【朝日杯フューチュリティステークス2024 予想】常識破りのパフォーマンスで波乱を演出!?破格の時計を計時しているあの馬を高評価!朝日杯FSを徹底考察!
皆さんご機嫌いかがですか。中崎です。
12月15日(日)に京都競馬場で行われます「朝日杯フューチュリティステークス」に出走予定の注目馬について、『時計分析』『血統考察』を中心に「朝日杯フューチュリティステークス」への展望をお伝え致します。
朝日杯フューチュリティステークスを十分に楽しむためにも、各馬の考察は事前知識になりますので、是非最後まで御覧いただければ幸いです。
この度『馬券のミカタ』さんよりお誘をいただき、推奨馬を投稿することとなりました。
『今アツい予想家がすぐ見つかる』
無料で楽しめる競馬ファンの『馬券のミカタ』となる競馬情報サイトですので、是非、以下のURLから遊びに来てください。お待ちしております。
◆京都芝1600m(外)について
今年の朝日杯フューチュリティステークスは、昨年と違い京都芝1600m(外)での開催となり、今週からCコースからDコースにコース替わりとなります。
京都芝1600mのコースレイアウトについては、先週の阪神ジュベナイルフィリーズの記事にて解説しているので、ご興味あればそちらでご確認ください。
◆朝日杯フューチュリティステークスについて
ホープフルステークスがGⅠに昇格したことにより、朝日杯フューチュリティステークスは、マイルや短距離志向の強いメンバーが揃うレースとなっていますが、ここでは2歳戦の傾向の一部分として、『馬体重』と『誕生月』のデータを確認しておきたいと思います。
460㎏を境にして成績差が顕著に表れています。
馬体重は当然、馬格に由来するもので。骨格とそこに付いて来る筋肉量などに起因する部分が大きいですが、その観点で考察すると『成長速度』との関連性が強い部分があるため、次は誕生月のデータについても確認をしてみます。
4月以降に誕生した馬の成績がそこまで奮っていません。
『草食動物』である『馬』の生態を考えた場合、生まれて数年間の『1か月』という時間は、身体的な成長度合いへの寄与が大きくて、生まれた時期による『成長差』が付きやすい傾向にあるという見解です。
この『馬体重』と『誕生月』という観点で見ると、『4月生まれ』かつ『438㎏』で牡馬相手に好走をした『タガノエルピーダ』と、遅生まれの5月生まれで勝ち切った『ドウデュース』にポテンシャルの高さを感じられるという印象です。
今年は舞台が京都競馬場に変わりますが、2歳GⅠという施行条件は変わらないので、2歳12月時点での『完成度』を一つの指標において、有力各馬を考察していきたいと考えています。
🏇アドマイヤズーム(牡2/56㎏)/川田/中4週
◇時計分析
アドマイヤズームの未勝利戦は『前傾1.1秒』と前半のペースが流れている分、走破時計も速くなりやすい展開だったという見解です。
それを踏まえて考察してみると、『ショウナンザナドゥ』『ダノンフェアレディ』の同世代の牝馬2頭が、6月に計時した走破時計との比較では、アドマイヤズームの未勝利戦での走破時計を強気に推しづらいという見解です。
◇血統考察
▶お母さんの『ダイワズーム』は現役時にJRAの芝1800~2000mで4勝を挙げた競走馬で、デビューした産駒4頭中2頭が平地で4勝を挙げており、優秀な繫殖成績です。
▶アドマイヤズームは、お母さんの『ダイワズーム』が13歳時の産駒です。
▶配合型としては、『サリオス』『アーバンシック』『ドゥレッツァ』と同様の『Danzig×トニービンのニックス』をベースに、『Haloクロス(5×4+5)』で芝向きの俊敏性や瞬発力を、Lyphardクロス(5×5)からは機動力を補完しており、芝1600m~2000mであれば、競馬場問わずに安定して走って来れそうな血統構成です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶前走の勝ち上がった未勝利戦は、直線で楽に抜け出す完勝。
