友達が整形して思ったこと
専門学校に通っていたとき、友達と「整形したい」という話になったことがある。私は鼻を小さくしてエラボトをしたいと言った気がする。その子が何と言ったかは覚えていない。
それから約2年後、友達は大学へ編入し、遠い地で一人暮らしをしていた。久しぶりに連絡すると、夏休みに地元へ帰ってくると言うので会えることになった。会ってみて驚いた。その子の目が、並行二重になっていた。
ショックだった。彼女は、以前の顔をそんなに気に入ってなかったのか。まさか本気でやるなんて思っていなかった。
だって、整形って、自分の顔を徹底的に否定しないとできなくない?
整形も結局は傷なので時間をかけてじわじわ戻ってゆくとは言われているが、それでも何年かかるか分からないし、一生元に戻らなくてもよいと思っていないとできないことだろう。それって、あまりにも強い否定だと思う。
私はあなたの顔が好きだったけど、あなたはそんなに嫌だったんだね。それが寂しかった。
「綺麗になったね」「大人っぽくなった」と言うと、彼女は喜んでいた。「整形したんだ」とは、言ってくれなかった。
「わたし本当に整形したんだよ。すごくない?有言実行だよ」と自慢してくれれば、私は安心してすごいすごいと褒め称えただろう。彼女が整形というワードを出さなかったことが、彼女の葛藤やつらい感情を表しているようで悲しかった。
なりたい自分になったのだから、胸を張ればいいじゃん。なのに、なんで。もしかして、まだ足りない?私は、あなたの顔に足りないところなんかないと思ってたよ。
自己否定から始めた努力は、実ったとしても自己否定に戻ってくる。あの子が今、自分を好きになれていることを祈っている。
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