2024年ボカロ10選
ここ一、二年はご無沙汰していたが、今年はボカロ十選(UTAUやSynthesizer Vも含む)を作成できた。
精神的なゆとりができたことが理由の一つとしてあるが、一番大きいのはニコニコ動画がサイバー攻撃にあったことかもしれない。ニコニコ動画やボカコレでボカロを聴いていた自分は、これらが使用できなくなったことで、これらアプリの大切さを実感した。その結果、アプリが再び使用できるようになってから、今まで以上に上記アプリを用いてボカロを聴く頻度が増えた。ここ数年は、昔の曲をリピートするにとどまっていたが、新曲を漁る習慣が戻り、十選を作れる程度には聴き込めるようになった。
以下が2024年の十選である。P被りなど一切気にしていない。順番はボカコレのマイリストに準拠しており、特に意味はない。
・白絵にもならない/rinri・kyiku
・いのちが見たい/ぬゆり
・それでも僕らは歌うことをやめない/葵木ゴウ
・春の終わり、地獄の始まり/シシド
・八月、僕らの犯した間違いの答え合わせ/れーしあ
・かなしばりに遭ったら/あばらや
・幽霊みたい/佐藤乃子
・神様じゃなくてごめんね/Aliey:S
・駄作/春浅葱
・空白と夏/ぬゆり
以下、詳細感想。聴きながら曲が終わるまでつらつらと書いている。
・白絵にもならない/rinri・kyiku
ゲキヤクが好きで、ゲキヤクの新曲を漁っている時に見つけた。UTAU版とSV版があり、UTAU版の掠れた声が好きでリピートしている。ウィスパーボイスに近い声、喪失を感じさせる歌詞、後半でガラリと変わる曲調など、好きな要素が多く聴き飽きない。
・いのちが見たい/ぬゆり
ずっとニコ動に投稿し続けてくれてありがとうの気持ち。重音テトSVは機械感も残っていて聴きやすい。信仰が生み出した違和感がもたらす離別と執着を描くのがめちゃくちゃ上手い。歌詞が好き。
・それでも僕らは歌うことをやめない/葵木ゴウ
マイリストに追加していた「才能なんか」や「どうしようもない脳」の曲の方だと気づいて、昔の曲も聴き返した。音楽をやっている自分を自嘲するような暗い歌詞が多く、逆に曲調は明るいロックで、そのギャップの不安定さや、歌詞に共感できて好きだ。こちらの曲は、プロセカ用だからか、最後は希望のあるフレーズで終わる。誰かがツイートか何かで、「普段は音楽を辞めそうな歌詞の曲が多いけど、今回は音楽を続けるという歌詞で、プロセカ用だからかもしれないけど、葵木さんがずっと曲を作り続けてくれそうだと安心した(意訳)」という感想を見た。共感する。
・春の終わり、地獄の始まり/シシド
自己肯定感と承認欲求の歌だと思っている。ここまでストレートに淡々と歌っている曲はなかなかないので、好きだ。「潰れる肺と閉じた牢」も好きでした。
・八月、僕らの犯した間違いの答え合わせ/れーしあ
淡々と歌われる強感情溢れる歌詞と、波音の心地良さが素晴らしい。
全部どうでもよかったんだ 君がいるそれだけでよかったんだ
という歌詞がどストレートで良い。たまに入るカゼヒキの低音も良い。
・かなしばりに遭ったら/あばらや
ナースロボ_タイプTの曲はあまり聴いたことがなかったが、良い声ですね。電子音?刻む音?DTMらしさを感じる音が耳に心地よい。
・幽霊みたい/佐藤乃子
電子音が耳に心地よい。歌詞に滲む諦念も良い。
・神様じゃなくてごめんね/Aliey:S
物語を感じさせる曲。誰かを守ろうとしても守りきれず逃げてしまった懺悔がそのまま語られている。穏やかなピアノに悲痛な歌詞がよく似合う。
・駄作/春浅葱
才能について露悪的に歌っている。ウナのがなりがよく似合う。才能を持つ者への嫉妬というテーマがとても好きなので、こういう曲を見つけると嬉しくなってしまう。
・空白と夏/ぬゆり
これも才能の曲。成長するにつれて失われる尖りの話だと思っている。自分の特徴が失われて丸くなるのは怖い。
以上。来年もボカロが聴けますように。