見出し画像

【AJCC2025 予想】ダービー馬の奇襲!有馬記念→AJCCの禁断ローテは成功するか?!ボルドグフーシュの常識破りの復活は?アメリカジョッキークラブCを徹底考察!

皆さんご機嫌いかがですか。中崎です。
1月26日(日)に中山競馬場で行われます「AJCC」に出走予定の注目馬について、『血統考察』『アビリティ分析』を中心に「AJCC」への展望をお伝え致します。
AJCCを十分に楽しむためにも、各馬の考察は事前知識になりますので、是非最後まで御覧いただければ幸いです。


『馬券のミカタ』に推奨馬を投稿しています!
『今アツい予想家がすぐ見つかる』
無料で楽しめる競馬ファンの『馬券のミカタ』となる競馬情報サイトですので、是非、以下のURLからご確認ください!



◆中山芝2200m(外)について

▶今年のAJCCは例年と同じく中山芝2200m(外)での開催となり、Cコース替わり3週目(7日目)となります。

▶スタート地点が4角と直線の合流地点付近に設置されており、1角の飛び込みまでが、約430mとしっかりと距離があるため、序盤のポジション争いは順当に行き脚が付く馬が先手を取れるケースが多く、ホームストレッチを抜けて、1角~2角まで主導権争いでごちゃつくケースは少なくて、前半のペースが落ち着きやすいコース形態という見立てです。
▶2角を抜けて向正面からは、3角へ向けて下っていくため、ペースは落ちずに淡々と流れる傾向があり、持続力を求められる競馬になりやすいのが特徴です。
▶3~4角のコーナー部分で器用に動ける『機動力』と、後半4F~5Fでスピードを維持できる『持続力』、また最後の直線での急坂の登坂で失速しない『馬力』と『スタミナ』が求められるコース形態となっているため、特殊性が高く、中山外回りで好走歴のある中山巧者には要注目です。

◇枠順別成績

▶AJCCの枠順別成績を確認してみると、1~3枠の内枠の『連対率』『複勝率』の成績が奮っておらず、逆に4~6枠の中枠は『複勝率』、7~8枠の外枠の『連対率』の成績が良くなっており、Cコースの継続使用で、インコースの馬場もコンディションが厳しくなっている影響が、成績に表れている印象です。
▶AJCCに絞らず、『2015年以降+2勝C以上+12頭立て以上+馬齢制限なし』の中山芝2200mの相対的な過去データを確認してみると、1~3枠の内枠が『勝率』『連対率』『複勝率』のいずれも成績が良いことと比較をすると、AJCCの時期の馬場コンディションの特殊性の一端が垣間見れるかと思います。


◆AJCC/直近10回

▶先ほどの中山芝2200m(外)の特徴でも述べた通り、Cコースの連続使用で馬場コンディションが良くないこともありますし、馬場状態も『稍重』『不良』での開催を含んでいることもあって、レース後半は『持続力戦』と『消耗戦』が合わさったような、厳しい展開になっているのが、直近10年のAJCCの特徴です。
▶当然ハードな競馬内容が求められると、内で我慢して回って来れる『先行脚質』の馬に加えて、『差し脚質』で外を回した馬もしっかりと台頭できる下地があるのが、AJCCの近年の傾向です。
▶それだけ、消耗戦の度合いが強いという印象です。

