チケットがいい感じで売れるまで、公演の宣伝がわりにいろいろ垂れ流す試みの2
【チケットはPeatixにて絶賛販売中】
文化庁Arts for the future!助成事業の採択を受けて、2017年に上演した『Generalprobe』という台本を再演する。
クラシックのトリオ、トリオ・エスペルトとのコラボレーションで、舞台上に役者と楽団が同列で登場して、音楽はBGMではなく、奏者が現場の雰囲気を描写して演奏している音楽が流れる、完全な衝突スタイルだ。
音楽は平気でセリフをかき消すので、とにかくセリフが聞こえないと寿命が縮む病があるなら、致死性のある演劇かもしれない。
1990年代、関西の小劇場で幾つかの劇団が静かな演劇に到達した時期に、演劇を演劇と感じさせるたに必要なのは演技の熱量だけではなく、役者同士の会話の間や、やりとりの見え方自体にあることが確認されたものと思う。
空間に圧力の様なものが発生する条件が、必ずしも役者の動きや従来演劇的と言われていた仕掛けだけにとどまらないことが発見されている筈だ。
そこからさらに手法を推し進めていくなら、なんらかの様子が見て取れるだけで良いのではないか、それが演劇として成立するしないの条件は何かという問いの発生も必然だと考える。
台本でも楽譜でもいいので、何か計画を与えられた演者がフィクションを立ち上げているのだから、そこから何かが発され続けている筈で、発されているメッセージは言葉に限る必要はない。
ところが、ここで一定数「血パンダからは何も届いてこない」という反応がきていることも事実だ。
静かな演劇を発見して以来、熱は受容側、客席側に委ねると決めて、それからかなりの時間が経つ。
生まれて初めて日常会話を意識して書いた台本を上演した時に「彼らはまだ演劇をやるレベルに達していない」と言われた事を思い出すが、本質的にはその地点からほぼ動いていない。ただ、情報を取りに来させるための方法は確実に磨いている。
客席にあって、息を殺して簡単に消化できない時間を過ごすか、流れが俯瞰できる人にはパズルとして、アクティングエリアで展開していくものを見てとってもらえれば幸いだ。そこは受動的に座っていられる場所ではなく、劇場に向かうという選択と客席につくまでの移動が観客になるために必要な行為の全てだということなら、血パンダを選んだのは大きな失敗だ。
ただ、そういった皆さんに対しても、失敗は常に高くつくし、とても痛い。そう感じられるほどの仕上がりになることを常に目指しているので、集中力の限界まで能動的に座っていることをお勧めしたい。
ただ、演劇の全てがそうあるべきとは考えているわけではない。実際のところこの方法は、大衆演劇や宝塚歌劇団に比べて、本番の場数は皆無に等しく、厳しい選抜を経てもいない状態で演劇を継続するための戦略と理解してもらいたい。
闇雲に理解を求めているのか、演劇とはそういうものだという思考停止のためか、客席に何かを届けようとするあまり、客席を地獄に叩き込む劇団は少なくない。ならば最初から、客席に座って何かを取りにくることを求める。そういう場所と定義することで、各々何かの法則さえ掴めれば、灼熱地獄の熱風は心地よい涼風に変わると信じている。
氷見で待ってます。
劇団血パンダ+トリオ・エスペルト
『Generalprobe』
2021年11月6日、7日(両日18時半開場、19時開演)
@氷見市漁業文化交流センター
料金 3,000円(前売りのみ)
作、演出 仲 悟志
作曲 大柴 拓
文化庁Arts for the future!助成事業
氷見市後援
チケットはPeatixから。近所の人は氷見市漁業文化交流センターでも前売り券販売中。
氷見市では、氷見市内での宿泊がお得になる氷見市プレミアム宿泊券も販売中。
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