見出し画像

【京王杯2歳S 2024予想】先行力だけでは物足りない!東京芝1400mは末脚能力に注目!京王杯2歳Sを徹底考察!

皆さんご機嫌いかがですか。中崎です。
11月2日(土)に東京競馬場で行われます「京王杯2歳S」に出走予定の注目馬について、『時計分析』『血統分析』を中心に「京王杯2歳S」への展望をお伝え致します。
京王杯2歳Sを十分に楽しむためにも、各馬の考察は事前知識になりますので、是非最後まで御覧いただければ幸いです。



◆東京芝1400mについて

今年の京王杯2歳Sは昨年と同じく東京芝1400mでの開催となります。
東京芝1400mはスタート地点が向正面の中程に設置されており、3角の飛び込みまでが350m程度とある程度の距離があり、逃げ馬を中心としたポジション争いでごちゃつくことが比較的少ないコースレイアウトとなっています。
また、ペースについては、東京競馬場の直線の長さ(525m)を意識してか、前半からガンガン飛ばしていくような展開は少なく、道中はしっかりと脚を溜めての直線での末脚勝負という展開がオーソドックスです。

◆京王杯2歳S/直近10回

京王杯2歳ステークスは、コースに癖がないので前半のペースでレース展開が決まりやすい素直なレースです。
前半がゆったりと流れて、後半が速くなる『後傾ラップ』なら、勝負ところで好位に付けている馬が優勢ですし、前半が速く流れて、後半の時計を要する『前傾ラップ』なら後方から競馬する馬が台頭するという分かりやすいレース結果となっているのが、直近10年の京王杯2歳ステークスです。

そこで今回のメンバーについてですが、
①テン1Fは『シンフォーエバー』が最も速いと見ていますが、今回は前走(1600m)からは距離短縮の一戦。
②続いてテンの1Fが速いと見ている『マリノトニトゥルス』は、減量騎手の斤量から、馬齢別の同斤量に変わっての一戦。
③『クラスペディア』『リアルショット』『エイシンワンド』が、距離延長で、ポジションを取って来ても不思議ではないですが、そこまでテンから飛ばしていくタイプでもない。
上記①~③から推察すると、ペースは『後傾ラップ』を想定するのが妥当という見解で、スタートを決めてある程度ポジションが取れる馬に展開が向くという推論をベースにして、予想を組み立てたいと考えています。


◆エイシンワンド

◇時計分析

▶小倉2歳ステークスでのエイシンワンドの走りですが、スタートを決めて前目の好位を取る競馬。
▶馬場も渋っていましたし、ペースも落ち着いたこともあり、先行馬に利する展開の中、直線入口で後続馬を一気に突き放して、ラスト1Fは後続馬の追撃を凌ぐ走りでした。
▶跳びが大きい馬で、直線で伸び伸びと走らせてあげた方が能力を発揮しやすいタイプという評価です。

エイシンワンドは、デビューして『中京芝1200m』でしか走っていませんが、デビュー後の2走の中で、前半のペースアップにも対応していますし、後半2Fのレースラップが歴代でも上位のレースで、2回続けて勝ち切っていることからも、脚力はある程度証明されており、この馬のパフォーマンスはフロックではないという見解です。

◇血統考察

▶お母さんのエイシンフェアリーはJRAの芝1200mで2勝した競走馬でした。勝利を挙げたのは2、3歳時でしたが、5歳時に現在の1勝Cで2着となるなので、息の長い競走生活を送っています。
▶お母さんの『エイシンフェアリー』の産駒は、8頭がデビューしてJRAで勝利を挙げたのは3頭。うち2頭が1勝止まりで、エイシンワンドが初の2勝馬となっており、繫殖成績としてはお世辞にも優秀とは言い難い状況です。
▶エイシンワンドは、お母さんの『エイシンフェアリー』が16歳時の産駒です。
▶お父さんの『ディスクリートキャット』は2006年のUAEダービーで、後に『BCクラシック』『ドバイワールドC』を制する『インヴァソール』を負かし、同じく2006年の『シガーマイルH』を好時計で圧勝した超一流のダートマイラーでした。
▶『ディスクリートキャット』の産駒は芝もダートも『1200m→1600m→1400m』の順に複勝率が高く、短距離志向が強くなっています。
▶また、初年度産駒が現6歳世代となりますが、産駒の重賞勝利『3勝』はいずれも、2、3歳戦と世代限定戦ということもあり、上級条件で活躍する馬は仕上がりが早いタイプの種牡馬という評価が妥当です。
▶また『ディスクリートキャット』はアメリカダートで活躍した競走馬だけあって、骨格がしっかりしている産駒が多いため、馬体重500㎏超の馬の成績が良いのが特徴です。
▶配合型としては、血統表内に『Northern Dancer』が薄く、『サンデーサイレンス』も持たないことから、日本では『芝短距離』『ダート』など主流条件からはズレる血統構成です。
▶『In Realityクロス(5×5)』から、短距離向きの爆発的なスピードを、『Bold Rulerクロス(6+6×7)』からは北米ダート血脈らしい軽いスピードが強調されており、日本のスプリント路線には適した血統背景という評価です。

