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新人看護師だったあの頃 ep.1〜鼻詰まりに初めて感謝した日〜

こんにちは。namakemono.です。

タイトルのとおり、1月からしばらくの間は私の新人看護師時代の印象に残っているエピソードを綴っていこうと思っております。

・今となっては笑い話になる失敗や経験
・記憶に残る個性豊かな患者さん達
・厳しいけどたまに良いこと言うお局先輩
・気は合うけど独特な雰囲気を持った同期の存在

などなど・・・


一番純粋に看護師という職に向き合っていたあの頃、思い返すと本当に濃い毎日を過ごしていました。

時が立ち新人の頃から約10年後の今、
もう忘れてしまっていることがほとんどです。

だから少しだけnoteに残しておこうと思いました。

自分の備忘録のようなものでもあり、

誰かに少しでもクスッと笑ってもらえたら、自分の気づきや学びが誰かの役に立てたらと思う気持ちからでもあります。


糖尿病壊疽で緊急入院した患者さん。


新人看護師の私が当時所属していた病棟は整形外科。

入院患者さんの割合は腰や頚椎のヘルニア、膝系の手術目的6割くらいで3割は転倒による骨折の高齢者や労災や交通事故、残りの1割は感染系や糖尿病壊疽といった感じでした。


1年目の終わり頃にもなると、定番どころの疾患にはかなり慣れて対応できるようになりましたが、時々くる少数派の疾患にはまだしどろもどろ。


夜勤も先輩達と同じくらいの数をこなすようになり、ストレスや疲労も増える中、毎年冬は至極当然のように風邪をこじらせる私はその時も風邪をひき、両鼻を見事に詰まらせていた。


鼻詰まりで仕事するって本当に辛いですよね。
特に看護師は仕事中ほぼマスク、口呼吸で動き回るのもなかなか苦しいものです。酸欠で頭がぼーっとしてくるし。


そして当時は風邪を早く治す知識もまだなく、こじらせると2週間くらいは声枯れや鼻詰まりと戦っていた気がします。


そんな辛くて仕方がない鼻詰まり勤務のある日、追い討ちをかけるように緊急入院の患者さんが舞い込んできました。


外来からそのまま車椅子で送られ入院となった患者さんはダウンジャケットの下に部屋着のスウェット、ボサボサに伸び切った長髪、全身すごい臭気を放ってご来場。

糖尿病壊疽で片足の足趾が所々真っ黒け、臭いの原因でした。


その頃は経験のために緊急入院の担当をよく任されていたので、その日の当番は運悪く私・・・

先輩看護師達からは不憫がられるも、
どこか面白がっている様子もあり。


もはやこれまで、

ここまでくれば悪運も尽きるだろうといった気分。

それでも開き直ってやるしかないのですから。

唯一の救いとして病棟で一番優しいプリセプターNsがその日同じ勤務であったので、入院業務から緊急で入った処置まで一緒に手伝ってくれました。



処置に入る前、臭いが相当強烈だから厳重に装備して行った方がいい!とベテラン先輩達から勧められ、

プリセプターさんと私は普段処置で装着するエプロン、マスク、手袋を全て二重で装備。笑


そんな厳重警戒でいざ病室に出陣するも、

あれなんか思ったより臭くないなぁ、
と拍子抜けました。


プリセプターさんの様子も確認するもマスクびっちりでよく分からず、患者さんがいる前で臭いの確認など当然とれるわけもないので、ひとまず一通りの処置を施行。


包帯を取った瞬間はさすがに臭いが増してきました。

そして当時初めて見た実際の壊疽、黒い足の指に言葉を失った。

イソジンで足浴後、担当医師の処置を終え退室、無事に業務の山を乗り越えました。


そして病室を出た瞬間、

『やっっっっっばかったね!!!(臭い)』
とプリセプターさんより。


どうやら私は両鼻がパンパンに詰まったセルフ鼻栓により、臭い攻撃から身を守れていたようです。

それでも確かに臭かったので、おそらく鼻が詰まっていなかったらもっとしんどかったでしょう・・・(恐怖)


ステーションに戻った後、他の看護師達からはおおげさに労われ、英雄のような扱い。

私とプリセプターさんは共に全身ファブリーズで浄化。
(浄化になったかは謎)


残った記録の山にとどめを刺され、
その日の勤務は無事終了しました。


鼻が詰まると、呼吸ができる当たり前に心からありがたみを感じる。

でもその時は鼻詰まりのおかげで、強烈な臭いから身を守れたという、じつに奇妙な感謝の気持ちが湧いた体験でした。


そして翌日の勤務も日勤。
嫌な予感を感じながら出勤すると、

案の定またその患者さんが担当についていましたとさ。


こんな感じのゆるい思い出をぼちぼち綴っていきたいと思います。

ちなみに新人看護師時代をこうして思い出すきっかけは、光栄なことにこんなド素人な私でも執筆に携わることができた書籍企画のおかげです。


初めにお話をいただいた時は本当にびっくり。

1年目の自分に伝えたいこと、山ほどある私にとってこれほどになくピッタリな企画でした。

共著なので一部執筆に参加したという形ですが、人生で初めて密かに憧れだった書籍に携わるお仕事ができて感無量です。

しかもメディカ出版様のテキストは看護学生時代によく使っていたので、かなり親近感。笑

なぜそんな名の知れた出版社からお声がかかったのか、謎すぎました。
まぁ詳細はまた次回ということで・・・

この度2月20日にて出版の『めそめそしていた1年目の自分に 今の自分から伝えたい 看護師暮らしのサバイバル術』にて私namakemono.が一部執筆に参加しております!

本日からAmazonにて予約注文の受付が開始されておりますので、少しでもご興味のある新人看護師の方はぜひぜひ。

1年目向けではありますが、若手である2~3年目にも響く内容なのではないかと思います。

しばらくの間は嬉しさのあまり、しつこく宣伝させて頂こうと思いますのでご了承を。

それではまた次回、気まぐれに

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