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申し訳なさそうに頼み事するの、不毛だからやめよ

「その顔、やめーな」
ガールズバーで食いつないでいた2年前、あるお客さんにそう言われた。眉間を指差しながら少し悲しそうに私を見る目。

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ガールズバーでの1番仕事な仕事は、お客さんを楽しませることだ。どんな話やテンションが好きなのか、どういう言葉遣いで笑ってくれるのか、お酒を注ぐタイミング、その見極めがとっても大切。

でももう1つ、大切な仕事がある。自分たちにもドリンクをもらうことだ。女の子の飲み物代も、お店にとっては大切な収入源。

この自分のドリンクをねだるという任務が、私は苦手だった。自分にそんな価値があるとは到底思えないのに。

「よかったら私も一緒にいただいてもいいですか??」

口がたつことを評価されていた私は、このセリフをうまく会話に入れ込むことを義務とされていた。

可愛い子が多いそのお店の中で、私は常にブスポジション。実際にブスなのかもしれないが、普通に生きてたらそんな扱い受けないよな、という酷い目に結構遭った。

「お前見ながら飲んだらゲロ吐いちゃうわ」
「どーせ若い子いびってんだろ?笑」
「おいブス、おもろいこと言えよ笑」

そんなお客さんの中で、笑顔を崩さず場を盛り上げて、ドリンクをねだる。他の女の子の分まで、私が頼まなければならない。

「なんだこいつブスのくせに。可愛い子達にはあげようねぇ〜♡」と、私だけいただけないこともたくさんあった。

そんな日々が続くと、もう卑屈が板についてくる。“こんなブスが目の前にいる上に、ドリンクまでねだってごめんなさい。”

そんな気持ちで接客している中、言われたセリフ。

「その顔、やめーな」
私の眉間を指差して、悲しそうにそう言った男性。例のごとくドリンクをねだりながら、眉間にしわが寄った申し訳ない顔に、私はなっていた。

「あのね、君はきれいだよ」

その男性は、全てを察しているようだった。
悲しそうな顔で、音を1つずつ紡ぐように、私にそう言ってくれた。

その日は、私が自虐や“申し訳ない顔”をするたびに、彼から飛んできた「やめな」。

なんだかとっても嬉しかったのを、2年経った今でも覚えている。

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「野菜多めでお願いします。」

お昼ご飯を買いに行ったサブウェイでの注文で、私は気がついた。眉間にシワが、寄ってる。

ああ、自己防衛の癖が、ついてしまったんだ。

「申し訳ないと、私は思っていますからね」
そうアピールしておくことで、頼んでいる厚かましさをカバーできている気になっているのだ。

人への頼み事は、何であれ厚かましさは拭えない。だってお願いしているんだから、厚かましくて当たり前なのだ。

私が申し訳ないと思っていることで、頼まれる相手の負担は減らない。“申し訳ないです〜”は免罪符ではないのだ。

眉間にシワ寄せ、“申し訳ない”顔はもうやめよ。そんな逃げのお願いは、される相手もいい気がしない。

「あなたに、これを頼みたいんです!!」
心の逃げ場を作らずに、真摯にお願いごとをしよう。そしていいよと言われたら、ありがとうを伝えるのだ。

「ごめんなさい」より「ありがとう」を大事にできる人に、なっていこうね。

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