◇京王杯2歳Sでのポイント

▶1週前追い切りは、栗東坂路で2週連続で4Fの自己ベストタイの時計をマークして、状態面の良さを感じさせます。
▶今回は前走(1200m)から距離延長となるローテで、好位の取りたいポジションは取れるだろうという想定です。ここまで1200m戦を2勝していますが、いずれも前半からガンガンやりあう展開のスプリント戦ではなく、後半勝負のスプリント戦の中、しっかりと直線で速い脚を使えていたことを評価しています。
▶ベストは1200m戦という見立てではありますが、好位から競馬が出来る可能性が高い点を評価して、馬券候補という見解です


◆パンジャタワー

◇時計分析

▶新馬戦でのパンジャタワーの走りですが、出遅れからペースも遅かったこともあり、馬群の外目を抑えきれない手応えでポジションアップする競馬。
▶レース序盤から出力の高い走りをしたため、直線では手応えこそ楽な様子でしたが、走りとしては派手さはなく、相手なりに走ってくるタイプという印象です。
▶少頭数の一戦で、レースラップ的にも『L2F→L1Fで0.7秒失速』していることからも、一度レースを経験しての上積みに期待という評価が妥当です。

◇血統考察

▶お母さんのクラークスデールは競走馬としては未出走でしたが、ネオユニヴァース産駒の3/4同血の半兄がダービー馬『ロジユニヴァース』となっています。
▶ボトムラインは『ソニンク牝系』で、『ソングライン』『ディアドラ』『スキルヴィング』が輩出されている優秀な牝系という評価をしています。
▶パンジャタワー、お母さんの『クラークスデール』が6歳時の産駒です。
▶お父さんの『タワーオブロンドン』は、『GⅠ・スプリンターズS』を含む重賞5勝の活躍馬で、京王杯2歳ステークスも勝利している一時代を築いた名スプリンターという評価です。
▶今年初年度産駒がデビューした新種牡馬で、ここまで産駒は全6勝を芝で挙げており、距離も『タワーオブロンドン』が得意としていた『1200m』で5勝を挙げるなど、サンプル数は少ないですが、『タワーオブロンドン』自身の特性を産駒に強く反映している印象です。
▶配合型としては、『Sadler's Wells≒Nureyevのニアリークロス(4×5)』で底力とパワーを増強し、『Halo(3本/母)≒Sir Ivor(6×6)のニアリークロス』で日本向きの俊敏性と瞬発力を補強している血統構成で、お父さんの『タワーオブロンドン』の影響でスプリント性能が高い馬ではありますが、血統構成的には距離は1600mまでは問題なくこなせるタイプという評価です。

◇京王杯2歳Sでのポイント

▶1週前追い切りは、栗東のCWで6F、4Fの時計ともに自己ベストを更新する時計をマークしています。ただ、1200m~1400mを主戦場にする馬と比較すると、そこまで見栄えがする調教時計ではないことは確かで、距離は伸ばしていった方が良いタイプという見立てです。
▶『ソニンク牝系』出身で血統的なスケール感がありますし、かつ京王杯2歳ステークスの勝ち馬である『タワーオブロンドン』産駒ということもあり、レース適性も高く評価をしたいところです。
▶あとは、新馬戦からパフォーマンスをどれだけ上げて来れるかに尽きると思いますが、良血馬の2戦目での前進に期待したいという評価以上の評価は難しく、バンジャタワーにとっては試金石の一戦という評価です。


