【今日のビジネスアイデア】 パーキンソン病患者のためのピルケースをTikTokで試作開発
パーキンソン病を患うと、病気の症状として手の震えが起こり、そのため薬を飲む際に苦労をされる方も多いのではないかと思います。私の夫もこの病気ではないものの、手が震える症状のために、カップに入った飲み物を自分で運べなかったりするので、苦労はよく分かります。
TikTokでその不便さを訴えたアスリートJimmy Choiの投稿を見て、不便さを解消できないか、ユーザーやTikTok側での試行錯誤により、手が震えても上手く薬が口に入れられるようなピルケースが開発されました。
アメリカに住むユーザーの1人が、自分がデザインしたピルケースを3Dプリンターでプリントして使用できないか、コンタクトを取ったのです。薬を一粒ずつ取り出し、グラスのショットをあおるような動作で管状のものを通して薬が口の中にきちんと入るようなデザインです。Jimmyは3Dプリンターを持っていなかったため、他のユーザーとTikTokのインターナショナルチームが代わりにプリントと検証のプロセスを繰り返して微調整をしていきました。プリントしたものをJimmyへ送り、実際に試してもらってフィードバックを取り入れたのです。
このピルケースは特許を取って大量生産に向けて動いています。3Dプリンターで印刷して使用できるようパブリックドメインに置いておき、個人や非営利団体が活用できるようにしています。
(参照元:Trendwatching.com)
【ちょっと脱線&ひと工夫】
SNSを使っている人は、こういう思わぬコラボ企画や商品が生まれることを経験された方もいるのでしょうか?
人の“困っている“に反応し、それを解決する。しかも何の面識もない間柄で。
SNSでは、関係の物理的、過去の結びつきのバリアを取り払ってくれるので、同じマインドの人がいれば、国や地域関係なく、発現した問題について協力して何らかの解決や工夫を提案することができます。SNSのプロバイダー側もそれに参加して1ユーザーの困ったをどうにかしようとしているのは、とても興味深いです。
1人の困ったを解決することで、同じ問題を抱えた多くの人を救うことになる。しかも、この製品のアイデアや設計をした人は、特許を取ってそのままビジネスとすることができる。
日本でも、副業が解禁されている会社が増えてきていますが、会社の枠に縛られない、こういう一般人の困ったを解決できるプラットフォームがあれば面白いなと思います。分野別に特化してもいいかもしれませんね。
医療分野、特に高齢化社会の日本では、介護の困ったなどを解決できる製品やアイデアを個人単位で投稿や製品試作できる場があれば、将来の自分を助けることにもなります。
逆に、昨今では育児は家族、親戚、地域の助けが得られず、母親1人の孤独な子育てとなっている家庭も多いと思うので、特に新生児から幼児までの時期の子育てで母親の気持ちが楽になるサービスやアイデア、製品が集結するプラットフォームも、必要に思います(私自身が、単身赴任で1人で子育てするのがとても辛かったからです。世の母親の皆様、いつもお疲れ様です)。
会社の枠を飛び越えた、個人の善意による、困った解決をできる場所。これは、金銭的な寄付から派生した違った形の寄付として、世の中に定着していくかもしれません。Yahooの知恵袋なんかは、その走りですね。