男はつらいよ第19作寅次郎と殿様を見て~寅さんがかわいそうかな
ここまで大洲というところが宣伝された作品もそうないだろう。寅さんは地方ロケがつきものだけど、旅先での宿でのシーンや、寅さんの啖呵売りのシーンで終わることも多い。けど、今回は大洲の殿様が主人公のひとり。前の龍野も結構シーンが多いほうだったけど、今回も多かったように思う。失恋のパターンとしてはまた新たなもの。寅さんが恋するというより、周りが寅さんをそう仕向けて、結果、失恋するというもの。ちょっとかわいそう。物語の終盤で一気にその展開が動くところも面白い。最後まで結果が分からないのが面白いのだ。
ヒロインは真野響子。目がキラキラしていて、寅さんによくある和風美人ではなく、ちょっと洋風も感じる美人。
執事の吉田も痛快。最初の役どころが憎まれで、最後にはまったく違う立場で出てくる。寅さんの周りの人は、どんどん変わる。そこが面白い。金持ちに好かれるのは寅さんのいつものパターンだが。この人は三木のり平さんらしい。殿様よりも気になった。また違う作品も見てみたい。森繁久彌さんとも共演しているようだ。C調ってのが出てくるがどういう意味か。
山田洋次と朝間さんの脚本コンビはしばらく続くのか。安定した面白さ。
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