立呑屋はセンスで決まる
夏の暑い日、仕事帰りのおっさんが中薗商店のベンチで、冷えた缶ビールを飲む姿を偶然目撃したことがあった。
その昔は店内で買ったつけ揚げ(さつま揚げ)などをアテにして飲ませていたことを祖母から聞いたが、本格的な角打ちではなかったはずだ。
私は立呑屋が好きだ。
そして、
立呑屋は店主のセンスで決まる。
立呑屋は店主のセンスが命となる場所。酒や肴の品揃えはもちろん、内装や客への気配りまで、全てが重要だ。
私は京都でも立呑屋を選び、出張先でも立呑屋を探して彷徨う。各地の立呑屋で感じる店主の個性やセンスに触れることは、旅の醍醐味の一つだ。
これは、飲食店すべてに当てはまることではあるが、特にわざわざ狭い店で立って飲食しようという行為をみずから肯定するためには、店主の勘どころを頼みにするしかない。
そういえば、肝心の鹿児島で立呑屋に行ったことがないと気づいた。
食と人間力の豊かな国家である鹿児島ならば、きっとセンス抜群の立呑屋ばかりに違いない。これからの帰省が楽しみだ。
立呑屋は一歩足を踏み入れるだけで、その場の雰囲気や店主のセンスが感じられる素敵な場所である。ぜひ一度、立呑屋に足を運んでみて、その魅力をじっくりと味わってみてはどうだろうか?