雑記(20230212)ー「好き」を巡ってー
写真:職場近くのモクレン
今日は親戚の家に宿泊させてもらっていたが、いつも通りの時間に起床し、朝食を食べ、労働に出かけることができた。最近の中で室内に後ろ髪引かれる感覚が一番薄い状態だった気がする。電車もかなり空いていて乗りやすかった。
労働の帰りに、職場の近くにある個人経営の小さな書店に立ち寄った。あまり時間がなかったので全ての棚を見て回ることはできなかったが、文芸の棚と学術の一部の棚をちらっと覗いた。この書店は(アカデミアに近いこともあり)選書にとてもこだわっていて学術の棚では、バトラーや浅田彰などの有名な著書をはじめ、最近学術界隈で話題の新書や単行本などがずらりと並んでいるのが印象的だった。
私の現在の研究は、SNSと子どものアイデンティティの関係だが、関連しそうな書籍を見つけたのですぐ購入した。ぱらっとめくると先行研究がぎっしり詰まっていてもう心惹かれる。
本書は特に青年期の女子を対象にしてインターネット上での人間関係を捉えようとしたものであると推察される。青年期の女子に限定しているのは、本書によると、ネット端末としてのスマホの利用が女性に多いという統計が出ているからのようだ。私の研究にもジェンダー、さらにはその他の変数を加えてその関係の分析ができればいいなと改めてワクワクさせられる書籍になりそうだ。また読んだら感想を書こうと思う。
そのほかにも気になる書籍があったので読書メーターを使って記録しておいた。また書店に立ち寄ったときに買うなり、大学図書館でアクセスするなりして読みたい。
以下気になった書籍。
言葉の展望台/三木那由他・講談社
目次のタイトルづけが気になった。「すだちかレモンか」、このことばだけでは何もわからないはずなのに、酸っぱさのことを言っているのかな、柑橘類という共通点があるなと言った想像力を掻き立てる。最近光文社新書ででた「会話を哲学する」という書籍も積読しているので読みたい。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000367203
田辺聖子のエッセイ・女のイイ顔/田辺聖子・中央公論新社
2020年のアニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」で見知った名前。書籍は全集を大学図書館でパラ見したくらいでまだ読んだことがない。めくると結婚と恋愛の違いという言葉が目に飛び込む。とてもフラットな言葉で書いている印象。アニメの設定で変換されているとはいえ、ジョゼという人物を1980年代に描き出したその力に惹かれたことを思い出し購入候補に。
格差という虚構/小坂井敏晶・筑摩書房
格差とはなんだろう、虚構とはなんだろうという気持ちになった。格差は私の専門学科では誰もが注目している事象であり、実際に講義内容にも取り上げられやすい内容だ。しかし、それを吟味することなくここまできてしまっていることに気づいた。パラ見すると少し小難しそうなイメージ。
物語のカギ:「読む」が10倍楽しくなる38のヒント/渡辺祐真、スケザネ・笠間書院
高校生向けの批評理論の入門書?ソフトカバーで表紙のデザインも相まって手に取りやすい。めくるとやはり理論が書いてある。高校国語でこういう著書を紹介したら楽しいだろうなという気分に。
今日は持っていた本を少し読み進めた。最近読んでいるのは「アイドルについて葛藤しながら考えてみた」(香月孝史他編・青弓社)だ。この書籍は複数のアイドル文化の当事者によって記されている。アイドルの異性愛主義的な体質やそれに伴って生じているシステムの弊害を指摘しながらもアイドル文化を愛する当事者であるが故にそれに葛藤している著者が多い印象を受けた。
今は途中まで読み進めているが、印象的に残ったのは上岡磨奈さんの第6章「クィアとアイドル試論」だ。上岡さんのことばに以下のようなものがある。
私自身も「通常」とされる”好き”に還元されないようなものがあるということを自認している。「私」にとって性別は関係のないということと「あなた」にとって性別が関係のないものだということがイコールではないのだということを改めて認識させられた。
タイトルを回収したので終わろうと思う。最後までありがとうございました。
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