▶ただ、初戦の新馬戦は前残りの展開を先行して、直線での反応がイマイチだったことを考えると、まだまだ競馬に行っての幼さが垣間見えるため、完成はもう少し先という見立てです。
▶前走から、中4週と10月デビューからコンスタントにレースに使われており、朝日杯フューチュリティステークスでデビュー3戦目となります。
▶1週前追い切りは、栗東CWで2頭併せでの調整。併走馬を突き放す、終い重点の内容で、大跳びですが重心の高いフットワークで、軽快さを感じる動きをしており、状態面は及第点という印象です。
▶フォトパドックを見た評価は、腰高でクビ差しに華奢な面があり、非力さを感じる馬体で幼さを残すも、毛ヅヤは良く体調面は良さそうです。
▶なお、蹄は薄いタイプなので、良馬場でこそという見立てです。
▶京都芝1600mは内回りではありますが、2戦経験しており、引き続きの京都競馬場での競馬はアドバンテージはになりそうですが、タイプ的には自分から動きたい馬だという評価なので、内回りでの競馬の方が向いているという見立てです。
▶レースに行っても道中でハミを噛む面を見せるなど、まだまだ改善の余地は残している印象で、2歳GⅠとはいえ、このメンバー相手に勝負するには完成度の面で他馬に譲るという見解です。
🏇アルテヴェローチェ(牡2/56㎏)/武豊/中9週
◇時計分析
まず、サウジアラビアロイヤルカップの勝馬と、朝日杯フューチュリティステークスとの相性が良い点は抑えておきたいポイントです。
今年は直近10年では『前半3F』が最速で、前半のペースが流れていたため、先行勢に苦しい展開でした。
後方で脚を溜めていたアルテヴェローチェに展開が向いた側面があることは否めないので、少頭数の競馬で『大外差し』と展開利があったアルテヴェローチェの評価は、展開面の差し引きをした方が良さそうです。
◇血統考察
▶お母さんの『クルミネイト』は現役時にJRAで未勝利の競走馬でしたが、近親には中山や福島などの小回りコースを得意とした『ククナ』や、ダート中距離路線で活躍した『ピオネロ』などのOP馬がいる血統背景です。
▶アルテヴェローチェは、お母さんの『クルミネイト』が6歳時の産駒で初仔となります。
▶配合型としては、『Lyphardクロス(5×5+5)』を持ち、機動力に長けた血統構成で、将来的には1600m~2000mくらいの距離で、小回りや内回りでの持続力勝負で力を発揮しそうなタイプという評価です。
▶また、『父モーリス×母父ディープインパクト』という組み合わせから、成長曲線的には2歳戦向きではなく、同じ組み合わせの『ジェラルディーナ』『ディヴィーナ』の戦績からも、本当に良くなってくるのは4歳以降という評価です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶前走のサウジアラビアロイヤルカップは、渋った馬場やハイペースがこの馬に味方したという見解で、強い競馬ではありましたが、展開や馬場が変われば、着順も変わりそうな競馬だったという評価です。
▶前走から中9週のローテーションで、間隔を開けながらレースを使われており、今回でデビュー3戦目となります。
▶馬体重は前走が+10㎏の458㎏と、牡馬としてはそこまで馬格があるタイプではなく、モーリス産駒ということもあり、ここから先の成長力に期待をしたいところです。
▶1週前追い切りは、栗東CWで2頭併せでの調整。併走馬と併入する形で、元々調教時計は出る馬なので驚くような時計ではないですが、それでも、6F【80.1秒】、4F【50.3秒】としっかりと負荷を掛けた調整をこなしています。
▶レースに行って、ペースが流れても道中でハミを噛んだり、そもそもパドックでも厩務員さんに甘える素振りを見せるなど、幼い部分がある中で、重賞を勝ち切っている点は評価をすべきという見解です。
