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海の向こうのことわざ

ことわざは世界共通らしく、何も日本独自の文化というわけではない。

覆水盆に返らず
覆水とは容器からこぼれた水のことで、こぼれた水は容器に戻らないということ。転じて「一度してしまったことは取り返しがつかない」の意。

似たようなことわざが英語圏にもあり、
It is no use crying over spilt milk.
直訳で、こぼれたミルクを泣いても意味がない。つまり、覆水盆に返らずと同じ意味を指している。


他にも有名なものでいえば朝飯前。英語圏では、a piece of cakeという。調べたら女性に使うと「お前なんか簡単に手に入る」というニュアンスになり性差別を示唆するから、相手に対して使わない方がいいと記載が多かった。そら普通に日本人でも目の前の人に朝飯前ですなんて言ったら失礼でしょ。



このように格言、ことわざというのは世界で共通しており、少しニュアンスが変わること、上記で言えば日本では盆、英語圏ではミルクといったその文化圏に根付いた手近なものを元にしていることが多い。



つまり、人類はどこで暮らしていようがどんな環境であろうが似たような結論や知見に辿り着くと考えられる。


少し本題から逸れるが、人類が似たような結論に辿り着くことに関して一つ興味深い話がある。『100匹目の猿』という現象をご存知だろうか。宮崎県の幸島に棲息する、あるニホンザルの一頭がイモを洗って食べることを覚えた。そのイモを洗って食べるという行為を幸島の他のサルが真似をした。そうして芋を洗う幸島のサルが100匹目に到達すると、これまで幸島のサルしか観測されなかったイモを洗うという行為が、全国各地のサルの群れで同じ行動が確認されるという現象だ。

つまり、限定的な地域で同行動をとる生物がある閾値を超えると、世界中の生物が同行動をとるということだ。これはLyall Watsonライアル ワトソンという生物学者が提唱した現象なのだが・・・


ここからが非常に興味深く、この『100匹目の猿』現象はWatsonの作り話なのだ。創作者であるWatsonが“この100匹目の猿現象は創作話である”と同著書内で既に記されている。どこにも科学的な根拠はない。
しかし、何があったか創作物であるところは伝えられず『100匹目の猿』現象のみ単独で拡がってしまった。多くの人が『100匹目の猿』現象って話があって〜と噂が噂を呼び、それが信じられ浸透してしまった。

これは虚構であるはずの『100匹目の猿』現象が実証されたことになる。

『100匹目の猿』現象があるという話が閾値を超え全国各地で浸透する現象が起きたのだ。だが、『100匹目の猿』現象は著者であるWatsonが虚構であると述べている。だが、『100匹目の猿』現象は“100匹目の猿現象って話があって〜”と噂され実際に起きている。だが当の本人は嘘だと・・・


無限ループって怖くね?


『100匹目の猿』現象が嘘なのに、『100匹目の猿』現象の話で『100匹目の猿』現象を確認された。全く皮肉なモノだ。


『100匹目の猿』現象でパッと思いついたのは、テレビがない時代なのに全国各地の子どもが同じような遊びをしていたという事例だ。全国各地で同じようなルールの遊びが子どもたちにされていることこそまさに『100匹目の猿』現象なのではないかと思った。
あとは「先生に言っちゃお」の歌。アレもTVで流れていたわけでもないが全員が聞いたことのあるリズム、音程で歌う。非常に不思議である。



本題が何なのか忘れてしまった。そうだ、海外のことわざだった。似たようなことわざもあれば、その文化だからこそ出てくる単語もある。ことわざにおいて、日本でパンやチーズは出てこないが海外ではやたらと出てくる。どういう暮らしをしていたか、価値観の形勢といった独自の文化がことわざから滲み出てきて面白い。

