【増幅する愛のエネルギー】
大分県大分県中津市本耶馬渓町に
『青の洞門』と呼ばれるトンネルがある。
これは、日本最古の有料道路と言われるほど古いもので十八世紀中頃、この断崖絶壁で人が多く命を落とすのを見た僧禅海が、
ここにトンネルを掘り安全な道を作ろうと、托鉢勧進によって掘削の資金を集め、石工たちを雇ってノミと槌だけで30年かけて掘り抜いたといわれる。
普通に考えたらとても人間の手でトンネルが掘れるとは思えない場所である。
しかし、禅海らは諦めなかった
始めのうちは冷笑していた住民たちの目は、やがて尊敬に変わった。
この禅海は、実は元々武士の下僕で、当時最も重罪である主殺しの末、仇討ちの追っ手から逃げ回り、金や物を奪うために旅人を殺すなど悪行を重ねてきた者だった。
禅海が、たまたま通りかかった難所にトンネルを掘ろうと決心したのは、罪滅ぼしのためであった。
洞門が完成してからはその断崖で死ぬ人もいなくなり、多くの人に感謝され、禅海は後に上人として拝まれるようになった。
(上人とは、仏教における高層への敬称であり称号である)
たとえ、罪人であった人間でも
愛を広く人のために与えることにより人は神にも仏にもなれる。
愛のエネルギーは、人のために与えることにより、より強さを増して自らに環ってくる。
人を救うことにより、自らも、
より大きく救われるのである。
この大きな人間愛の根本にあるのは性愛であり、それが、人間の存在、命そのものを生み出すということを忘れてはならない。
神は、最も神秘的なエネルギーの発生源として、人間に『性』を与えたのである。
これは例えば、男の集団のなかに
女を一人加えるだけで、突然、その集団が生き生きとしたエネルギーを発生しはじめるとうことで身近に見ることができる。
高校野球などでマネージャーを女子にする学校があるのは、そのことを体験的に知っているからであろう。
参考文献:
・ウィキペディア
・『遊女の文化史』 佐伯順子