▶未完成な部分はありますが、今回も馬券的には注目をせざるを得ない1頭という見立てです。
🏇アルレッキーノ(牡2/56㎏)/ルメール/中9週
◇時計分析
走破時計は2歳コースレコードで、加えてレース後半4Fの時計も優秀です。
当然、相手関係もありますが、2着馬に1.2秒差の圧勝でこの時計を計時している点は評価出来る一方で、逃げて自身で刻んだ『ラップ』と『走破時計』という点に関して、若干の割引は必要という見解です。
◇血統考察
▶お母さんの『チェッキーノ』は現役時に2016年オークス2着、フローラS勝ちのある競走馬で、産駒にはモーリス産駒の『ノッキングポイント』が新潟記念を、ハービンジャー産駒の『チェルヴィニア』がオークス、秋華賞を勝利しており、種牡馬が代わっても安定して重賞馬を輩出する優秀な繫殖成績です。
▶アルレッキーノは、お母さんの『チェッキーノ』が9歳時の産駒です。
▶配合型としては、兄弟のチェルヴィニア、ノッキングポイントも血統内に内包している『Kingmambo×Robertoのパワー増幅型のニックス』をベースとして、『Haloクロス(6×4)』から俊敏性と瞬発力を、『Bold Rulerクロス(4本)』から直線の長いコースでの伸びやかなスピードを補強しており、バランスの取れた配合型という見解です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶新馬戦では東スポ杯2歳ステークスの勝ち馬『クロワデュノール』に0.4秒差を付けられるも、3着以下には0.7秒差を付ける走り。
▶勝ち上がった未勝利戦は2着に1.2秒差の圧勝で、相手関係を疑問視されていますが、2着馬と3着馬はその後、未勝利戦を勝ち上がっており、殊更にメンバーレベルが低い訳ではなかったという見解です。
▶前走から、中9週のローテーションで、ここまでの4戦は、ある程度レース間隔を開けながら使われていますが、イマイチ馬体に成長が見られない点が気掛かりではあります。
▶1週前追い切りは、美浦南Wで単走での調整。重心の高い走りで調教時計は出ていますが、軽めに見える調整内容でした。
▶ただ6Fの調教時計は自己ベストを計時しており、長目を追って負荷を掛けていたという印象です。
▶フォトパドックを見た評価は、すっきりと見せる馬体ながらもトモに幅があってスピード能力を秘めていそうです。
▶脚長の体型からも、距離はマイルから伸ばしても対応が出来そうという見立てをしています。
▶前走のサウジアラビアロイヤルカップは、ハイペースでも掛かっていたため、道中で抑え込む競馬をするよりも、初戦や2戦目のように先手を取る競馬の方が、現時点ではこの馬の持ち味を生かせる可能性が高そうという見立てです。
▶460㎏と馬格があるタイプではないため、初の関西圏への輸送は心配な面はありますが、馬体重が大幅に減るようなことがなければ、時計評価は抜群ですし、血統背景も良質な馬なので、積極的に狙っていきたい1頭です。
🏇タイセイカレント(牡2/56㎏)/坂井/中9週
◇時計分析
タイセイカレントの時計は、逃げて計時しているという点で評価が上げづらい側面はあるものの、レース後半4Fの時計はまずまずの水準という評価です。
走破時計に物足りなさは残るものの、これは前半のペースに起因していると考えるのが妥当で、実際に次走では走破時計を大幅に詰めて来ているので、伸び代は十分にありそうです。
◇血統考察
▶お母さんの『アイリッシュシー』は現役時にアイルランドで走って未勝利だった競走馬で、産駒には地方のダート重賞で勝ち負けしている『キャリックアリード』や、JRAのダートで2勝を挙げている『レッドダンルース』など、ダートで活躍馬を輩出しているという繁殖成績です。
▶タイセイカレントは、お母さんの『アイリッシュシー』が8歳時の産駒です。
