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りんごとナンニモシナイ
冬なので、剪定をしている。春には「受粉作業どう?あ、今はマメコバチか。」と言われ、夏には「摘果進んでる?」と言われ、秋には「収穫大変でしょ〜。手伝いに行くよ〜。」と言われる。当たり前にりんごのことを知っている、青森のこの感じが好きだ。
剪定をすると、以前は頭も体もものすごく疲労して他のことができなくなったものだけど、5年目にもなると多少体力がついてきたようで、終わってから散歩をする余裕も出てきた。冬に晴れていると、家にこもっているのがなんだかもったいなく感じる。
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学生時代のバイト先で、安いミラーレス一眼を購入してからずっとお世話になっている。バイト中、カメラの埃を落としながら売り場にあるメーカーのカメラを全部触った。シャッターの感じとアナログのレンズが好きで、値段も手頃だったのでFUJIFILMのX-A1の赤いボディのものを購入した。もうAmazonとかでも後継のモデルしか販売していないみたい。中古はあるけど。
加えて最近、単焦点レンズを購入してみた。新しいカメラがほしいと漠然に思っていたが、レンズを変えるだけでも使い方の幅が広がるのではないかと思い直し、TTArtisan 35mm f/1.4 Cを購入。純正は高くて買えなかったけれど、十分すぎるくらい楽しい。カメラをいつもリュックに入れ、散歩の時にぱしゃぱしゃ撮っている。
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写真を撮っていると、「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」を思い出す。キネマ旬報シアターに通っていた頃、お気に入りのスナックを片手に観た。好きすぎてすぐにDVDも買った。DVDは今は手元になく、少し寂しいので今度買うことにする。
散歩も撮影も、「ナンニモシナイ」に近しいところがあると感じている。最近は、家事やストレッチをしている時も、「あ、これはナンニモシナイだな。」と思うようになってきた。そこには能動的な営みはないんだけど、かといって主体性を失っているわけでもない。「中動態」と「ナンニモシナイ」は切ってもきれない存在なのかなぁ。
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「『ナンニモシナイ』は動作ですか?状態ですか?」と鋭い質問をインターンで畑に来ていた留学生に聞かれる。”状態”なのだと思うけど、どっちなのかなぁ。家事もストレッチも散歩も撮影も、動作はあるけれど…。うーん。りんご畑でナンニモシナイを提供していると、「ナンニモシナイってなんですか?」って聞かれるけど、自分でもなんだろうって思う。
昨日夫に「剪定もナンニモシナイだね。」と言われた。新しい視点をありがとう。そうなると、りんごに関わるほとんど全てのことが「ナンニモシナイ」と言うことになりそうだ。タイヘンだコリャ。RINGO BASEで「ナンニモシナイ」を提供し始めてから3年くらい経とうとしているけど、まだまだわからないことだらけです。