写真漂流 - 遠ざかる風景
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上の写真はコインパーキングのアスファルトを剥がしている様子.
ここは最寄り駅から徒歩2分の場所だ.やがてここには13階建てのマンションが建つ.
こちらに引っ越してきて早13年.その頃は文化住宅と言えるような古いアパートもいっぱいあったのだが,ひとつふたつと姿を消して行き,瀟洒なマンションに生まれ変わっていたりする.
ところで以前から,よくこのあたりのストリートフォトを撮っている.最近路地を歩きまわっていて感じるのは,街並みが急速に変わりつつあることだ.実際1ヶ月後に同じ道を通ったら,建っていたはずの家の場所がさら地になっていて驚くようなことが多い.
街の姿は確実に新しいものへと変化している.それを知ると自分の宝物でもないくせに,妙に惜しいような気持ちになるのである.
件のマンションが完成するのは来年末らしい.自宅の屋上から見ると,東の空が少し遮られるだろうか.どういう景色になってもそれは仕方ないが,昔の色が薄れていくのは,やっぱり寂しい気持ちになるものだ.
高層マンションのために潰されていくコインパーキング.その前はたしかパチンコ屋だったように思うが,はっきりとは覚えていない.そんなふうに風景が塗り替えられていく.そのたびに過去の光景は記憶の奥に,澱のように積み重なっていくのだろうか.
記憶よりも記録.写真はかつての光景を記録してはいるのだろう.
が,しかしそれもいつしか遠ざかり,自分の視界から完全に消え去ってしまうような気がしてならない.