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海を抱く-Bad Kids-
学生時代、漠然としていて、誰かに相談するものでもないのは分かっているけれど、自分1人では持て余してしまう悩みを抱えていた頃にこの本に出会った。
大人と子供の狭間という状況に着いていけず、理由はないのに途方もない孤独に苛まれる。こんな感情を持て余しているのは自分だけなんじゃないかと、恥ずかしくて他人に相談することも出来ない。
宙ぶらりんな自分がこの本と出会ったとき、初めて寄り添ってもらえた気がした。
大人になって改めて読み返してみるとやっぱり視点が変わって今までと違うところが見えてくる。
当時は主人公にばかり感情移入してしまっていたが、今は周りの大人たちの苦悩も共感できる分、より苦い作品になった。
けれど、大人になって主人公以外のキャラクターにも感情移入できるようになった今でも
この作品が自分の心に寄り添ってくれることは変わらず、そのことにとても安心した一冊だった。