▶配合型としては、お母さんの『アイリッシュシー』がコテコテの欧州血統で『Galileo×Danehill×Pivotal』とNorthern Dancerが煩い血統構成で、父モーリスも『Sadler's Wells』『Lyphard』『Danzig』などのNorthern Dancer系を複数内包しているので、軽快さが求められる日本の芝で走るには重厚な血統構成となっています。
▶ダート馬とは言いませんが、馬場は渋った方が他馬比較で相対的に優位という見解です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶新馬戦は逃げる競馬でしたが、直線で見せた脚力は秀逸という評価で、2戦目のサウジアラビアロイヤルカップは一転、スタートで躓いたこともありますが、ハイペースを差して来る競馬で、展開が向いた面があっての好走という見解です。
▶前走から中9週のローテーションで、関西馬ですが今回は初の京都競馬場での競馬になり、輸送が軽減される点はプラス評価です。
▶1週前追い切りは、栗東CWで2頭併せで追い掛ける形の調整。直線に入ってしばらく逆手前で走っていた点は気になりましたが、4Fの調教時計は自己ベストを計時しており、負荷はしっかりと掛けられているという印象です。
▶フォトパドックを見た評価は、トモの容量には目を見張るモノがあり、筋肉量が豊富なパワータイプという評価です。
▶毛ヅヤも良く後肢の下腿部に血管も浮いており、仕上がりは良さそうという見立てをしています。
▶スローペースも、ハイペースも経験している点は強みですし、逃げる競馬から一転して控える競馬で結果を残せたのは、この馬のポテンシャルの高さを示しているという評価をしています。
▶ただ血統背景から芝のGⅠでとなると、勝ち切るにはハードルが高そうという見立てで、馬券的には相手候補までで検討をしたい1頭です。
🏇トータルクラリティ(牡2/56㎏)/北村友/中15週
◇時計分析
走破時計も後半時計も突出している訳ではないが、この先も重賞で勝ち負け出来る水準の時計は計時しているという評価です。
個人的な印象としては、持続力の高い堅実な走りをするトータルクラリティらしい時計で走っているという見立てです。
◇血統考察
▶お母さんの『ビットレート』は現役時にJRAの芝1200m~1400mで2勝を挙げた競走馬で、近親には、宝塚記念でイクイノックスの2着だった『スルーセブンシーズ』や、紫苑ステークス勝ちの『パッシングスルー』の姉妹がいる血統背景です。
▶トータルクラリティは、お母さんの『ビットレート』が10歳時の産駒です。
▶配合型としては、同じバゴ産駒の活躍馬である『クロノジェネシス』との共通点があり、『Haloクロス(5×4)』で芝向きの俊敏性と瞬発力を補強している点と、お母さんが『Deputy Minister』持ちで、スピードと早熟性を補完している血統構成という評価です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶京都芝1600m(内)の新馬戦で計時したレース後半2F【22.3秒】というレースラップは優秀で、同水準の時計を計時したレースを勝ち切っている活躍馬には、『インディチャンプ』『シンハライト』『エルトンバローズ』『タガノエルピーダ』がおり、新馬戦で見せたポテンシャル通り、次走の新潟2歳ステークスでは重賞勝利を飾っています。
▶前走から中15週と休み明けの一戦になりますが、京都競馬場は内回りの1600mにはなりますが、経験しているアドバンテージはあるという評価です。
▶1週前追い切りは、栗東CWで2頭併せでの調整。鞍上が抱える手応えで、追ってゆったり加速するこの馬らしい反応ながら、併走馬を突き放す調整内容でした。
▶なお、6Fと4Fの調教時計は自己ベストを計時しており、追い切りの動きはあまり良く見せないタイプで、今回も動きが抜群に良い訳ではありませんが、その中でもしっかりと負荷を掛けられている点は高評価です。
