第37話『落ちてきた星』

 晴れた日が続きすぎたある日、太陽が昇らないまま昼になって、突然空から星が落ちてきたという言い伝えは、世界の至る所に伝わっています。
 多くは日蝕のことだろうと片付けられていますが、注意深く吟味していくと、太陽が最初から昇っていないこと、空から何かが降ってくることが共通のこととして伝わっていることがわかります。
 この説話の多くは、降ってきた星にも特徴があり、王家に伝わる宝石のいわれであったり、神像の額に嵌められた宝石についての説明だったりと様々ですが、天から落ちたこの星のせいで、多くの村や町が炎に包まれたという、大きな厄災も付いて回ります。
 宝石は、環境によって色が様々に変わることが特徴ですが、天から地上に落ちてきて、しばらくしてどこかに消えてしまったり、再び天に戻ったものも多くある様です。
 スウェーデンボルグは晩年、この宝石か、その元になる天文現象の特定にも心血を注いだ様ですが、芳しい成果は得られませんでした。

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