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やればできるの功罪

「やればできる」

誰しも人生一度は誰かに言われたことがあるのではないでしょうか。

僕はこの言葉を聞くと、おばあちゃん子だった子どもの頃を思い出す。一緒に暮らしていた優しいばあちゃん。試験で高得点をとったり、合格したりしたとき、真っ先にばあちゃんのところへ行った。褒めてもらうために。
「すごいなー」「やればできるなー」と大好きな笑顔で褒めてもらえるのが嬉しかった。

おかげで、やればできるんだと。自己肯定感の高い子ども時代を過ごすことができた。

一方で、新卒で中学校の先生になった僕は、この言葉と違う状況で出会うことになる。それは三者面談で、生徒と保護者を話す場面である。保護者にとって、我が子の納得のいかない成績を片手に言う。

「この子は、やればできるんですけどね。」

この状況のネガティブな雰囲気は誰も好きじゃないだろうに。生徒は下を向いて話を耳に入れるか、言い訳をこねくり回す。

「やればできる」


やれば成果が出ることは多い。けれど、なかなか行動できない人にとっては、この言葉は責められる言葉であり、逆効果になることもありうる。

諸刃の剣(もろはのつるぎ)にもなり得るこの言葉の「功」と「罪」を深ぼってみることにする。

「やればできる」の功

この言葉の最大の「功」は、自己効力感(Self-efficacy)を高められることである。自分にはできるという感覚が強い人ほど、挑戦を続け、結果として成功しやすい。心理学では、関連するものとしてピグマリオン効果(他者からの期待によってその期待に沿った成果を出す心理効果)がある。教育心理学では「教師期待効果」とも言われる。

例えば、子どものころ逆上がりができなかった人でも、何度も挑戦するうちにできるようになった経験があるかもしれない。受験勉強でも、最初は全然わからなかったけど、続けていたら解ける問題が増えていく。

なぜ続けられたのか。それは、自分にはできるという感覚があったからではないだろうか。もしくは、やればできるとモーレツに信じてくれた他者がいなかっただろうか。

つまり、「やればできる」と信じることで、行動し続ける力が湧いてくる。これは間違いなく、この言葉のもつ大きな力である。

「やればできる」の罪

「やればできる」とは「やることができない」と同義である。ネガティブな状況で使われる「やればできる」は「やることができない」状態を攻める意図はないだろうか。

「やればできるのに、どうしてやらないの!」
が暗に伝えたいメッセージではないだろうか。

「やればできる」という言葉をかけられる人は、今時点では「やっていない」からこそ、この言葉を投げかけられる。

つまり、「やればできる」と言われると、
「でも、やってないんだよな…」
「なんで、できないんだろう…」
という自己否定が生まれやすいのである。

「やればできるのに、できていない自分は怠け者だ…」
「本当は行動しなきゃいけないのに、できない…」
こうやって自己否定のループに陥ると、ますます動けなくなる。

「やればできる」は、努力すれば必ず成功するかのような誤解を生むこともある。現実には、どれだけ努力しても報われないことも山ほどある。受験もビジネスも、努力だけではなく環境やタイミング、運も関係しているから。

だからこそ、「やればできる」という言葉に囚われすぎると、「やったのにできなかった…」という挫折感が大きくなりすぎることがある。

 

行動できないなら「やれる仕組み」をつくろう


「やればできる」の罪に振り回されずに、行動を起こすにはどうすればいいのか?

答えはシンプル。「やれる仕組み」を作ることである。

例えば、筋トレを習慣化したいなら、
✅ 友達と一緒にジムに行く約束をする
✅ 朝起きたら5回だけスクワットをする

勉強や仕事のタスクを進めたいなら、
✅ 1日の最初に5分だけ手をつける
✅ SNSで「これをやる!」と宣言する

こうした仕組みを作ることで、「やればできる」ではなく、「やるのが当たり前になる」状態を作るのある。習慣になれば自然とやることができるのである。寝る前に歯を磨くように、朝活も続けられるようになる。

成功している人は、意思の力ではなく、仕組みの力を活用していることが多い。行動できないなら、まずは「行動できる環境を作る」ところから始めよう。

※過去の記事では、実体験を踏まえたもっと具体的な仕組みづくりに触れているので、ぜひ読んでみて下さい。

まとめ

「やればできる」のに「やることができない」相手に、「やればできる」を連呼しても仕方がない。やることができない何かがあるんだもの。それを一緒に寄り添って、探しにいかないと。

僕なら、安心して話せる環境を創って、徹底的にヒアリングしますね。それによって、やることができそうであればぜひ!

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