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第6話 エンターテインメント化する政治批判

政治批判、政権批判が花盛りである。今や、テレビ、ラジオ、新聞、週刊誌、ネット。ありとあらゆるところに政治批判が渦巻いている。

これに拍車をかけたのが、安部長期政権批判と、そしてコロナ渦である。

コロナ渦のような問題は、答えがない問題だ。どう転んだって批判される。
規制を強化すれば、経済が大変だ。自殺者が出る。緩めれば、人命をなんと思っているのか、命より大事なものはあるか。と批判がでる。
ワイドショーなどは、もう一日中、この調子で、見ていて気が滅入る。

日頃、うっぷんを抱えている人間にとって、批判ほど、すっきりするものはない。政治批判なら、まず許されるし、インテリ気取りにもなれる。
であるから、今日も何か批判できるものはないかと探し、国民に問い、そうだそうだと一緒になって批判する。そしてうっぷんを晴らす。

もう、これは完全にエンターテインメント・ビジネスだ。

こんなビックな市場に最近目を付けたのが、「お笑い芸人」たちだ。次々と参入し、もともと、話がうまい人たちだから、大いに盛り上げてくれる。

この批判ターゲットは、政治家や公人、あるいは大企業の幹部に収まらず、芸能人や、ネット人、犯罪者。とありとあらゆるところにおよび、実に窮屈な不寛容な社会を形成している。

左派・批判家たちというのは、批判するのが仕事だから。本質的な少数の問題を追及するより、どうでもよい、たくさんの問題を追及したがる。質より数だ。それで飯を食っているわけであるから、ネタは多いほど良い。

ネタがなくなれば、理由なんて何でもよい。国民の支持率が低ければ、「国民を無視してる」と批判し、支持率が高ければ「ファシズム」と批判する。

できたばかりの政権でまだ何もやっていないのに、もう批判する。これじゃ誰もやる気が出ない。進んで何かをやろうと思うより、守りに入る。いかに批判を受けないようにするか。そればかり考えるようになる。
政府の原稿ベタ読み会見はまさにそれが原因だ。自分の言葉でしゃべってないと批判するが、自分の言葉でしゃべって少しでも矛盾することを言えば、また、徹底的に批判される。

「批判が政治や社会を良くする」

というなら、なんでこんなに批判があふれているのに、日本は良くならないのか。

確かに批判は必要だ。しかし、必要条件ではあるが、十分条件ではない。

今の日本の、このみさかえのない批判は、政治家も経済も委縮させ、日本を停滞させている。日本の問題の本質はここにある。

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