白か黒か、人か狼か
「嫌…嫌だ、触らないで!」
「…ごめん」
顔を隠してボロボロと泣く君にただ謝ることしかできない。本当は触れたいよ。抱きしめながらもう大丈夫って言ってやりたいよ。ずっと守ってやるって言いたいよ。でもそんなことなんて出来るはずなくって、俺にできるのはただ君の前で突っ立って見つめていること。
「この、人殺し!」
こうとまで言われちゃ、ねえ。
別に殺したわけじゃない。死んでいたかどうかを確認してただけであって、その時付いた血なのであって。
「この血は…」
「嫌、何も聞かない、聞こえない…嫌…嫌…!!」
君は全否定。俺を拒否する。ここまで拒否られると流石に発狂しそうだよ。
「…裏切った訳じゃないんだよ」
「嘘…嘘よ…」
「見つけた時には既に死んでた」
「嘘言わないで…」
言葉が空回って出てこない。口をパクパクするだけで、空を切って終わる。俺が好きなのは君。でも君が好きなのは死んだあいつ。
「…もう、嫌なのよ…お願い、ねえ、ねえ!」
「……」
ここで初めて異変に気付く。
ここまで何故気付かなかったのだろう。
むしろ気付かなかった方が自分的には幸せだったのでは?
「…最後の狼は、君か」
「……今更?」
顔を上げた君の顔は泣いてなんかいなくて、快感に浸っているのがよくわかるような顔をしていた。ニッコリ笑ったその顔は狼そのものっていうか。君は黒い塊と化していく。
「…っはは、怖い怖い。…俺のこと殺すんでしょ? 早く殺しなよ」
バッと腕を広げる。この狭い踊り場で一対一で戦えるわけがない。一か八かで殺るのも構わないけどそれはさすがに賭けに出すぎ。なら死んだ方がマシ。
「さ、おいでよ。俺のお姫様」
君の手が振り下ろされたと同時に、あったかい血が寒い寒い外へと出て行くのが痛いほどわかった。
*_*_*_*_*
いやあ…完全に人狼ですねえ、これ。
動画の影響やばいっすねえ。
一応誰っていうのはあるんですけど、まあ言わないでおきます( ˘ω˘ )スヤァ…
書いてて楽しかったです( ¨̮ )
強いて言えば、人狼ゲームらし…い…?ものは前に一回書いたことはあったんですが、「あ、ぽいね」ってものは書いたことなかったので人狼ゲーム初書きですかね( ¨̮ )
さ、じゃあここらで。
@りおちゃん
#ショートショート #人狼 #お初ですね #初書き #リクエスト
((気づけよ、りおちゃん))
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