![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168250219/rectangle_large_type_2_1c23c2b2f3e51104b5e92aac2317cf3f.jpeg?width=1200)
「結婚を期に」という言葉を使ってもおかしくないタイミングで決まった夫の転勤。
夫「転勤先、どこやと思う?」
私「わからん。」
夫「長岡。」
私「?????長岡って支店あったん?」
夫「これから作んねん。」
この頃、中国転勤が濃厚と聞いていた矢先に聞いた、まさかの地名。
夫には申し訳ないけど、コロナ全盛期というのもあって、「中国には行きたくないな、中国やったら困るな」とぼんやりと考えていたので、少しホッとした。
もともと念が通じやすい星の下に生まれたのか、たいてい頭に浮かべたことが叶うし、必要なときに必要な人が必要な言葉をかけてくれたり、不思議な力が、偶然という形で、何となく「こうなるべくしてなった」という結果に連れて行ってくれるという経験を、節目節目で経験してきた。
この不思議な力がわたしを導いた場所は、「長岡」だったらしい。
これまでは、奈良に根っこを置いたまま、1か月、2か月、または半年ほど、別の土地に滞在することはあったものの、根っこごと奈良を離れるのは初めて。
しかも東の方に呼ばれることはなく、いつも九州だった。
名字が変わり、嫁、主婦という肩書きがついて、それがきっかけで人生が大きく方向転換したみたい。
名字が変わること自体、自分のアイデンティティを揺るがすくらい大変なできごとだったけど、人生そのものも変えてしまう力があったのか、もしくは、夫の人生の道に乗り換えたようなものだから、ガラッと変わって当たり前なのか。
新生活を始めた家の入居時、大家さんが、「この敷地の家に住む人は必ず出世して出ていく縁起のいい場所なのよ」と言ってくれてはいたものの、「さすがにぴったり半年は早すぎるやろ」と思いつつ、新天地へ。
このあたりから、漠然とした念は、想像の斜め上を行く、未知のアドベンチャーへとわたしを誘うことになっていく。
つづく。