◆ヒシアマン

◇時計分析

▶新馬戦でのヒシアマンの走りですが、勝ち馬の『アルテヴェローチェ』が次走の『サウジアラビアロイヤルカップ』を強烈な瞬発力で差し切ったことで、2着『ヒシアマン』の評価も引っ張り上げられています。
▶時計的には残り3F付近から動き出して、ラスト2Fをしっかり走った形で、余力を持った競馬内容だったことからも、相手関係に疑問符が付く一戦ではありましたが、ヒシアマンは次走の未勝利戦で、道中、いつでも外に出せる安全策を取りながら直線で楽に抜け出して、2着馬に1.0秒差を付ける圧勝をしており、ポテンシャルの高さを証明できている点は高評価です。

◇血統考察

▶お母さんのアシュリンはJRAの芝1600m~2000mで3勝を挙げた競走馬でした。
▶ヒシアマンは、お母さんの『アシュリン』が7歳時の産駒です。
▶配合型としては、『Danzigクロス(5×5)』で短距離志向の強い先行持続力型のスピードを増強し、『Haloクロス(5×4+6)』で日本の芝向きの俊敏性と瞬発力を補強している血統構成という評価です。
▶ただ、『モーリス産駒』は東京の芝コースを得意としている種牡馬ではありますが、得意の東京芝コースの中で比較すると、1400mという距離は相対的に成績が芳しくはない点は留意したい点です。

◇京王杯2歳Sでのポイント

▶1週前追い切りは、美浦の南Wで、ラスト2Fが(11.6-11.0)と0.6秒加速する終い重点の時計をマークしており、状態面の良さを感じさせます。
▶未勝利戦勝利後は、サウジアラビアロイヤルカップに特別登録をしていましたが、熱発で回避をして、今週の京王杯2歳ステークスに回って来ています。
▶ここまで2戦続けてハイパフォーマンスを披露していますし、唯一負けた相手も後に『サウジアラビアロイヤルカップ』を勝利する『アルテヴェローチェ』ということで、今回は人気を背負うことが想定されます。
▶ここまで見せているパフォーマンスだけで評価をすると、このメンバーで抜けていることは確かですので、あとは距離短縮となる一戦で道中のポジションがどのあたりを取れるかがカギを握ってきそうです。
▶ここまで2戦の『テン1Fのスピード』から、道中は中団から後方での追走と見ており、スローペースを想定している立場としては、『差し損ねて2、3着』という結果も念頭に馬券に組み入れたいという評価です。


◆マイネルチケット

◇時計分析

▶サウジアラビアロイヤルカップでのマイネルチケットの走りですが、前半のペースが流れたレースではありましたが、序盤はハミを噛む場面もあり、前進気勢の高さを覗かせています。
▶前半のペースが流れて、後方勢に利する展開の中、直線では逃げ馬を捕まえに行く勝ちに行く競馬で、勝ち馬『アルテヴェローチェ』と2着馬『タイセイカレント』のモーリス産駒コンビの瞬発力には屈しましたが、先行勢では最先着の競馬でした。
▶サウジアラビアロイヤルカップの1400m地点の通過タイムが『1:21.0』で、ほぼマイネルチケットの通過タイムです。
▶直近10年の京王杯2歳ステークスでは多くの年で、1分21秒以上の時計を要していることを考えると、時計的には十分に対応出来て良さそうです。

▶馬場が稍重だったことを考慮すると、前半3Fのペースは直近10年では相当速いレースだったということが分かるかと思います。
▶またこの一覧のレースの勝ち馬が、4角通過順位が比較的後方だった馬が大半を占めていることからも、前走のサウジアラビアロイヤルカップで、マイネルチケットが先行して粘り込んでの『0.2秒差の3着』という結果の価値の高さがご理解いただけるかなと思います。

