わらび?
ある要望でネタを小説風に。
でも、やっぱ面白くできない。。
小説の文才なさすぎ~ww
せっかく書いたので、投下。
<ここから>
ある夏の日。
カーテンを閉め、クーラーを全開にしても
その隙間から忍び込む日差しが部屋を
熱し、暑さが私を昼寝から目覚めさせる。
横では、そんな暑さをものともせず、何の
夢を見ているのか、半笑いで寝ている
ヨメハン。
そんな平和なひと時が流れる部屋に、スピーカーの音が不意に飛び込む。
「わらび~もち、わらびもち~」
来た。
ヨメハンのエサを積んだ軽トラ。
ヨ「わらびが来た~!!」
爆睡中のヨメハン、寝ぐせをつけたまま
フトンから飛び起きた瞬間、すでに
「よーい、どん」の「よーい」の格好。
おもむろに財布を握り締め、スタンバイ
OK。
枕元にある自分の財布でなく、机の私の
財布を握ってるあたり、さすが我がヨメハン、
誇らしい。
ヨ「いっくど~!!」
その言葉に叩かれ、思わずヨメハンの
後ろに続いて部屋を飛び出す私。
前回は軽トラが来た時、トイレ中で不覚を
とり一晩泣き続けたヨメハン。
今回は軽トラを止めるのに十分な距離が
あるのを確認して安心した表情。
ヒッチハイカーのように、握った拳の親指
を立て、おもむろに腕を伸ばす。
そして、満面の笑顔で、タクシーを止める
ように、軽トラに叫びかける。
「ヘイ、わらびー!!」
ウオオオンンンン~
わらびの代わりに、エンジンの轟音を置いて
目の前を時速約60キロで走り去る軽トラ。
過ぎ去ったトラックの切り裂いた風が、
満面の笑顔で腕を伸ばしたヨメハンの髪
をブワっと跳ね上げる。
止まる気など1ミクロンも感じられない。
何が起きたかわからず、親指をたて、腕
を伸ばしたまま固まるヨメハン。
5秒ほどその格好で固まった後、立てた
親指と伸ばした腕をそのままに、身体だけ
クルっとこちらに回れ右。
振り返ったその表情は、止まってくれる
はずだったわらびトラックに向けた笑顔
のまま。
その笑顔が、どれだけ楽しみにしていた
かを言葉として発しているようにすら感じる。
私と目を合わせたまま、さらに数秒、その
まま固まったあと、姿勢はそのままに、
笑顔が泣き顔へのスローで変貌していく。
風船がしぼむようにため息をもらしながら
ヨメハン
「うちの、わらびが。。。」
気持ちはわかる。。
でも、親指を立てて突き出したままのその
腕をまず降ろして欲しい。
夏の日の高さの中、空の色で夕方が
ひっそりと私たちに近づいてくるのと同時に
切なさも感じる夏のひと時でした。