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帰り道
久しぶりに人と会った
旅行から帰ると、それまでの時間を取り返すように、ゲームや映画に没頭した日々を送っていた。昼夜も逆転し、本当に帰ってきてから初めて人と会った
元バイト先の先輩同期との飲み会。まだ勤めている同期も居り、僕が辞めた、逃げた理由は、「勝手」に対する意地だ。同期には、僕がやるから、とわざわざ承諾してくれたやつもいて、後ろめたい気持ちがあった。行きたくはなかった。でも、そいつが誘ってくれたから、行った
蓋を開けてみれば、楽しい飲み会だった。割りを食ったのは、後輩だったらしい。申し訳ない気持ちはあるけれど、しかし、社員ではなく僕に怒っていることに少し安堵した。僕を刺すなら、お腹にして欲しい。誘ってくれたやつが、しっかり僕をいじってくれたことも手伝って、というかその場に僕に対してあーだこーだ思っている人はいなかったので、少しだけ気につつ飲んでいた
なにも難しいことはない
人は思っているより優しいというだけだった
無関心ではない優しさを与えられた僕は
終バスを逃して
歩いて帰る
酔っている時に、あまり気にいっていない音楽を聴くのが好き。狭量とこだわりを間違えないように、自分を戒められるから
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