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アラサー婚活女子の初めてのデート①
最初に使ったアプリは youbride でした。
どこかのサイトで「婚活ならyoubride」と読んだからでした。
当時のわたしは、いい人がいれば、すぐにでも結婚したかったのです。
youbrideは年齢層が高めでした。
30代半ばの人が多かったように思います。
「婚活」と謳っているのだから仕方のないことでもあります。
しかしわたしは、アプリ内で誰かに見つかることを恐れて、プロフィールに顔写真を設定していませんでした。
(仕事柄、見つかると少し困る相手がいました。この辺りは追々……)
26歳=このフィールドでは若い
という武器を活かしきれずに、初めてのアプリ使用は難航を極めます。
さて、写真は出せないながらも、自己紹介などを工夫して書き換えながら、
数週間後にようやく、男性からのアプローチによりマッチングが成立しました。
記念すべき最初のマッチング者は
「8つ歳上の経営者」さんでした。
仕事内容等は割愛しますが、
わたしの2倍は年収があるらしいということがプロフィールからわかっていました。
メッセージのやりとりで顔写真も送り、週末に会いましょう、ということで話しがまとまります。
大阪府内の大きな駅の改札で、お昼の待ち合わせでした。
わたしは決しておしゃれなほうではありません。
が、その日は手持ちの洋服の中で、なるべく綺麗に見えるように組み合わせて、なるべく恥ずかしくないように待ち合わせにやって来たつもりです。
なにせ相手は経営者、どんなおしゃれな服装でやって来て、どんなおしゃれな場所に連れていかれるか……!
緊張しながら待っていますと、経営者さんから1通のメッセージが届きます。
━━テレビの砂嵐みたいな柄の服を着ています
え、どういう服?
キョロキョロと探していると、
確かに砂嵐のような柄の、おしゃれとは言えないシャツを着た男性が、わたしと同じくスマホを片手に、誰かを探している様子です。
正直、中学生みたいな服装だと思いました。
きちんと稼いでいる歳上の男には見えません。
少しがっかりしつつ、彼に見つかる場所に立ち、声をかけられるのを待ちました。
「なこさんですか?」
やっぱりこの人かあ……。
まあ、話してみれば印象も変わるかもしれないし。
そんなこんなで、初めてのデートが始まります。
つづく。