特に気に入った世界のことわざをば。


形式は、

ことわざ

「ことわざの意味」

何か一言メモ

という具合にします。



イギリス

ペンは剣よりも強し

「国を救うのは剣ではなく、ペン(言葉や知識)である」

戦う人よりも指揮官が強い。身体よりも頭で戦うやつ。
力よりも頭を使え。そういうことだ。


一番ひどいのは負け戦、次にひどいのが勝ち戦

「どう転ぼうが戦争することは悪である。」

すごく良いことを言っている。


煙は美人の方へ流れる

「無心の煙でさえ美女に惹かれる。人間の男なら尚更だ」

だから俺は美人によく煙たがられてたのか!!
つーかこれマジだったら笑っちゃうんだけど。


嫁を選ぶなら土曜日に選べ

「本当の人柄や性格を知るにはその人の普段の姿を見ることが大切だ」

君の土曜日見せてくれないか(婚約指輪ドン!!!!)
というプロポーズがいいんでしょうね。参考になります。


ドイツ

いちばん粗悪な車輪が一番ひどく軋む

「役立たずな人ほど文句を垂れる」

ヒトを車輪に上手く例えた例。まさに言い得て妙な文言である。


一本の髪の毛でさえ影をつくる

「どんなに小さいものでも意地や考えがあるからバカにしてはいけない」

一寸の虫にも五分の魂と同じ意。ただ言い回しはこっちの方がカッコいい。


ウマが彼を振り落としたが、彼はスミレの茂みに落ちた

「不幸な出来事が幸運を引き寄せることがある」

俺はスミレの茂みで落馬の辛さを拭えねえです。


猿は高く登れば登るほどお尻を見せる

「地位が上がり突然偉くなった卑しい人はすぐに本性が露わになる」

なんかこういう視点をもてる人になりたいなあって思いました、まる


私にとってはソーセージ

「自分自身にとっては重要ではない」

It's sausage for me.
それマジソーセージやけん、どうでもいいんよ。
全く意味がわからない。


イタリア

チェスが終わればキングもポーンも同じ箱に帰る

「偉大な人も地位が低い人でも死に至っては同じ」

個人的にかなり好きなことわざ其の一。土俵さえなくなればみんな同じになる。上も下もない。でも上と下はあるんだよなあ。あゝ無情。


言うこととすることの間には、海が横たわっている

「言うことと実際にすることは大いに異なる」

海て。


一足の靴に両足を入れるな

「二人の恋人を同じ場所に招くな」

必ず修羅場を迎えるから。別に靴で言わなくても「同じ家に恋人を二人入れるな」くらいでいいと思うけどな。


美しいものが美しいのではなく、好きなものが美しいのだ

「他人の評判や意見よりも自分の好みに誠実でいろ」

はい、わかりました。僕は仲間由紀恵さんがずっと好きです。最近は月島瑠衣さんがとても好きです。はい、月島さんは8個下です。びっくりしました。でも、これからも応援し続けます。


女と布地は蝋燭の光で見てはいけない

「女性は夜の暗がりで見るときなどははっきりと見えないため実際よりも美しく見える」

デリヘルとかね。


恋人にささやく言葉は風や急流に書きつけるのがいい

「後で読み返したら恥ずかしいことばかりなので、日記にしない方がいい」

俺、振られても尚デートプラン書きつけて公開しちゃってますが・・・


幸せを知るのに、人は若すぎることもなければ老いすぎることもない

「年齢に関係なく、幸せな恋愛を経験することはできる」

年齢なんて関係ねえんだよ。8個下を可愛いって思おうがどうでもいいだろ。


鍋がやかんを黒いという

「本質的には同じ」

例えツッコミ。「お前それ鍋がやかんの事を黒いって言ってんのと一緒やがな」


ナポリを見てから死ね

「ナポリはそれほど美しい都市ということ」

俺が死ねない理由が出来た。何故ならナポリを見てないから。


フランス

犬と狼の間

「夕暮れ時」

遠くにいるのが犬なのか狼なのか区別がつかない時間帯を指す。オシャレだけど夜ではないんだね。


女は教会で聖女、町では天使、家では悪魔

「女性の気まぐれさを表す」

ヨーロッパの偉人の名言も結婚した女性をやたら最悪かのように言葉を紡ぐことが多いよな。お前が選んだんよ。


鍋を見下すのはフライパン

「本質的には同じ」

例えツッコミ。「お前それ鍋がフライパンの事を見下してんのと一緒やがな」


昼と夜だ

「真逆なこと」

DA PUMPのUSAの元ネタかしら。どっかの夜は昼間ってやつ。いつから出来た言葉か分からないけど、地球が丸いと確信めいてないと言えない台詞。昔なら一歩間違えたら磔にされてそう。現代でも地球平面説が囁かれてるし、宇宙はいつの時代も言われたい放題だ。


古い鍋でこそいちばんおいしいスープができる

「長年かけて身に着けた知恵や経験は貴重であること」

6年目を迎える俺のフライパンはギュインギュインに曲がってます。油が右下に溜まります。それで作るビビンバ、めっちゃ美味しいです。


ヤギとキャベツの両方に気を配らねばならぬ

「仲裁は双方が満足するようにしなければならない」

中間管理職は辛いということ。キャベツの機嫌(期限)もちゃんと気にしないとね。


よく飛ぶために後ろへ下がれ

「物事を上手く運ぶために好機を待つこと」

個人的に好きなことわざ其の二。すごくいいことを言ってる。


我々の後に大洪水あれ

「今がどうにかなれば後はどうにでもなれということ」

めっちゃわかる。洪水は流石にクズにもなっちゃう。


オランダ

ウマがないならロバを使えばよい

「代替案は他にいくらでもある」

ロバも十分いいだろ。


バッグの中の猫が買い物をする

「無意味なものを衝動買いすること」

オシャレ言い訳?
「私やってないもん、バッグの猫が勝手にやっただけだもん」
子どもにそんなこと言われたら、俺は許しちゃいそう。


スペイン

ウマの駆け出し、ロバのへたばり

「最初は威勢がいいものの、終わりには力が衰えること」

お前らそんなロバ嫌?


