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あんみつについて
あんみつについて何か文章を書こうとして、まずその不思議な言葉や表記について考え始めている。思わぬつまづきからこの文章は始まる。
餡と蜜だから餡蜜=あんみつなんだろうだけれど、きっとあんみつを餡蜜なんて書く人はほとんどいないだろうし、読めない人もいるし、そらで書ける人も少ないような。でも食べてますよね、もしくは日常的に目にしているはずだきっとあなたもあんみつを。
あんみつという表記の中には、餡と蜜以上のイメージとか食感とか容器とか色とかいろんなものが付随している。餡子と蜜までは当然として寒天、豆、牛皮までがレギュラー。甘味処や喫茶店で目にすることもあれば、スーパーやコンビニにある、白や透明の容器はあんみつ専用だろうし、あんみつ産業界がそこにある。
さくらんぼまでは「名乗らなく」てもついてくることがあるが、白玉やアイスやフルーツがわざわざ追加されていると、「白玉あんみつ」「フルーツあんみつ」などと出世していく。その言葉の中心にある軸はあくまで平仮名の「あんみつ」である。平易な表記で日常を彩る存在あんみつ。
くどくど書いてきたが、今年に入って珠玉のあんみつに出会ってしまったのだった。これまでは極私的甘味界のその他大勢の一人だったあんみつが急に気になるアイツになってきた。そのきっかけはこれ。
上野公園前 あんみつ みはし
https://www.mihashi.co.jp/
みはしのあんみつは思わず声が出た。うまいぃ
。初めて食べた時はただ夢中で食べたけれど、身近なデパ地下で買えることがわかり、次第に定期的に買うようになった。寒天や餡子が美味しいことはもちろんなのだが、ポイントは黒蜜。これがすごい。さらには出世オプションである白玉もすごい(最近冷蔵庫で冷やしても固くならない白玉にアップグレードされ、みはしあんみつの日進月歩を感じる)し、「季節のフルーツ」(杏とかはまだしも、若桃とかすごいし、夏みかんとかね)とか、バランスが本当に素晴らしい。とにかく好き。ずっと食べられます。
ところが、である。俺にとってのあんみつはみはしがあれば十分。みはしに出会えただけで幸せなのであると思っていたところに思わぬ刺客が現れた。神楽坂、紀の善である。有名店ですよね。僕は知りませんでした。
神楽坂 紀の善
http://www.kinozen.co.jp/04takeout.htm
神楽坂に用事があって出かけたら、路面店でいかにもな和菓子屋が目に入る。みはしからあんみつ教育されている私はついつい足を踏み入れると…。そこにはあんみつだけでなくなんと抹茶ババロアなる和菓子まであるではないか…。
あんみつもすごくお美味しかった。はずなのだが、抹茶ババロアのインパクトが強すぎて霞んでいる。そのくらい抹茶ババロアは初体験の味で震えた。書いていて今またすぐ食べたい。紀の善も神楽坂以外でも買えるようだけれど、ピンポイントの場所と曜日が決まっていて、まだそれ以来食べられていないから今週行きます今決めた。
ここまでくると、まだ自分があんみつ界の井の中の蛙だという思いしかなく、以後あんみつを見つけると研究したい気持ちになっているのである。
浅草 梅園(うめえんかと思っていたらウメゾノであった。ゾノ。)
https://asakusa-umezono.com/
ここにもか。お前もか梅園。そんなに抹茶が重要なのかわかりました頂きます。
あんみつの旅はまだ始まったばかりだ。
それに、豆かんとかさ、みつ豆とかさ、似たような感じだけど、いまいち華がない兄弟分みたいのがいるじゃないですか。でも、侮れない気がするんですよね。だから攻略していくつもりなんです。あんみつ談義(否、独り言)には、終わりがない。