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【身の上小噺】血のつながりを感じた

自分、この人の子どもなんだなって自覚した瞬間はあるだろうか。

親が自分の子に対して、この子自分の子だなって知覚する話はよく聞く。どっちに似てるか、目元は父親だけど鼻は母親だね、などのような会話をしていない人はいないだろう。


逆に子ども側の自分が親に似てるって知覚する話はあまり聞かない。俺自身、深夜徘徊をしながらアレコレ空想に耽ることが趣味の一つなので、蛙の子は蛙だと思う節を何度か思慮を巡らせたこともある。

数日間家を空けることが多いのだが、そのときに思ったことがある。


数日ぶりに自宅に帰り、久々の自分の枕で寝る。その枕から父親の枕の臭いがした。そのとき、俺、父親と血繋がってるわって感じた。

その枕、もちろん俺しか使ってないから父親の臭いがする訳ない。でも、確かに父親の臭い。子どもの頃幾度も嗅いだあの臭い。決して嫌いな臭いではないからいいんだけど、他の人からしたら加齢臭の範疇になる。俺父親の子どもなんだなと血の繋がりを感じたと同時に年齢、感じたな。


子どもが生まれるには父親だけでは足りない。母親も必要だ。その母親とも血の繋がりを感じた部分がある。


それは脇の臭い。母親の脇と全く同じ臭い。父親の枕とは違い、俺にとって、母親の脇は耐えられないほどキツく感じる最悪な臭い。その嫌悪的な母の脇と同じ臭いなのだ。これはツラい。

脇の臭いが母と自覚したのは中学の頃。自分の臭いについて気になる時期に差し掛かり、足の臭いやらヘソのゴマの臭いやら、自分の身体で臭い所を探し当てケアの方法を考えていた。まさにその時、自分の脇と腕枕されてたときの母親の脇の臭いと同じなことを知覚した。

このとき、自分の脇が臭いと思ったため、それまで何とも思ってなかった母親の脇の臭いが一気にキツく感じるようになった。

時系列をまとめると、
・自分の脇が臭いことを自覚
・どこかで嗅いだことがある臭いだと思慮を巡らす
・母親と同じ臭いと認知
・何とも思わなかった母親の脇の臭いが一気に異臭化

となる。遺伝子が近ければ近いほど、その人の臭いに強く嫌悪感を抱くという話がある。俺と母は相当遺伝子が近いのだろう。父親の枕ももしかしたら同じ結論になってたかもしれない。父親の枕が何故嫌いではないのかは今後検討の余地あり。めっちゃ父親似なのに。母さんはなんかごめんな。

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