▶AJCCの予想を組み立てるにあたっては、

①勝負所の3~4角で器用に加速ができる機動力
②レース後半4F~5Fでスピードを維持する持続力
③直線急坂の消耗戦でへこたれない馬力とスタミナ

これらの能力、適性を意識して有力各馬の考察をしていきます。


🏇コスモキュランダ(牡4/57㎏)/横山武/中6週

◇血統考察

▶お母さんの『サザンスピード』は現役時にオーストラリアの芝2400mのGⅠコーフィールドカップを勝った競走馬で、産駒はコスモキュランダを含めて6頭がデビューをして、そのうち4頭がJRAで勝利を挙げていますが、コスモキュランダ以外の3頭はいずれもダートでの勝利で、距離も1700~2000mとマイルから中距離志向が強く、日本の芝向きのスピードとは方向性が異なる血統背景です。
▶コスモキュランダは、お母さんの『サザンスピード』が14歳時の産駒です。
▶配合型としては、『Haloクロス(4×4)』+『Sir Ivorクロス(6×5+6)』を持ち、日本の芝向きの俊敏性や瞬発力が相当補強されています。
▶また『His Majestyクロス(5×6+6)』も併せ持つ形で、スタミナ・馬力・底力に秀でた血統構成で、コスモキュランダ自身は少し重心が高めのフットワークで、小回りでの軽快な機動力と、ハイペースでもバテない後半の脚力を兼ね備えていますが、消耗戦への対応力の高さが伺える血統構成という評価です。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『中日新聞杯』は、差し決着の展開の中、3~4角で外を回りながらポジションを上げていく、中京競馬場での負荷の高いレース運びとなっており、3歳馬で斤量58㎏と背負っていたこともあって、最後は脚が上がっていました。
▶これまでの戦績を見ても、『アーバンシック』『ジャスティミラノ』『シンエンペラー』『レガレイラ』などの同世代の実力馬と、差の無い競馬をしてきており、コスモキュランダ自身も、明け4歳世代を引っ張る存在という評価で、能力面で疑う必要はないという見解です。

『適性』
▶弥生賞、皐月賞、セントライト記念と中山競馬場の重賞で好走して来ており、今回の中山替わりはアドバンテージとなりそうです。
▶これまでの戦績から重馬場もこなしていますし、逆に皐月賞のような時計決着にも対応するなど、馬場不問の成績となっています。
▶ペースへの対応力も高く、弥生賞やセントライト記念のように自ら動いて捲って行けますし、皐月賞のように前半のペースが速くても上手に流れに乗れるので、得意の中山競馬場であれば、馬場と展開不問で好走ができるポテンシャルを秘めており、実際にそれらを証明して来ている1頭という見立てです。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『中日新聞杯』から中6週のローテーションで、左回りの中京競馬場から、実績のある右回りの中山競馬場への舞台替わりはプラスという見立てです。
▶1週前追い切りですが、南Wで2頭併せでの調整。直線ではびっしりと追われて、若干走りに硬さはありますが、併走馬を突き放す調整内容です。
▶中間の調整は坂路を中心に乗り込んで、1週前追い切りまでで5本程度時計を出しており、まずまず負荷を掛けているという評価です。
▶フォトパドックを見た評価ですが、背が伸びたのか、脚長に見せる馬体で距離は2000m以上がベターな印象です。
▶仕上がりについては、昨年の菊花賞時と比較をすると、毛ヅヤの面では劣りますが、これは時期的なモノだという印象です。
▶コスモキュランダについては、前走の中日新聞杯は『中京競馬場で3~4角で外を回る負荷の高いレース』+『3歳馬で斤量58㎏』で苦しい競馬をしていますし、2走前の『菊花賞』は『出入りの激しい乱ペース』で精彩を欠いたという印象なので、度外視可能です。
▶中山の重賞レースでは安定して走って来た実績だけでなく、戦ってきた相手関係も強力なメンバーだったことを考えても、得意条件に戻る今回は馬券的には外せない1頭という見解です。

🏇ダノンデサイル(牡4/58㎏)/戸崎圭/中4週

◇血統考察

▶お母さんの『トップデサイル』は現役時に『BCジュヴェナイルフィリーズ(D8.5F)/2着』と2歳時から活躍をした競走馬で、産駒はダノンデサイルを含む、デビューした4頭中3頭がJRAで2勝以上を挙げており、優秀な繫殖成績という評価です。
▶ダノンデサイルは、お母さんの『トップデサイル』が9歳時の産駒です。
▶配合型としては『Seattle Slewクロス(5×4)』が利いた跳びの大きいフットワークで走る馬で、窮屈な競馬よりも伸び伸びと走らせた方が能力を発揮しやすいタイプという評価です。
▶ただ『Robertoクロス(4×5)』や、お母さんの『トップデサイル』が『His Majestyを2本(6+6)』を持つなど、スタミナ、パワー、底力を下支えしており、レース後半でスピードを維持する持続力や、直線急坂をこなす馬力にも秀でた血統構成で、中山の重賞レースでもしっかりと結果を残しています。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『有馬記念』は、最内枠からハナを切る競馬で、1角上りでペースダウンをして、2角を抜けた向正面から加速が始まる早仕掛けのラップ構成となっています。
▶ダノンデサイルの持続力を上手く生かす競馬内容でしたが、レガレイラとシャフリヤールには瞬発力負けの3着となっています。
▶レース後の陣営からは、『あったものを無くしている気がする』『危機感の方が強いレースだった』というコメントが出ており、有馬記念での走りに物足りなさを感じているようです。
▶勝利した『日本ダービー』と比較をすると、ダービーは『スローペース』+『先行有利』の展開利があったとはいえ、レース後半5F【56.8秒】、レース後半4F【45.1秒】という後半勝負のラップ構成の中、『ジャスティミラノ』を【0.4秒】突き放した直線の唸るような走りと比較すると、有馬記念はフットワークのメリハリには欠けていた印象です。