お前を大好きな人が、お前を泣かせる

「親は子どもを手元において甘やかさず世間に出して苦労をさせた方が良い」

いやーん、なんかの歌詞?片想い中の女が、今の彼氏がクズ過ぎて悲しんでるのを慰めているときの口説き文句でしょうか。俺ならお前を泣かさないってやつ?心の中の花沢類がお出まし?

あっ、普通にかわいい子には旅をさせよ系だった。


クジラのしっぽよりイワシの頭になる方がマシ

「大きなもので最下位となるより、小さなものでトップになった方がいい」

今回調べて分かったことは鶏口牛後系のことわざがめっちゃ多い。


子どもがいないのに名前は付けている

「まだ自分のものになってないのに計画を練ること」

色んな苗字とか付けてみたりしてな。俺、子どもの名前はとっくに考え終わってますが?画数とかもバッチシですが??


フィンランド

楽しい人には草も花、いじけた人には花も草

「気分によって悪いものも良く見え、良いものも悪く見える」

個人的に好きなことわざ其の三。言い回しがめっちゃ好き。


インド

ある者は女の僕、ある者は女の主、ある者は女の額飾り、ある者は女の恥毛

「男の値打ちは甲斐性で決まり、つまらない男は額飾りや恥毛に過ぎない」

いや恥毛て。言い過ぎでは。


一は一、二は一一じゅういち

「一人一人の力を合わせると何倍にもなる」

言葉遊びというやつ。漢字を上手く捻ったものだけど、インドも数字の二は一を合わせたものなのか?


牛は茶でも黒でも乳は白

「外見で判断するな」

何色の牛でも牛乳は白だから、外面に判断を任せないよう中身をちゃんと見ようねってこと。良い話。たしかに黒ギャルも乳首はpi・・・


金銀は火の中でこそ試される

「本当に重要なものは困難な状況に遭遇した時にこそはっきりと分かる」

火事になったら何をもって外に出るか的な問題。これ無人島にもっていくなら?よりも結構現実的な話題なのに聞いたことない。俺は何だろう。全部かな。


来る道は一本、去る道は千本

「収入は一つだが、支出は幾通りも存在する」

これがまさかお金の話になってるとは思わなんだ。でもすごく納得したんだ。


砂糖を借りに行ったら塩を貸してくれと言われる

「誰かに助けを乞うと、逆にその人から助けを乞われ状況が悪化するということ」

話を聞いてくれないやつ。RPGのおつかいクエストだ。


自分の人生は自分の人生、他人の人生は野菜の煮つけ

「自分勝手で他人の事は全く気にせず、自分の利益のみを追求する様子」

煮つけて。めっちゃ美味そうじゃねえか。気になっちゃうよ。


食べ物は命を救うが命を奪いもする

「健康のためには適度に摂取して、適切に調理する必要があるということ」

その発想はなかった。食べ物って真反対の事象が起きうる。たしかにって思った。


食べ物は自分の好みで、化粧は他人の好みで

「何を食べるも自由だが、化粧や装いは他人に配慮すべきである」

今の時代では反感を買いそうだけど、間違ってはないよな。男の好みに合わせた清楚系が結局1番遊んでいるってやつ。


毒は優しく盛る

「忠告は優しくする」

優しく盛っても毒なら死んじゃうけどね。


塀の上に立つ猫

「物事がどちらに向かうか予測できないこと」

ネコは気まぐれなのは世界共通なようだ。


ライオンとヤギが同じ岸辺で水を飲む

「世の中が愛と誠実さに満ちている理想の政治が実施されているたとえ」

強いライオンが弱いヤギを慮り、同じ目線に立って岸辺の水を飲んでいるといいよねってこと。権力者と民衆が同じ行動をとると民衆は嬉しいものだ。このライオンはEQがバカ高そう。ナルニア国物語のアーサー王?







以上で今回の記事は終了です。
えっ、オチはないのか?

オチなんてそんなもん、私にとってはソーセージ。





今回はこちらのサイトを引用しました。情報量がめちゃ分厚いです。ちょー面白いよ。


ことわざ・慣用句の百科事典


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