▶フォトパドックを見た評価ですが、かなりすっきりとした仕上がりで、脚長の体型からも距離はもう少し長くてもと、思わせる身体つきをしています。
▶毛ヅヤが良いので体調面は良さそうですが、新潟2歳ステークス時と比較をすると、ボリューム感に欠ける印象で、特に胸前の迫力に欠ける点が気になるため、当日の馬体重を含めた気配は良く確認をしたいところです。
▶前走時に鞍上からのコメントにもあった通り、競馬に行って渋太いタイプの競走馬で、個人的には堅実なタイプという表現が合っていると考えており、逆の視点から見ると突き抜けた武器に欠ける相手なりに走るタイプという見立てです。
▶ただ、新馬戦含めて見せているポテンシャルは良質な部分があるので、馬券的には抑えておくべき1頭という見解です。
🏇ニタモノドウシ(牡2/56㎏)/R.ムーア/中16週
◇時計分析
ニタモノドウシは2歳コースレコードの走破時計に加えて、レース後半4Fも最速を計時しているレースを勝ち切っており、質の高い時計をマークしています。
今年の札幌芝のレースは時計が速い傾向が強く、赤字で記載した馬は同世代の馬になりますが、その中でもニタモノドウシが抜けた時計を計時している点を評価していますが、札幌芝1500mという特殊条件になるため、サンプル数が東京等と比較すると圧倒的に少ない点は、留意をする必要があることは付け加えておきます。
◇血統考察
▶お母さんの『ジェラスガール』は米リステッド競走勝ちのある競走馬で、2014年の皐月賞馬『イスラボニータ』の半姉という血統背景です。
▶ニタモノドウシは、お母さんの『ジェラスガール』が14歳時の産駒です。
▶配合型としては、『Cozzene(3/母方)』の影響が最も強く出ている印象で、重心が低い体勢からストライドが伸びるニタモノドウシのフットワークは、血統表を見渡しても、『Cozzene』の筋肉を柔らく使う特性を受け継いでいるという印象です。
▶また、『Special牝系のSadler's Wells(4/父方)』を持つことからも、小回りでの機動力や、タフな馬場もこなす力強さも感じる血統構成です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶新馬戦は2着馬が未勝利を突破していますが、そこまでレベルが高いとは言えませんし、クローバー賞もメンバーレベルに疑問符が付くので、対戦相手の質という点では見劣るという評価です。
▶前走から中16週と休み明けになりますが、前走時で-2㎏の460㎏という馬体重を考慮すれば、このレース間隔で馬体重が増加して来れれば、評価を上げられそうです。
▶1週前追い切りは、美浦南Wで2頭併せでの調整。楽な手応えの併走馬に若干煽られる調整内容で、調教時計も目を引く部分はありませんが、この馬なりに時計は出ており、負荷はしっかりと掛けられているという評価です。
▶フォトパドックを見た評価は、短距離志向が強いパワフルな体型で、トモに迫力もあり、腹回りもRoberto持ちらしく立派な造りをしています。
▶休み明けにはなりますが、毛ヅヤも良く状態面に不安はなさそうです。
▶走破時計などからは評価ができる部分はあるものの、そこまで強気に推せる内容ではない点が悩ましいですが、他馬との比較を度外視したくなるくらい、フットワークに魅力を感じる馬なので、ムーア騎手騎乗で穴人気しそうな局面ではありますが、4月生まれというビハインドにも目をつぶって、馬券に加えて勝負をしてみたい1頭です。
🏇パンジャタワー(牡2/56㎏)/松山/中5週
◇時計分析
京王杯2歳ステークスは、東京芝1400mの2歳コースレコードが出る舞台ですが、ペースは後傾ラップになることが多く、パンジャタワーが勝った今年のレースもイーブンではありますが、過去との比較で評価すると、比較的ペースは流れていたと言えるのかなという見解です。