『適性』
▶末脚はトップスピードが高いというよりも、失速率の低い持続力型という評価で、先行力と操縦性が高いので、コース形態を問わずに能力を発揮できるタイプという見立てです。
▶ただ、大跳びの馬らしく、道中のペースの変化(加速と減速)に対応する能力には乏しく、正に凡走した『菊花賞』が苦手なレースの典型で、内ラチ沿いの身動きが取りづらいポジションで、出入りの激しいペースに巻き込まれて、道中でズルズルとポジションを押し下げる競馬となっています。
▶逆にスローペースで後半勝負となった『日本ダービー』のような、末脚の持続力を問われる展開は適性的にばっちりです。
▶前走の『有馬記念』がハナを切って自分でペースを作る展開に持ち込んだのは、内枠を引いたことと、マイペースで競馬をすることがベターという陣営の判断があったという見立てです。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『有馬記念』から中4週のローテーションで、実績のある中山競馬場への舞台替わりと、大跳びのダノンデサイルにとって外回りはアドバンテージとなりそうです。
▶1週前追い切りですが、栗東CWで2頭併せでの調整。馬なりでしっかりと時計も出ており、動き自体も良好です。が、日本ダービーの1週前と比較をすると筋肉の柔らかさに変化が出て来ている印象で、時期もあるのかも知れませんが、明らかに現在の方が身のこなしが硬いです。
▶エピファネイア産駒の大型馬の課題は、古馬になって筋肉のしなやかさが失われる点だと考えているので、あまり良い傾向ではないかも知れません。
▶中間の調整は、坂路を主体にコースも混ぜながらで、1週前の追い切りまでで、時計を3本程度出しており、GⅠ後の臨戦過程ではありますが、意欲的な調整をしている印象です。
▶フォトパドックを見た評価ですが、筋肉量豊富でパワフルな馬体をしており、ダートでワンペースで走らせても面白そうな、パワーと持続力型という見立てです。
▶仕上がりについては、日の当たり方もあるかと思いますが、毛ヅヤは前走の有馬記念の方がピカピカで、筋肉の張りは良い意味で平行線という評価です。
▶ダノンデサイルについては、昨年秋は『菊花賞』から『有馬記念』の2走だけというローテですが、有馬記念はマイペースながらもしっかりと走り切った感はあるので、GⅠ後のお釣りは気になるところです。
▶大跳びで、ある程度ペースが流れてタフな展開になっても対応できるという評価で、能力通り走って来れると思いますが、乗り替わりということもあり、前回のような積極的な競馬ではなく、ある程度控える競馬を選択して来た場合に、勝ち切るまではどうなのかという不安もあります。
▶菊花賞が乱ペースで特殊な競馬になってしまいましたが、京都外回りは合っていると思うので、次走以降、天皇賞春に向かうかどうかは分かりませんが、出走してくるようであれば狙いたい1頭です。次走に向けてきっかけを掴める競馬をして欲しいという見解です。


🏇チャックネイト(セ7/58㎏)/R.キング/中22週

◇血統考察

▶お母さんの『ゴジップガール』は現役時にアメリカの芝10FのGⅠ『アメリカンオークスステークス』を勝利した競走馬で、繫殖成績としては、デビューした産駒5頭中、4頭がJRAで2勝以上を挙げており優秀な繁殖成績です。
▶ただ、産駒の勝鞍の傾向を見ると芝ダートともに1800m以上で、ディープインパクトとの産駒でもダートでの勝鞍がある産駒を輩出するなど、ゴジップガール自身は相当なパワー型という評価です。
▶チャックネイトは、お母さんの『ゴジップガール』が12歳時の産駒です。
▶配合型としては、父の『ハーツクライ』からは晩成傾向を受け継いでいますが、能力の観点で言うとお母さんの『ゴジップガール』の影響が相当強いです。
▶『ゴジップガール』が、『Roberto+Kingmambo+His Majesty』というスタミナ、馬力、底力に優れた血脈構成で、チャックネイトの走りを見ると、エンジンの掛かりは遅いがバテずに走り切る能力、馬場が渋った際に地面をしっかりと捉えて走る能力に、母方の血統要素が多分に反映されているという評価です。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『札幌記念』は、『アウスヴァール』の大逃げで、2番手以降はスローペースの先行決着をチャックネイトは好位から差す競馬となりましたが、展開向かずで見せ場なしという結果でした。
▶今年の札幌競馬場の馬場が速く、チャックネイトには追走含めて苦しい競馬になったという評価です。
▶能力的には昨年の不良馬場での開催だったAJCC勝ちがあるものの、重賞では『ゼッフィーロ』に斤量1㎏アドバンテージがあって0.2秒差3着だった2023年のアルゼンチン共和国杯が最も高いパフォーマンスだったという見立てで、GⅡの別定戦となると、昨年のように馬場の恩恵を含めた展開利が欲しいという見立てです。

