写真漂流 - そして今,「バリフォーカルレンズ」について考える
shot with SIGMA dp0 Quattro
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かつて「バリフォーカルレンズ」という,焦点距離可変のレンズがあった.
端的に言うと,焦点距離を変えればピント位置が移動するレンズである.
産業用途としては現在でも使われているのかもしれないが,一般的な静止画や動画撮影の世界では,完全にズームレンズに取って代わられている.
レンズ鏡胴に焦点距離を変更するリングと,ピント合わせのリングがあるので,普通のズームレンズと同じように見える.けれどバリフォーカルレンズでは焦点距離を変えるごとにピントを合わせ直さなければならない.
これは特に動き物の撮影においては,大きなデメリットだ.
しかし前出のサイトの説明にあるように,光学的には設計が簡単で,かつ小型軽量にまとめられるという利点がある.
そこで閃いたのだが・・・
現在のデジカメのオートフォーカス機能(AF)は非常に高速に作動し,また動体に対しても正確に焦点を合わすことが可能となっている.
それならばバリフォーカルレンズであっても,カメラマンが焦点距離を変更した瞬間に,カメラのAFがピントを合わせてくれることも不可能ではないはずだ.
特に「コンティニュアスAF」モードであれば,ボタンを押している間中AFが作動しているので,理屈の上では焦点距離を変えたとしても,即ピントが追従するのではないかと思う.
それならばズームレンズの高度な束縛から逃れ,かなりレンズ設計の自由度が広がる.それにより小型軽量化とコストの低減,あるいは高性能化が計れるのではないかと考えるのだがどうであろう.
オールマイティーな撮影に対応とは行かないまでも,風景写真やポートレイト撮影,街角スナップ程度の使用では,一般のズームレンズと互角に戦えると思うのだが.
この発想,どこかのレンズメーカーさん,採用してもらえないですかね?