今年は稍重馬場でもペースが流れた分もあり、走破時計が出ていますが、過去の傾向を見ると、次走以降も重賞を勝てるだけの水準の時計は、計時していたという評価です。
◇血統考察
▶お母さんの『クラークスデール』は競走馬としては未出走でしたが、3/4同血の半兄がダービー馬『ロジユニヴァース』という血統背景です。
▶ボトムラインは『ソニンク牝系』で、『ソングライン』『ディアドラ』『スキルヴィング』が輩出されている優秀な牝系という評価です。
▶パンジャタワーは、お母さんの『クラークスデール』が6歳時の産駒です。
▶お父さんの『タワーオブロンドン』は、今年初年度産駒がデビューした新種牡馬で、ここまで産駒は芝で7勝を挙げており、距離も『タワーオブロンドン』が得意としていた『1200m』で5勝を挙げるなど、サンプル数は少ないですが、『タワーオブロンドン』自身の特性を産駒に強く反映している印象です。
▶配合型としては、『Sadler's Wells≒Nureyevのニアリークロス(4×5)』で底力とパワーを増強し、『Halo(3本/母)≒Sir Ivor(6×6)のニアリークロス』で芝向きの俊敏性と瞬発力を補強している血統構成で、お父さんの『タワーオブロンドン』の影響でスプリント性能が高い馬ではありますが、血統構成的には距離は1600mまではこなせるタイプという評価です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶前走の京王杯2歳ステークスは、渋った馬場に加えて、ペースがタイトに流れた中で『大外差し』と、展開的な恩恵があったという評価です。
▶ただ、馬体重が+12㎏の480㎏とパワーアップして出走して来た点は、良血馬らしい成長力の高さを見せてくれたという印象です。
▶前走から中5週のローテーションで、コンスタントにレースを使われながら、今回でデビュー3戦目となりますが、京都競馬場は初となりますが、長距離輸送が無い点はアドバンテージという見解です。
▶1週前追い切りは、栗東CWで3頭併せでの調整。直線で併走馬を突き放す調整内容でしたが、どちらかというと長目をしっかりと乗って負荷を掛けており、6Fと4Fの調教時計は自己ベストを計時している点は高評価です。
▶フォトパドックを見た評価ですが、毛ヅヤも良く後肢の下腿部に血管が浮き出ており体調面は問題がなさそうです。
▶脚が短めのため、短距離志向の強い馬体に見せますが、胴回りには一定以上の伸びやかさもあり、1600mもこなせるだけの下地はありそうという見立てです。
▶ここまで水分を含んだ湿った馬場で好走をしているため、現在の砂埃が立つくらいに乾いている京都の馬場への適性面での不安はありますし、折り合い面にも不安があるので、距離延長となる今回は評価を上げる材料が少ないという見立てです。
▶良血馬らしい底力は感じるものの、現状はペースがタイトに流れる1400mがベストという見解で、降雨で馬場が湿った際に評価を上げたい1頭です。
🏇ミュージアムマイル(牡2/56㎏)/C.デムーロ/中4週
◇時計分析
レース後半4Fの時計の優秀さもありますし、走破時計も2010年以降で3位タイの好時計を計時しており、2000m戦を質の高い時計で走れることはしっかりと示しているという評価です。
あとはマイルへの距離短縮がどうかではないでしょうか。
◇血統考察
▶お母さんの『ミュージアムヒル』は現役時にJRAの芝のマイル戦で3勝を挙げた競走馬で、ボトムラインが『ハッピートレイルズ』なので、牝系はアルレッキーノと同牝系で、チェルヴィニア等の活躍馬が輩出されている血統背景です。
▶ミュージアムマイルは、お母さんの『ミュージアムヒル』が7歳時の産駒で初仔です。
▶配合型としては、シーザリオ系種牡馬と、母がトニービン持ちとの組み合わせとなっており、『エフフォーリア』『ステレンボッシュ』などが輩出されている相性の良い組み合わせという印象です。