『適性』
▶血統考察でも述べた通り、エンジンの掛かりが遅いズブいタイプで、その裏返しでバテずに渋太い末脚を使うタイプです。
▶そういった適性からも、勝ち切れない競馬になりがちな馬でもあります。
▶あとはズブさとセットの扱いにはなりますが、馬場は渋ってこそ真価を発揮するタイプなので、最終週の馬場コンディションは、例年であればアドバンテージとなりますが、今年は中山の馬場がそこそこ速い状態を保っているので、昨年のように雨が降ればこの馬に向いて来るだろうという見立てです。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『札幌記念』から中22週のローテーションで、『昨年好走したレース』+『距離延長』+『鞍上R.キング』と、前走の札幌記念から条件は良くなるという見立てです。
▶1週前追い切りですが、南Wで3頭併せでの調整。しっかりと気合を付けて負荷を掛けており、動きも及第点です。
▶昨年のAJCCの当週追い切りと比較しても、活気は昨年の出来に近づきつつあるという見立てで、当週の追い切りもしっかりと動かせる状態にあれば、昨年くらいは走れそうです。
▶中間の調整は、坂路とコース併用で、1週前追い切りまでで、時計は5本程度となっています。
▶チャックネイトについては、能力的にはここに入ると見劣りしますし、明け7歳を迎えて上積みを期待するのは酷な局面ではあります。
▶が、『R.キング騎手への乗り替わり』は魅力的で、この記事作成時点で、週中も、レース当日も雨予報は残念ながらありませんが、『馬場が渋った場合』に最もパフォーマンスアップが期待できる馬という点は抑えておきたいです。


🏇ビザンチンドリーム(牡4/56㎏)/ルメートル/中13週

◇血統考察

▶お母さんの『ジャポニカーラ』は現役時にJRAで芝1600m~2600mで3勝を挙げた競走馬です。牝系はラスティックベル系で、2020年の香港カップ含むGⅠ2勝の『ノームコア』と、2020年の有馬記念含むGⅠ4勝の『クロノジェネシス』が輩出されている優秀な血統背景です。
▶ビザンチンドリームは、お母さんの『ジャポニカーラ』が9歳時の産駒です。
▶配合型としては、『トニービン(3/母父方)』+『Sadler's Wells(4/父母方)≒Nureyev(4/母父方)』を内包する血統構成でいうと、2024年の桜花賞馬『ステレンボッシュ』と血統構成が近く、エピファネイア産駒のセオリーを抑えた配合型です。
▶ビザンチンドリームは出遅れ癖もあって、終いに賭ける競馬を繰り返していますが、『トニービン→ジャングルポケット』の流れを感じる重心が高めのフットワークで走って、スタミナを生かした持続力勝負に適性が高いという評価です。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『菊花賞』は、出入りの激しい乱ペースでしたが、ビザンチンドリームはいつも通り、出遅れて後方からの競馬で、自分の競馬に徹する形でした。
▶ただ、3角の下りで進路が狭くなって躓く不利があったため、勝負所でのスムーズさに欠いており、着順・着差通りの評価をする必要はないという見解です。
▶スタートに難がある馬で結果が付いて来ていませんが、昨年の牡馬クラシック競走は皆勤賞ですし、前走の菊花賞では、ともにスムーズさを欠いたとはいえ、ダノンデサイルに先着していることは事実なので、馬柱と脚質的に人気しないタイプではありますが、成績以上の能力は秘めているという評価です。
▶同じエピファネイア産駒のダノンデサイルと比較をすると、馬体のサイズ感に違いがあって、ビザンチンドリームの方が小柄で筋肉量が少ない分、筋肉が硬くなりづらい傾向があるという見立てをしており、エピファネイア産駒で古馬になっても活躍するタイプは、ブローザホーンのような小柄な牡馬だと考えているので、ダノンデサイルとビザンチンドリームを比較した場合に、3歳時よりも4歳以降にパフォーマンスを上げて来れる余地があるのは、ビザンチンドリームという見立てです。

