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高齢者施設で働く看護師【入居者さんとの思い出話篇①】
こんにちわ。namakemonoです。
突然ですが、皆さんは自宅の窓から見える景色は気に入っていますか?
私は今年の夏に埼玉から出身県の地方へUターン&引っ越し、家の窓から見える眺めがガラリと変わりました。
埼玉では駅近・住宅地に住んでいたので、窓を開けても同じマンションの建物が見えるか、隣の家達(しかもかなり距離が近い)が見えるのみ。
特に向かいのマンション住人がほぼ毎日カーテン全開でPC作業(多分在宅ワーク)をしているので、窓を開けるとよく目が合ったりして気まずかったです。
次第に窓を開けるのが嫌になっていました。
引っ越した今、一番大きくてベランダのあるリビングの窓から見える景色は、米どころの田舎なので周りは見事に田んぼと大きい山!
中学校も見えますが田んぼを挟んで距離が離れており、田んぼの周りは人通りも少なく、
カーテンを全開にしていても人目が全く気になりません。
いつでも気兼ねなく窓を開けることができて、晴れた日にはとっても綺麗に大きな山が見えるのでとてもリラックスできます。
海なし埼玉から、海に行きたい時は車ですぐに行ける海沿いの市へ引っ越し、願わくば海の見える場所に住みたい所でしたが、それはまた今後の目標であり夢となりました。
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派遣看護師として4か所の高齢者施設で働き、経験出来たこと。
それは、1つの職場に居続けるよりも圧倒的に、人との出会いの数が多くて学ぶことが濃かったということです。
病棟時代も急性期病棟だったので、患者さんの入れ替わりは激しく、それなりにたくさんの人との出会いはありましたが、
日々の仕事が忙しくて患者さんとまともなコミュニケーションが取れていた気がしません。
また、オペ入院ばかりだったので、術後の経過が順調な患者さんからすぐ退院か他病棟へ移動し、またすぐそこへ新規のオペ予定患者さんが入っての繰り返し。
日勤で入院を担当した人が、夜勤で術後、そして夜勤明けの日勤ですでにいなくなっているなんてことも日常茶飯事でした。
一方私が働いていた有料老人ホームは、施設が入居者さんのお家になるので、何か特別な理由がない限りは退去になりません。
特別な理由とは
他の施設を検討し移動する
体調不良、疾患の悪化により入院する
ご逝去される
などです。
働いてきた施設の入居者数は大体50名〜、多くて100名近い規模。
最低でも固定派遣として2ヶ月は働き、長い所では2年間継続していました。
そして、まともにコミュニケーションを取らない内に出会いと別れを繰り返していた病棟とは異なり、一定の期間だとしても仲良くしてくれた入居者さん達との別れは何度経験しても寂しいものでした。
私が移動して別れることばかりではなく、入居者さん達の”死による別れ”も多く経験しました。
働いてきた4つの施設全てで出会えた入居者さん達には、苦手な人も当然いましたが、私に学びと成長する機会を与えてくれた素敵な方達がたくさんいます。
看護の学びだけでなく、人生を生き抜く上でのヒントも。
少なからず今の自分の生き方に良い影響を与えてくれています。
とにかく、今まで出会えた入居者さん達にはありがとうと、感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな入居者さん達との心に残ったエピソード、関わりから得た自分の感じたことを紹介したいと思っておりますが、今回は前置きが思ったよりも長くなりすぎました(笑)
今回は小話程度に、ファンキーなお婆ちゃんAさんのお話を。
初めて勤務した施設で出会ったAさんは、入浴拒否で有名な方でした。
ちなみに入浴拒否の入居者さんはどこの施設にもいます。
Aさんは長いと1ヶ月くらいは延期してしまう強者でした。
なんとかベテランのケアスタッフに説得してもらい、渋々入浴した後はノンアルビールと柿の種で一杯やるというファンキーさ。
また、施設の食事がお嫌いなようで、食事のテーブルにつくなり「不味そうな飯だなぁ、こんなの食べてられないわ!」と大声で文句を言うことも。
看護師の処置を拒否することもしばしばあり、はじめは処置に入るのが憂鬱でした。
ただ、気まぐれに処置をさせてくれる時に当たり障りなく会話をしていると、意外にも気さくで明るくお話ししてくれる方。
ある時、足趾の処置ついでに、かなり飛び出ている外反母趾のことを尋ねると、
「若い頃に相当ハイヒールを履いたからね!キャリアウーマンでバリバリ働いてた証拠だよ!あの頃はモテたねぇ〜」
と明るく仰られていました。
記憶が曖昧ですが、確かこの方は独身だったと思います。
毎日お洒落なハイヒールを履いて、都会のオフィス街を華やかに歩いていたのでしょうか。
普段のAさんからは想像つかない意外な一面ですが、キャリアウーマンだったことには少し納得。
当時では珍しいことだと思いますが、きっとAさんは自分の芯がしっかり通った格好良くて強いキャリアウーマンだったのでしょう。(お酒も強そう)
施設に入居している今の、お風呂嫌いで怒りっぽいAさんしか知らなかったので、若い頃のお話しを聞けるのは新鮮でした。
こんな感じで、入居者さん達の若い頃を知ったり想像するのは、結構面白かったです。
実のところ私は、普段は内向的なので人との関わりは家族と愛犬達、本当に氣の合う友達が数人いれば十分な人間なのですが、
看護師として仕事をしている時を振り返ってみると、一番楽しいと感じる時は患者さん、時にお客様、そして入居者さん、相談者さんとコミュニケーションをとっている時だったと思います。
学生時代のアルバイトも居酒屋で凄く楽しかったので、今でも時々飲食店での接客がしたくなります。
でも、職場の人達と仲良くするのは苦手です。
自分では本当に不思議なんですが、他にもこんな同志はいるのだろうか(笑)
仕事中の自分と、プライベートの素の自分が大袈裟に言えば別人みたいな、二重人格みたいな感覚です。
仕事となると何故か人との関わりが苦手じゃなくなる。
なんか変な人間なんですが、共感してくれる方がいれば幸いです。
それではまた次回、気まぐれに。