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映画について - ええんか?そのタイトル

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洋画を日本へ持ってくる場合,たいていは日本の配給会社が公開時用のタイトルを考えて付けます.けれどこのタイトルが非常に気になることが多いです.

昨夜アマプラで見た『登山』という映画ですが,まずタイトルの強さ(発信力)から言えば×ですね.また映画の主題を表しているかというと,これも×です.山へ登るシーンが多いので,100%間違ってるとは言えないまでも,イライラするようなタイトルです.

これはフランス映画ですが,原題は『ALTITUDES』となっており,訳せば「高度」です.だったらタイトルも『高度』とすればよいかというと,それではまったくだめでしょう.ここに日本語でタイトル付けすることの難しさがあります.

ところでこの映画,主要となる登場人物は5人だけなんですが,説明不足なのか私の理解力が悪いのか,3人の関係は判明したものの,残り二人の立ち位置がよくわかりません.簡単に説明すれば,親子関係と男女の関係が合わさって話が進んでいく,そんな感じです.ここらへんがシャープに表されていたら,もっと感動的な作品になったと思うのですが残念な作品でした.

まあそれはさておき・・・

上で述べた3人はともに登山家で,ともにアルプスのある山に登ります.困難なルート,それも垂直に切り立った岸壁をザイルに命を託して.結果4357メートルの頂上に立つことができます.このようにどんどん高度を稼いで山に上り詰めたことから,原題は『ALTITUDES』としたんですね.まさに主人公たちが危険を犯してまで極めた「高さ」こそに意味があるのです.

けれど日本語で「登山」としたことで,まったく緊張感が欠けてしまいました.それに山登りの過程も含めた事になって,主題である「高さ」がぼやけています.

ところで山へ登った3人のうち,一人の女性は下山後しばらくして難病で息を引き取ります(病を押して登山したのです).死の直前に彼女は言葉を吐きます.

『頂上で話してくれたでしょ.人生は山のようだ,気持ちのいい高さもあれば,生死を彷徨う場所もある.でもその難関を受け入れれば,一歩ずつ上がれて登ることが楽しくなる.』

あの高さを目指したからこそ,克服することが出来たわけです.彼女は頂上から,同じ登山家であった父親の遺灰を撒きます.病であるにもかかわらず目的を達成できた彼女にとって,果たしてそこは気持ちの良い場所であったのでしょうか?

さて最後に,私ふうにこの映画のタイトルを考えてみました.

高さ,高度,高いところ・・・『空に近い場所』.

天国へ召されていった彼女をイメージして,このタイトルにしてみました.どうでしょうか?

  登山|Amazonプライムビデオ


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