🏇シホリーン(牝)/2022年産

◆血統

▶お母さんの『パンデリング』は現役時は未出走でしたが、ロードカナロア産駒の3/4同血の半妹は9冠馬『アーモンドアイ』です。
▶牝系が『Sex Appeal』で『ロッタレース→フサイチパンドラ→アーモンドアイ』と活躍馬が繋がっていますし、その『Sex Appeal』直仔の種牡馬には『トライマイベスト』『El Gran Senor』という名種牡馬がおり、現在の日本馬の血統表内に多く見られる血脈の起点となっています。
▶シホリーンは、お母さんの『パンデリング』が8歳時の産駒です。
▶配合型としては、『Roberto×Kingmamboのニックス(5×3)』でパワーを増幅し、『Sadler's Wells×Nureyevのニアリークロス(4×5+4→Special牝系クロス)』で機動力やタフさスタミナを補強する血統構成です。

◆レース回顧：2歳新馬

▶好スタートから勝ち馬『ファンダム』の真後ろでマークする競馬

残り4F過ぎ/鞍上が後ろを確認して外に進路を取り、ファンダムの真後ろを追走

▶直線では先に動いた『ファンダム』を追い掛ける形になりましたが、最後まで捕まえ切れず。
▶『後傾ラップ』かつ『加速ラップ』で、先行有利なレース展開もあって、『ファンダム』の2着に甘んじる結果となりましたが、3着馬には0.8秒差を付けており、このメンバーでは『ファンダム』と『シホリーン』が抜けた能力を持っていたという評価です。
▶それを裏付けるように、パトロールVTRでは、ゴール後も2頭が加速しており、この内容で走り切っても、まだ余裕であることが確認できます。
▶秋の中山開催の開幕週で馬場が速かった分はありますが、2歳コースレコードで勝利した勝ち馬『ファンダム』に0.1差という走破時計は申し分のない時計です。

▶直近10年で、レース後半4Fの時計(45.4)が最速に加えて、L2FからL1Fの加速が『0.7秒』と異次元の後半勝負(加速ラップ)のレースとなっています。
▶馬場の速さの恩恵がありながらも、余力残しで2歳コースレコードを計時したレースの2着(0.1秒差)という点は順当に評価すべきという見解です。

◆レース回顧：2歳未勝利

▶五分のスタートから道中は馬群内で競馬をする形。
▶スタート直後に隣の馬と接触したり、2角入口で『ダノンミッション』と接触した影響か、序盤はハミを噛んでの追走。
▶4角出口付近では前に進路が確保できず、また周りにも馬が密集していて、仕掛けのタイミングで踏み遅れる。

残り2F地点/前も外も当然内も無理

▶直線で外に進路が出来てからの末脚は圧巻で、レース後半3F(11.8-11.7-11.4)の加速ラップを、余力たっぷりの圧巻の末脚で差し切って、能力の違いを見せつける競馬でした。
▶2着『ダノンミッション』は次走で未勝利を勝ち上がっており、メンバーレベルも悪くなかったという評価です。

◇時計比較/2歳未勝利

◆レース回顧：アルテミスステークス

▶折り合いがイマイチでしたが、枠順の影響もあって、道中はタイトな競馬を強いられて苦しい展開で直線を迎える。

3角付近/内・外・前に馬がいて窮屈な位置で我慢の競馬

直線入口/カムニャックが内に絞ってシホリーンの進路を潰す

待てど暮らせど進路は開かず。。。

▶直線のほとんどの区間で追い出しを待たされる不完全燃焼の競馬。
▶最終的に開いた進路は内側で、そこからエンジンを掛けて脚を伸ばすも4着まで。。。

◆総評

▶折り合いの面で多少の幼さは見せているものの、道中は馬群で我慢は利いていますし、何よりもすんなりと好位を取れる操縦性の高さに競馬センスの高さを感じます。
▶アルテミスステークスは、直線の進路取り次第で勝ったとは言いませんが、2着はあったという競馬内容でしたので、評価としては取りこぼしという評価が妥当という見解です。

◇今後の展望

▶能力的には、『重賞級』で『阪神ジュベナイルフィリーズ』『桜花賞』でも十分に勝負になる素質の持ち主という見立て。
▶今後は、賞金加算が課題となってくるという見解で、『桜花賞』へ向けて負けられないレースが続くことで、肝心の本番(桜花賞)でお釣りが無いという事態は避けて欲しいというのが切なる願いです。
▶なお、関東馬なので、可能であれば2歳時に関西圏での競馬を経験させたいところですが、アルテミスステークスで賞金加算が出来なかったことで、関西圏で競馬させるタイミングも若干難しくなったという見解です。

＜適性が高そうなレース＞
・フェアリーステークス (中山芝1600ｍ)
・クイーンカップ (東京芝1600ｍ)

＜目標＞
・桜花賞(阪神芝1600ｍ)