▶血統表全体の構成を見ても、『キングカメハメハ系×サンデーサイレンス系×トニービン×ノーザンテースト』という近代日本競馬のリーディングサイアー上位の種牡馬の結集という血統構成で、粒立った特徴はないですが、バランス重視の配合型という評価です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶初戦の新馬戦は大出遅れをかましての3着なので度外視。
▶2戦目以降は、対戦相手のレベル感に疑問符が付くものの、いずれも余力のある走りを見せての完勝で、時計評価を含めて能力的に疑う部分はないという見解です。
▶前走から中4週のローテーションで、コンスタントにレース間隔を詰めながら、今回でデビュー4走目になります。
▶1週前追い切りは、栗東坂路で2頭併せでの調整。びっしりと追って負荷を掛ける調整内容ですが、併走馬に手応えで見劣り、遅れていた点は気掛かりではありますが、4Fの調教時計は自己ベストを計時しており、状態面に不安がある訳ではなさそうです。
▶フォトパドックを見た評価ですが、毛ヅヤが良く状態面は良さそうで、馬体のバランスが途轍もなく整っており、ただただ純粋に良い馬という評価です。
▶また、馬体重も前走時で496㎏と馬格もあり、2歳戦のGⅠを走れるだけの成長の速さは見せているという見解です。
▶距離はマイルもこなせると思いますが、ベストは2000mという見立てです。
▶未勝利戦で距離は1800mと違いますが京都の外回りを経験していますし、前走では乾いた馬場でクッション値が高い現在の京都の馬場を経験しているアドバンテージは大きいという見立てです。
▶あとは月並みですが、距離短縮に加えてスローペースしか経験していないので、マイル戦でペースが流れた時の反応が未知数ではあります。
▶ただ、レースでの対応力に秀でているという評価をしているので、能力的にはこのメンバー相手なら十分に通用するという見立てです。
🏇ランスオブカオス(牡2/56㎏)/吉村/中1週
◇時計分析
◇血統考察
▶お母さんの『ハイドラン』は現役時にJRAの芝1800m~2000mで2勝を挙げた競走馬で、近親には全日本2歳優駿を勝った『イイデケンシン』などダートでの活躍馬も多い血統背景です。
▶ランスオブカオスは、お母さんの『ハイドラン』が7歳時の産駒で初仔です。
▶配合型としては、『Haloクロス(4×5+5)』に加えて『Halo』と相似な血統構成の『Sir Ivor』を併せ持つ形で、芝向きの俊敏性と瞬発力を増強し、『Nijinskyクロス(5×5)』から欧州的な馬力とパワーを補強しており、スピードとパワーのバランスが良い血統構成という評価です。
◇朝日杯フューチュリティステークスでのポイント
▶前走の新馬戦は『出遅れ』+『4角大外』を回る距離ロスがありながら、直線で抜け出す時の脚が力強く、京都内回りの1400m戦で上り3F【33秒台】を計時して勝ち切った2歳馬は、2010年以降ではモーリスを含む、9頭しかおらず、なかなか見どころのある上り3Fを計時しているという評価です。
▶しかも2着馬に0.4秒差付けていることを考慮すれば、評価をしなければいけない時計です。
▶ちなみにモーリスが京都内回りの芝1400mで上り3F【33.8秒】を計時した際に2着馬に付けた着差は0.5秒差です。
▶前走から中1週とレース間隔も詰まるので、実際に出走してくるかどうか不透明な部分もありますが、伏兵馬の中では計時している時計に魅力を感じる1頭です。
▶3月27日生まれと4月に近く、相対的にみると遅生まれの部類ですが、前走時の馬体重が502㎏と馬格がある点は高評価という見解です。
▶ローテーション的には朝日杯フューチュリティステークスを狙っていたという意思はあまり感じられないものの、穴馬としては検討する価値がある1頭という見解です。
◆朝日杯フューチュリティステークスのまとめ