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金なしコネなし語学力なしの大学生が急にバックパッカーをした話 その3(出国編)
オーストラリアに降り立った最初の感想は
……ここは……沖縄…?
太陽、空、空気、南国の木…
なんかこの景色、見たことある。
那覇空港に降り立った時と同じ気持ちになっ…た…?
前回の記事で触れたとおり私の母は沖縄出身なので、
小学生の頃は夏休みはほぼずっと沖縄で暮らすというような生活をしていました。
そのため南国の景色には多少見覚えがあったのですが、
目の前の景色はまさにそれ。
記憶にあるぞこれと言う感じ。
もしかしたらラストサムライの風景が記憶に残っていたのかもしれないけど、
南国ってやっぱこんな感じなんだ~と思った。
少し戻って入国審査の話。
入国審査は英語苦手民の最初にして最大の難関であると思う。
ここでテンパったら別室というプレッシャーと戦うのは
スタート地点からハードすぎる。
どうですか?英語できますか?
私はできないですよ。
聞かれるだろうことは予習していったのに
旅の目的がうまく伝えられなかった私。
WWOOFって言ったのが通じなかった。
サイトシーンも通じなかった。
そこで泊まる場所は?
と聞かれた時にプリントアウトした宿の情報を指差しながら説明すると
「あ〜バックパッカーね」
という反応が返ってきた。
その後はすぐにどうぞどうぞと通されたものの、そこで私は気がついた。
私は今バックパッカーなのか。
宿の名前がなんたらバックパッカーだったため
職員の方は私のことをバックパッカーだと言った。
私は宿の名前と自分の立場が一致していなかったから
その時初めて気がついたんだ。
遠く離れた地で、私は根無し草になっていたのか。
一応、宿は取っている。
ちゃんと旅行者だ。
そう思っていたけど、もしかして違う?
急にドキドキし始めたことを覚えている。
飛行機を出て空港に向かうバスだったか。
降りる時に私はサングラスを落としてしまった。
降りる際にエスコートしてくれた運転手さんは
それをすぐに拾ってくれたんだ。
親切だな~と思ったのもつかの間
日本ならそのまま「落としましたよ」と
返してくれる未来が見えると思うけど、
なんとその運転手さんは笑顔で自分の胸ポケットにしまったのだ。
「!!??」
という顔をしていたと思う。
その様子をみて満足げに「冗談だよw」とサングラスを返す運転手さん。
海外こえ~~~~~~~~~~
冗談の質が違ぇ~~~~~~~~
他人の物をパクる冗談が
初対面で通じると思うなよな!?
怖いんだよ~~
その後何とか空港での手続きを終え、
建物の外に出ようと思ったとき、またプチ事件が起こった。
エレベーターで降りる時って
地上に出たかったら1Fを押しますよね。
ね、でもね、
着いた階はきらびやかなホテルのロビーだったんですよね。
!!??!?
旅行者が闊歩するホールのようなものを想像していたのに
扉の向こうは金を基調とした光り輝くラウンジ。
ビシっとしたホテルマンと目が合った瞬間
ビビり散らかして即Uターンする私。
とりあえずエレベーターに逃げ込んだ刹那
脳内によみがえるコナン君のあるワンシーン……
――イギリス英語では1階のことをGF(グランドフロア)と言う――
それだ!
オーストラリアはイギリス英語!!
そう思ってエレベーターを見たらありましたGF。
1F の下にGFの文字。
これだ…(心の中では安堵で泣いた
イギリス英語では地上階としてGFの表記を行い
その上から1F…2F…と増えるというこの知識。
コナンを読んでなかったらわからなかった…
漫画やゲームで人生のための知恵をたくさんもらって生きてます。
さて、無事に外に出ることも出来たので次は泊まる宿へ向かおう。
そう思ってキョドキョドしながらブリスベンの街を歩き
迎えのバスが来るはずの場所で待つ。
海外での公共交通機関はいきなりハードルが高く心配していたけど
迎えのバスがあるということで安心していたのだが待てど暮らせどやってこない。
時間を間違えたか?
場所が違うのか?
そもそも迎えが来るということ自体が認識違いなのか??
とオロオロしていると一人の女性に話しかけられた。
「Hello!」
そう元気よく話しかけてきた。
褐色の肌にパーマがかった黒髪
大きなバックパックを背負い、キャリーバックを引いている。
おお、他のバックパッカー…だな?
渡豪初日から他のバックパッカーとの邂逅を果たすとは思っておらず、
いかにも海外を旅をしている感じが出てきてちょっと感動する。
しかしそんな感動もつかの間…。
「Hello. Vhat are you doing? Are you traveling somewhere? Are you also a backpacker? ペラペーラペラペーラ」
あ~~~~~~~~~~~!!!
わ、わからん…!?
ネイティブのスピードで話されるとワッカラン!!?
「Is ze pickup bus not coming? Vhere are you staying? How about canceling zat place und staying at ze same place as me?」
もうめちゃくちゃおじけづいているけど
あなたもバックパッカー?
どこに泊まるの?
と聞かれているらしいことはわかった。
持っていた自分の泊まる予定の宿を見せると
「Ze price is too high! Too luxurious! Rich~!」
なんかめちゃくちゃいいとこじゃん
リッチだなー!!
というようなことを言われてしまった。
バックパッカーズ、俗にいうバックパッカーの人たちが泊まる宿は4~8人部屋が多い。
私はバックパッカーのつもりもなかったので
1人部屋を選んでいたのだ。
それがもうとんでもなく金持ちなのか
贅沢な旅をしているのか、
もしくはボったくられてると心配してくれたらしい。
少し考えたのち、
「迎えが来ないならその宿キャンセルして私と同じ宿に泊まろうよ!
キャンセルの電話も追加の電話も私がするから!」
と提案をしてくれた。
え!?急に何を言うんだ!?
そんなことある??
突然現れたあなたはどこの誰?!
良い人?
親切?
誘拐されるの?!
いやでもここで立ち尽くすのも不安だし
全部電話までしてくれるなら助かるし
良い人そうではあるけど…
え?
何この状況??
そして私は不安を抱きつつも
来るかわからない迎えを待つ方が不安が大きかった。
賭けでしかないが、
目の前の人は良い人そうで
嘘はなさそうだったので話に乗ってみることにしたのだった。
その時の思い出を以前、漫画にしていたので貼っておく。
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この時はいい人そうという直感。
もしかしたらここでBADEND?という不安。
NOと言えない日本人。
突然現れた外国人バックパッカーに言われるがまま
宿を変更することになった私。
改めて取った宿も迎えのバスが来てくれるらしい。
これは本格的に攫われる可能性もあるんでは?
いきなり初日に人生終わるのか?
そんなことを思いながら私は彼女に言われるがままいきなり予定外の旅をし始めるのだった…
ちなみにもともと来るはずだった迎えは1時間くらい遅れていたそうです。
全世界が時間通りに動く人ばかりだと思うなよ日本人!
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