苦しかった青春の話
これは高校2年の時の話。その時の恋愛の話。
高校2年の終わりごろ、修学旅行が終わったとき、同じ部活に彼女が出来た。彼女とは中学校からの知り合い。大人しいけど、些細なことでよく笑う彼女。問題があったとすれば、彼女は高校1年生のとき不登校だったから友達が少ないことだけ。
付き合い始めて少し経ってから、彼女から一つのお願いがあった。「同じ部活の人に自分たちが付き合っていることを言わないこと。」
言われたときはなんだそんなことかと思った。彼女が出来たと自分から言い出すことは滅多に無かったからこの時は快く了承した。
彼女とは同じ学年だが、違うクラスだった。けれど、同じ部活だったから会えないこともなく、忘れ物があると借りに来ることもあったから寂しくは無かった。
付き合い始めてから少したった時、彼女が部活の部長と二人で校内を歩いているのを見かけるようになった。彼女と同じクラスの友達に聞いたところ、部長も彼女と同じクラスで仲が良く、二人で話していることが多いらしい。彼女にこのことについて聞いてみると、「部長さんとは友達。不登校だったから部活の人しか話せる人がいない」らしい。
確かに、部長がいなければ彼女は放課後まで一人で過ごすことになるだろう。彼女が他の男と二人でいるのはもどかしく、苦しいが仕方がないと、自分に言い聞かせた。
彼女が部長と二人でいるのを見る機会は日に日に増えていった。彼女に少し自重してくれないかと頼んだが了承するものの、改善されず、しまいには部長と彼女が付き合っているという噂まで出回り始めた。部活内では部長が彼女の頭を撫でることもあった。彼女は手を直ぐに払いのけているが、部長はお構いなしといった感じだった。毎日、嫉妬で気が狂いそうになり、学校へ行くたびに心をすり減らしていた。
それから2ヵ月、もう我慢の限界だった、彼女に部長と一緒にいるのはもうやめてくれとはっきりと言った。始めは渋っていた彼女だったが、最後には同性の友達を作ると言って了承してくれた。しかし、その時には既に彼女が信じられなくなっていた。それ以来、今までの喧嘩も増え、直ぐに別れることになった。
その後、部長から告白されたらしいが、「タイプじゃない」と振ったと友達づてに聞いた。
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