妥当な扱いかも。なお、もーちゃすがあごちゅの影響で海賊になっているのはタオル4のセルフパロディ。洗脳に近い現象なので釣り師もーちゃすは被害者だと思う。
海賊もーちゃすがしたこと、めちゃくちゃショッキングじゃないですか…?

もーちゃすが石鹸箱の毒に襲われて死亡したあと、システムとして釣り師の役目を持っていたため、再度記憶を取り戻して釣り師に舞い戻ったのだと思われます。多分…

きゅうりぽんぽん/血反吐結びの選ばなかった側

選ばなかった側は海賊もーちゃすに連れ去られ、純潔を奪われます。その後、海賊もーちゃすが石鹸箱の毒に襲われ、その段階で妖精と選ばなかった側は抜け出します。
妖精はばりぃランドに帰り、選ばなかった側は「客として」旅館に再度訪れます。
結局からっぽのまま旅館で再度働き始めるわけですが…どういうこと!?

完全に無言になったきゅうりぽんぽんと血反吐結びめっちゃ怖いです。ここの描写全然意味分かってないです。

猫舌

星宿りの日にわらわぅの魂を返すって聞いたのに、星宿りイベントで特にわらわぅ関係なかったんでぅけど!?

ろっぺんちゅの夫・緑茶の夫

どっちも猫舌=猫頭巾ですよね? タオルケットはスターシステムですが、同じ作品に同じ顔の別キャラが出てくることはそう多くなかったはずです(ヨルモルキミリ2・3の血反吐結びとかは意味があって同じ顔の別人)。
もしかすると、同一人物の猫舌=猫頭巾が死んで、緑茶と結ばれた可能性はあります。そんなエロいおば…御婦人ばっかり…
いや、十中八九、単にタオル5とかいけつ猫足乙女のファンサービスだと思いますけどね。

ぱりぱりうめ

ほぼ何も分かっていませんが、誰かに思い出されるのを待っている霊体らしいですね。金色の髪色をしてるので、タオル2のもーちゃすを待ち続けているぱりぱりうめでしょうね。釣り師もーちゃすを連れてぱりぱりうめと会話してみましたが、特にイベントはありませんでした。
うぃけちゅけと関わりが深いようですがこれも謎。
これはギャグ描写ですが、もかがにゃにゃもに霊体にさせられていることや、星宿りがそもそも存在することなど、我々プレイヤー世界と比較して死や魂が近い世界であることを示しているようにも思えます。

別作品とのつながり

作者様のブログでもか君が月の子であることが明かされました。もともとタオル4のもかが月の子として存在したのですが、おそらくタオル4の代替として夜海を月の子の物語として回収することで、もかを月の子として還らせたのだと思います。
元々はタオル4のオチでふりくすくすによってもかが月の子として還るのに失敗して、タオル表(体験版のみ・未公開)でついに月の皇女復活なるか!?という流れで回収しようとしたと思われますが、夜海に吸収された形になったのだと思われます。
ていうか現在、タオルケット4どころか、この夜海もダウンロードできません。現行でダウンロードできない作品の考察をこんなに書いちゃった…。でぅ!

→すみません、夜海ダウンロードできました!(2024/3/9現在)
https://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se503307.html

感想

こんなフラグ管理が大変そうな作品で、致命的なバグなどが見当たらないのマジですごくないですか? そもそもボリュームがやばい。ルート一つクリアするのに他のタオルケット作品と同じボリューム感がある…。

全ルート回収するためには異常なボリューム量をこなす必要があるので、こんな記事書けるぐらいには深く潜ってしまいました。誰とルームメイトになるか・どっちの旅館娘を選ぶかでこうちゃルートの内容が少し変わるので、めちゃくちゃな回数こうちゃルートを攻略させられたのもやばかったです。もかが男女でどうセリフが変わるかまで含めたら更に倍!それはやらないぞ!

笑うわらわぅからヨルモルキミリへと続く、作者様の新しい(もう大分前だろ!)作風と最高の会話劇製作能力が両方楽しめるかなり重厚かわいい面白い作品だと思います。

個人的には、かいけつ猫足乙女でデレシーンがあまりなかった猫足乙女がデレデレしてたのが最高に可愛くてにゃにゅいーんでした。


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