◇血統考察

▶お母さんのエントリーチケットはJRAの芝1200~1600mで6勝を挙げた競走馬で、牝系は在来の土着血統です。
▶マイネルチケットは、お母さんの『エントリーチケット』が8歳時の産駒で、初仔となります。
▶お父さんの『ダノンバラード』は2013年の『宝塚記念2着』を筆頭にJRAの芝2000m~2400mで活躍し重賞2勝した競走馬で、日本で種牡馬生活をスタートさせた後、海外に売却され、イタリア、イギリスで種牡馬として供用さていましたが、買い戻されて、再度、日本で種牡馬生活をしているという珍しい馬生を送っています。
▶産駒の重賞成績はGⅠ、GⅡで馬券内はありませんが、GⅢで『2勝-2着2回-3着1回』という成績で、全て2、3歳戦の世代限定戦となっており、成長曲線的には早熟傾向が強いタイプの種牡馬です。
▶また、競馬場別の成績では、北海道の洋芝コース(札幌と函館)が群を抜いて良績を叩き出しており、距離もマイル以上がベターという種牡馬成績となっています。
▶配合型としては、Haloを3本持つこと以外にこれといった特徴はなく、血統構成全体からは底力に欠ける印象です。

◇京王杯2歳Sでのポイント

▶1週前の追い切りは、栗東坂路で終い2Fを12.8-12.2と0.6秒加速する調整をしており、4Fの時計も自身で2番目に速い時計を計時するなど、デビュー4走目、中3週のローテーションの中でも意欲的に調整されています。
▶前走のサウジアラビアロイヤルカップでの1400m通過地点での走破時計から、4着だった『シンフォーエバー』とともに、単純な走破時計は足りているという評価が出来ますが、マイネルチケット自身の適性でいうと、距離短縮よりも、マイル戦の続戦又は1800mへの距離延長で狙いたい1頭という見解で、ここでは評価を下げたいです。


◆レモンバーム

◇時計分析

▶新馬戦でのレモンバームの走りですが、外枠もあって道中は馬群の外目を追走する競馬。
▶ペースは3~4角でしっかりと緩んで先行勢に有利な展開の中、逃げる2着馬『フリッカージャブ』をゴール前、残り数十メートル付近で捉えての完勝でした。
▶ゴール入線後も速度を緩めるのに鞍上が手こずっていた様子からも、まだまだ余力を感じさせる走りだったという見解です。

◇血統考察

▶お母さんのフライングメリッサはJRAの芝1800m~2000mで3勝を挙げた競走馬で、『フライングメリッサ』の産駒はデビューした9頭中6頭がJRAで勝ち上がり、うち3頭が3勝を挙げるアベレージの高い繫殖成績という評価です。
▶レモンバームは、お母さんの『フライングメリッサ』が18歳時の産駒です。
▶お父さんの『ジョーカプチーノ』のNHKマイルCを含む重賞3勝をしており、マイルGⅠ勝ちがありますが、適性距離は1400m以下という競走馬でした。
▶『ジョーカプチーノ』の産駒成績ですが、牝馬の産駒は、これまでに芝で全26勝を挙げていますが、そのうちの10勝が『函館芝1200m』で、産駒成績に偏りがあるタイプです。距離も芝は1400mが上限で、それ以上の距離となるとガクッと成績が落ちる種牡馬です。
▶配合型としては、『Sadler's Wellsクロス(5×5)』と『Nijinskyクロス(5×4)』が特徴的で欧州の『馬力』『パワー』『スタミナ』が強調される血統構成という印象で、そもそもお母さんの『フライングメリッサ』の配合が『ダンスインザダーク×ブライアンズタイム×インザウイングス』と相当重厚な血脈の積み重ねとなっていることからも、東京競馬場の芝コースでのスピード勝負がベスト舞台という評価が難しい血統構成という印象です。

◇京王杯2歳Sでのポイント

▶調整は中2週ということもあり、1週前に時計は出しておらず、状態面の評価は無しとなります。
▶前走の新馬戦の時計は、新馬戦で計時する時計としては及第点でしたし、余力も感じさせる競馬内容で、一度使ってさらに前進する可能性は高そうです。
▶ただ、血統的には良馬場の東京競馬場でのスピード勝負が、本質的には向いているとは言い難い血統背景という評価で、2歳のこの時期なら対応出来る可能性は否定できないものの、重賞レベルのスピード勝負には不安を残すため、馬券的には抑えまでが妥当という評価です。


◆京王杯2歳ステークスのまとめ

順当な評価になってしまいますが、能力、適性、状態面を総合的に考慮すると安心して買えそうな2頭という評価です。
あとは個人的には、血統背景に見どころのある『バンジャタワー』が良血馬として2戦目で初戦のパフォーマンスを上回って来れれば、面白い存在になるという見解です。

いいなと思ったら応援しよう!