『適性』
▶とにかく出遅れ癖がポイントで、ゲートが遅く後方に置かれてしまうと、出来る競馬のパターンが限られてしまうので、展開待ちの側面が大きいのが最大のネックとなっています。
▶逆に言うと、ペースが流れて前が止まる展開になった時に、台頭して来れるという期待感を一番持てる馬でもあるという印象です。
▶また、時計勝負になってしまうと、後方から競馬をする馬としては苦しいので、中山最終週の傷みが進んだ馬場が、さらに傷みが進んで来れば、ビザンチンドリームにとってはアドバンテージになるという見立てです。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『菊花賞』から中13週のローテーションで、中山競馬場は皐月賞以来となります。
▶関東圏での競馬が『皐月賞』『日本ダービー』と二桁着順で結果が出ていない点が気掛かりで、これが相手関係なのか、輸送の影響なのかが判別が付きづらい状況で、今回のAJCCが『関東輸送』がパフォーマンスに影響を与えているかどうかの試金石になりそうです。
▶1週前追い切りですが、栗東CWで2頭併せでの調整。6F(79.4秒)と長目を追っていることもあってか、直線で仕掛けた際の反応がイマイチです。
▶菊花賞時の1週前追い切りと比較をすると、反応の面ではもう少し上の状態がありそうで、休み明け感は多少あるのかなという印象です。
▶中間の調整は、坂路とコース併用で、1週前追い切りの時点で5本程度時計を出している状況です。
▶フォトパドックを見た評価ですが、体型的には細身で小柄で、筋肉の質的には柔らかさがあって、長距離適性が高いという見立てです。
▶仕上がりについては、時期的なモノもあって毛ヅヤはイマイチですが、無駄肉もなく体型的には及第点という評価です。
▶ビザンチンドリームについては、展開待ちの側面が大きいので、人気をしないようであれば、馬券内まで突っ込んで来てくれればラッキーという馬券の持ち方も検討の余地があると考えます。
▶アウスヴァールに絡んでいく馬が現れてペースが流れれば、ビザンチンドリームの好走率が高まるという見立てですし、それに応えるだけのるポテンシャルを持った1頭という見解です。


🏇ボーンディスウェイ(牡6/57㎏)/木幡巧/中2週

◇血統考察

▶お母さんの『ウィンドハック』は現役時に芝1600mのレジーナエレナ賞(伊1000ギニー)を勝った競走馬でした。
▶ボーンディスウェイは、お母さんの『ウィンドハック』が16歳時の産駒です。
▶配合型としては、『Lyphardクロス(4×6)』を内包しており、同じハーツクライ産駒の活躍馬である『リスグラシュー』『ドウデュース』と共通点を持っている点は高評価です。
▶ボーンディスウェイ自身は先行力に秀でた機動力型に出ており、同じ『Lyphardクロス』持ちでいうと、『キタサンブラック』『ロジャーバローズ』タイプの先行して粘り強さを発揮するタイプの『Lyphardクロス』内包型という評価です。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『中山金杯』は、前半3F(34.9秒)と2010年以降の中山金杯では最速で、レースラップも最初の1F目(12.3秒)以外は12.0秒以下が淡々と続く、持続力勝負となっています。
▶ボーンディスウェイは16番枠から3番手で競馬をする展開的には厳しい競馬をしており、0.3秒差の3着であれば悲観するような走りではなかったという評価です。
▶3歳時に弥生賞で『アスクビクターモア』『ドウデュース』と0.1秒差の競馬をするなど、若い時から能力の一端を見せていますが、昨年のオクトーバーSで『1:57.4』の好時計を早め先頭から押し切るなど、徐々にオープン、重賞競走でも安定して能力が発揮できるようになっており、ハーツクライ産駒らしい晩成型の成長力を感じる近走の走りという印象です。

