足らず
私、よく「言葉が足らない」と言われるんですが。
それを自分でよく認識できたお話し。
・・
声の録音時、息の音を消すポップガードという道具。
歌手がレコーディングする時、マイクと口の間に置いてる
金魚すくいみたいなアレです。
100均のアクとりに、網上のネットを被せれば自作できる
ので、とりあえずアクとりを用意。
しかし、ネットは何にするか、困った。
・・・
そこに通りがかった看護婦Hさん。
見た瞬間ピンときて、瞬発的に声をかけます。
私「ちょっといい?」
H「どうしたん?」
私「パンストおくれ」
H「・・・」
若い看護婦を呼び止め、第一声でパンストをねだる中年男患者。
なんか、「言葉が足りない」とかいう問題じゃない気もします。
H「わ、わ、わ・・・」
びっくりして言葉にならないHさん。
私まで焦ってしまいます。
H「わたしのでいいの?」
くれるんですか。
さすがHさん、一味違います。
H「な、なんに使いの?」
私「あ、いや、それが・・」
第一関門をクリアしたのに、焦って言葉がうまくでません
私「く、口元に、ち、ちかづけたりして・・」
僕、もうダメかもぉ。
100%純正の変態だぁ
H「つ、つ、つ・・・」
うん、もう、通報されても文句は言えません。
H「使い古しでいい?」
やっぱりくれるんですか。しかも、使用済。
病院初のセクハラ患者の汚名は着ずにすみましたが、
自分の言葉足らずが、腹の底まで染みた、蒸し暑い病院ロビーでした。