ソニア ナチスの女スパイ レビュー(静かにスリリング、リアルなスパイ映画)
人生初のオンライン試写会にて鑑賞。
予告編に惹かれて応募しました。
感想ですが、リアルでした。
非常に生々しかったです。
一人の女優が戦争に翻弄される姿が描かれていました。
正直目をつけられたら逃れられないなと感じました。
今作でも父親を逮捕されたことがきっかけでスパイになる決意をしたわけで、
選択権は本人に無いです。
スパイになってからは自分を捨て任務に従う。
彼女の気持ちを考えると辛いものがありました。
好きでもない男に色目を使うし身体も捧げる。
命を懸けて情報を取る。
父親のため、生きるためとはいえキツイです。
活動すればするほど身の回りの人間は誰も信用できなくなるし、大切な人だって殺されます。
終盤は本当に誰も信用できない感じでした。
結末は唯一といってよい救いでした。
愛です。
愛に救われました。
その場限りとはなってしまったようですが。
本作はスパイがテーマの作品でしたが、よくあるドンパチやる系な感じではなく頭脳戦と心理戦が繰り広げられる感じだったので非常にリアルでした。
本来スパイは目立たずに行動するものだと思うので。
ただ、登場人物が多く、国籍様々な人たちが入り乱れるのでついていくのと整理するのが大変でした。
キャストは渋めでしたが、演技力は抜群でした。
主役のソニア・ヴィーゲットを演じたイングリッド・ボルゾ・ベルダルは強烈な印象を残す熱演で素晴らしかったです。
余談ですが、ニコール・キッドマンに見えて仕方なかったです(笑)
脇を固める俳優陣も個性的で良い味出してました。
個人的には「幸せなひとりぼっち」の頑固おやじ、ロルフ・ラスゴードがかなり存在感強めで印象的でした。
本作は実在したスパイに迫った貴重な作品だと思うので観れたことに感謝です。
終始緊張感に包まれた気の抜けない作品ではありますが、こういう人が実在したという戦争の現実を垣間見ることができます。
気になった方は是非。
以上、「ソニア ナチスの女スパイ」レビューでした。
87点。