『適性』
▶先行力を生かして、前で立ち回って押し切る形の競馬で好走しており、瞬発力勝負になると分が悪いという評価です。
▶なので、スローペースになってしまうと持ち味が生かし切れないので、後方勢が追走に脚を使ってしまうペースで先行して粘り込む形が理想という見立てです。
▶あとは重心が高めでフットワークにも力強さがあるので、中山の直線急坂は馬力でこなすパワーも兼ね備えているという評価です。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『中山金杯』から中2週のローテーションで、レース間隔は詰まっていることと、中山金杯がしっかりと走り切っているレース内容ではあるので、お釣りがどれくらいあるかが焦点となりそうです。
▶1週前追い切りですが、調教映像はないですが、1月17日(金)に南Wで時計を出しており、6F(84.4秒)-4F(53.4秒)程度と、レース間隔が詰まっているので、そこまで負荷は掛けていない印象です。
▶ボーンディスウェイについては、好走するには『ミドルペース以上』+『先行』して、道中でどれだけ上手に立ち回れるかにはなりますが、『中山内回りの金杯』から『中山外回りのAJCC』への舞台替わりと、『距離延長』はプラスとは言い難いという評価です。
▶ただ、ペースを握る『アウスヴァール』の存在が、ボーンディスウェイにとっては競馬が与しやすくなることも想定されるので、馬券的には相手には残しておきたい1頭です。


🏇ボルドグフーシュ(牡6/57㎏)/未定/中7週

◇血統考察

▶お母さんの『ボルドグザグ』は現役時にドーヴィル競馬場の芝1600mの2歳GⅢ『レゼルヴォワール賞』を勝った競走馬で、繫殖成績としてはデビューした産駒6頭中、JRAで勝利を挙げたのは、ボルドグフーシュともう1頭だけとなっており、そのもう1頭は芝2400mの未勝利勝ちのみで、繫殖牝馬として強調材料に乏しい印象です。
▶ボルドグフーシュは、お母さんの『ボルドグザグ』が10歳時の産駒です。
▶配合型としては、『Nureyev(4/母父方)』+『Lyphard(5/母母方)』の特徴が良く表れており、ボルドグフーシュの頭が高く重心が高い走りや、小回りコースを器用に立ち回る機動力、急坂の登坂に対応する馬力など、欧州で発展したタイプのNorthern Dancer系の影響を色濃く受け継いでおり、中山競馬場への適性は十分に備えていると評価できる血統構成です。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『チャレンジカップ』は、2023年の天皇賞春以来のレースで、+16㎏での出走となっています。
▶レース内容としては、道中で馬群が凝縮した隊列でしたが、『バビット』『アウスヴァール』『ルペルカーリア』の3頭が先頭で併走をしながら厳しい流れを作り出し、前半3F(34.7秒)とハイペースの展開を、ボルドグフーシュは、3~4角の勝負所で外を捲っていく、全盛期と同じ戦法の競馬を披露しています。
▶直線では『長欠明け』+『重め残り』で精彩を欠きましたが、半信半疑の状態でも、全盛期とまでは言いませんが、コーナー加速性能が健在であることを確認できた点は収穫です。
▶元々、ドウデュース、イクイノックス世代の馬で、2022年の有馬記念ではイクイノックスの『0.4秒差2着』と好走をしたり、ジャスティンパレスとも5度対戦して2度先着するなど、中長距離路線のトップ層に見劣りしない競馬をしていたポテンシャルは評価すべきという見解です。

『適性』
▶出遅れ癖を機動力由来のコーナリング性能でカバーをしているのか、機動力に長けているので後方からの競馬を選択しているのか。いずれにしろ、ボルドグフーシュは『出遅れ癖』と『コーナー加速/機動力』がセットです。
▶機動力を武器にする馬は、相対的にコーナーがきついコース向きで、ボルドグフーシュは『中山内回り』『中京のスパイラルカーブ』『阪神内回り』など、小回りや内回りコースで存分に持ち味を発揮しています。
▶また、スタミナにも優れている馬なので、前走の2000mからの1Fだけですが、距離延長となる点もプラスに働くという見立てです。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『チャレンジカップ』から中7週のローテーションで、長欠明けを一度叩いての臨戦過程となります。
▶1週前追い切りですが、栗東坂路で単走での調整。4F(52.5秒)-1F(11.9秒)と時計的にも脚捌きの面からも及第点の動きという評価です。
▶当然、3歳時の有馬記念の時のような、CWでの唸るような動きにはまだまだ及んではいませんが、それでも調教駆けする馬らしく、坂路で良く動いている印象です。
▶中間の調整は、坂路のみで、1週前追い切りの時点で3本程度時計を出しています。
▶フォトパドックを見た評価ですが、胸が深く心肺機能が高そうな体型で、重心が高く馬力で進んで行くタイプという印象です。
▶蹄の薄さを見ると、馬場は軽い馬場の方が能力を発揮出来そうです。
▶仕上がりについては、毛ヅヤは良好で腹回りもスッキリとしており、前走と比較してもしっかりと動ける状態にありそうです。
▶ボルドグフーシュについては、2022年の有馬記念後に鞍上の福永現調教師から『来年は主役になってくれるでしょう』というコメントがあった通り、能力についてはトップジョッキーにも絶賛をされていた馬です。
▶適性面でも外回りにはなりますが、直線が短く急坂もあってコーナーから勝負が始まる中山競馬場はおあつらえ向きでしょうから、状態面さえ前走以上の状態にあれば、勝負圏内にいる1頭という見立てです。


