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「彼の心の港になってあげてください」桜金造

大谷選手の結婚には、多くの方がSNSでもお祝いのコメントをされました。直接本人に伝えなくても、善きことを祝い幸せを祈る行動は見ていて気持ちのよいものです。

私が最初の結婚をした1882年(昭和57年)には、まだ携帯電話も普及しておらず、お祝いのメッセージはすべて家の固定電話にかかってきました。当時の夫は仕事が忙しかったため、ほとんどの電話には出たのは私です。芸人だったせいで同業の方からもよく電話をいただいていて、ある時は「奥様に伝言をお願いします。『トムは悪い子なんかじゃないやい!』と、是非この口調でお伝えください」という小柳トム(当時:現在はブラザー・トム)さんからの依頼を受けたこともありました。

そんな中、桜金造さんは電話口で一通りお祝いの言葉を下さった後に、「我々の仕事は、気楽そうに見えて案外気の休まらないところがあります。奥さん、これからはあなたが彼の心の港になってあげてください」と仰いました。文字にすると歌の文句のような言い回しですが、当時の私には心にしみるメッセージでした。

結局、この結婚は11年ほどで終わり、心の港は復旧ならず。当時の夫も私も、今では別の港に落ち着いております。

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