🏇マテンロウレオ(牡6/57㎏)/横山典/中6週

◇血統考察

▶お母さんの『サラトガヴィーナス』は現役時にJRAのダート1000m~1200mで3勝を挙げた競走馬で、近親には重賞3勝の『サウンドキアラ』や、函館記念勝ちのある『マイスタイル』など、渋い活躍馬がいる血統背景です。
▶マテンロウレオは、お母さんの『サラトガヴィーナス』が17歳時の産駒です。
▶配合型としては、『トニービン(3/父母方)』+『Danzig(3/母母方)』という好相性の組み合わせを内包しており、昨年のGⅠで好走した馬でいうと『アーバンシック』『レガレイラ』『ドゥレッツァ』、同じハーツクライ産駒でいうと『サリオス』『ワンアンドオンリー』『ヌーヴォレコルト』と共通しており、血統構成としてはバランスが良いという見立てです。
▶マテンロウレオは、気性がキツいので成績が安定していませんが、フットワーク自体は癖が無くて、コーナーでの立ち回りの良さもあるので、『Lyphard(4/父母方)』の良さも反映されている印象です。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『中日新聞杯』は、差し決着の展開の中、2番枠から内でじっと脚を溜める中京競馬場のセオリー通りの競馬で、直線では馬群を縫って末脚を伸ばしましたが、最後は力尽きての0.4秒差3着。
▶『斤量58.5㎏』+『長欠明け』ということを考えれば及第点の内容で、道中の折り合い面でもこの馬としては進展が見られた部分もあり、収穫の多いレースだったという見立てです。
▶2023年の京都記念でドウデュースの2着という実績はありますが、あの時は『斤量差2㎏』+『0.6秒差』で、ドバイ遠征前の前哨戦だったドウデュースに完敗という点を考慮すると、ドウデュースに迫れたとは言い難く、重賞レースで明確に好走したと言い切れるレースに乏しい印象です。

『適性』
▶気性が勝ったタイプで、どうしても道中でハミ噛むシーンが多く、スタミナをロスしている面があり、成績の安定感には欠けるという評価です。
▶また昨年(2024年)の日経賞で大逃げの大胆な競馬をして、0.2秒差4着に好走した実績はありますが、馬柱全体を見ると、2024年の中山金杯でのレース中の不利などもありますが、押し並べて関東圏での競馬で結果が出ていない点は評価が上げづらいという見立てです。
▶良績が阪神内回りの2000mと2200m、中京2000mでのレースとなっており、タフな展開になりやすく、直線で坂を登坂する消耗戦が向いているという見解です。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『中日新聞杯』から中6週のローテーションで、長欠明けを叩いての2走目になります。
▶ここまでの成績を振り返ると、レース間隔は詰めた方が結果が出ているので、ローテ的にはプラスという見立てです。
▶1週前追い切りですが、調教映像はありませんが、栗東CWでの調整。6F(80.0秒)と長目を追っており、一度使っての状態面の上昇に期待をしたい局面です。
▶中間の調整は、コースを中心に1週前追い切り時点で4本程度時計を計時しています。
▶マテンロウレオについては、関東圏での競馬が最大の課題にはなりそうですが、アウスヴァールが引っ張るペースは、マテンロウレオにとっては与しやすいレース展開になることも想定されそうです。
▶特に内枠を引ければ、前走の中日新聞杯や、2023年の大阪杯で好走した時のように道中でインをべったり回って、しっかり2200mだけ走る競馬に徹すれば、このメンバーでも馬券内に喰い込めるだけのポテンシャルは秘めている1頭という見立てです。


🏇レーベンスティール(牡5/58㎏)/ルメール/中12週

◇血統考察

▶お母さんの『トウカイライフ』は現役時にJRAのダート1700m~1800mで3勝を挙げた競走馬でした。
▶レーベンスティールは、お母さんの『トウカイライフ』が13歳時の産駒です。
▶配合型としては、お父さんの『リアルスティール』が『Miesque→(Kingmamboの全妹)Monevassia→ラヴズオンリーミー』と続く超良血なのに対して、お母さんの『トウカイライフ』は『トウカイテイオー×リアルシャダイ×ターゴワイス』という血統構成で、現在の日本競馬では残念ながら影が薄くなってしまったいわゆる傍系血脈です。
▶ただ、『超良血×異系血脈』の組み合わせは、サラブレッド生産における血の活性化という観点では、セオリーではあるので、配合のバランスとしては評価は高いです。
▶また、中山芝2200m(外)の重賞を2勝しており、中山外回りとのコース相性は問題ないですが、勝利した『セントライト記念』も『オールカマー』も中山の秋開催の高速馬場が向いていたという捉え方をしているので、血統的には母方が内包する『Princely Gift(6/母父方)』や『In Reality(5/母母方)』がスパイスとして効いている印象です。

◇アビリティ分析

『能力・実績』
▶前走の『天皇賞秋』は、『出遅れ』+『2角出口付近で外に振られる不利』があって、ポジションを悪くしましたし、そもそもスローペースの前残りの展開になってしまい、展開利もなかったので、度外視可能な一戦という評価です。
▶ここまで重賞3勝と実績がある馬ですが、それぞれのレースのメンバーレベルを確認すると、重賞で勝ち負けできる馬と競馬をしていたレースは少なく、レーベンスティールが勝った重賞レースの中で、一番の大物はセントライト記念の『ソールオリエンス』だと考えているので、別定戦のGⅡの渋いメンバーが揃った一戦での力関係が、実は微妙な立場なのかなという見立てです。

『適性』
▶血統考察でも述べましたが、中山芝2200m(外)の重賞を2勝しており、今回のAJCCを制すると、中山芝2200mの重賞を完全制覇することになりますが、フットワークなどを見ていると、時計が出やすい軽い馬場向きという評価で、冬の中山開催最終週の馬場への適性は見極める必要がありそうです。
▶大跳びの馬ではありますが、馬群を割って脚を伸ばせる器用さと加速力がある点がストロングポイントの一つです。
▶折り合いに課題がある馬なので、道中は馬群の中でしっかり我慢をさせられるかどうかが、2200mという距離を考えた場合に必須という見解です。

◇AJCCでのポイント

『状態』
▶前走の『天皇賞秋』から中12週のローテーションで、レース間隔は開けながら使って良績を上げている馬なので、GⅠ後に一息入れてたローテーションは高評価です。
▶1週前追い切りですが、美浦南Wで3頭併せでの調整。鞍上が抱える手応えで回って来て、直線ではムチも入れてびっしりと追う調整内容です。
▶天皇賞秋の1週前と比較すると、多少今回の方が馬体に余裕があるのかも知れません。
▶中間の調整は坂路とコース併用で、1週前追い切りまでで、8本程度時計を出しており、乗り込み量はしっかり確保されています。
▶フォトパドックを見た評価ですが、胸が深く心肺機能が高そうな体型で、腹回りもスッキリとしたタイプに見えることから、気性は別にして馬体的には距離は2200mも守備範囲という評価です。
▶仕上がりについては、天皇賞秋時のフォトパドックの写真を使用しているかと思うほど、変化がなくて、良い意味で状態は平行線ではありますが、成長という意味では変化は感じないので、昨年の天皇賞秋、オールカマーのパフォーマンスで、今回のメンバーを上回れるかどうかではないでしょうか。
▶レーベンスティールについては、前走の天皇賞秋が中距離戦のトップホースと初めての対戦となりましたが、『道中の不利』+『前残りの展開』で能力が十分に発揮できませんでした。
▶ただ、展開利が無い中でもしっかりゴールまで走って着差も詰めているように、ポテンシャルは十分に重賞競走での勝ち負けの常連になれるだけの器を持っているという見立てをしています。
▶『中山外回りへの適性』と『能力』は足りているので、あとは、現在の中山競馬場の最終週の使い倒された馬場が合うかどうかだけではないでしょうか。


◆AJCCのまとめ

いいなと思ったら応援しよう!