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散らかった狭い賃貸マンションにルンバが来たら、人間が片付けるようになった話
最近、我が家にお掃除ロボットのルンバがやって来た。約4万円。うちにしてはなかなか高額の買い物である。
これまで、2DKの手狭な賃貸マンションにルンバの必要性を感じていなかった。
え、この家のどこ走るんですか? こんな狭いなら掃除機で吸った方が早くないですか?って感じだ。
ただ、夫は違ったようで、正月のノリと勢いに任せてルンバのルンちゃんがやって来た。
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真ん中のCLEANのボタンを押すと、ポロンポロンポロンとお決まりの音がして、ステーションを出庫。
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進みながら、この小さなブラシで床のホコリをかき込んでいく。
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こんな小さなブラシで大丈夫なの?と心配することなかれ。一回では取り切れなくても、何度か同じところを通ることで、キレイにしてくれるのだ。(個人的見解)
ただ、床にたくさん物が置いてあるところは要注意。ちょっとしたケーブルや電気コードならラクラク乗り越えるが、コードの集合体は絡まったりして苦手なのだ。
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何かにぶつかったとき、軽いものなら「どけよどけよ」とばかりに押しながら進む。また、「これは押してもどうにもならん」と判断した場合には右に曲がり、またぶつかったら右に曲がり、それを繰り返して進んでいく。
一度、床に突っ立っていた掃除機を押しながら進んでいることがあって、お局を逆にいびる新人OLのようでとても良かった。
一通り掃除を終えると、元のステーションに戻り、自分で充電を始める姿もなんとも可愛らしい。
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***
今でこそ、ルンちゃんが家の中のどこを通れなくて、どこはギリ通れるのかを把握できているが、最初は違った。
購入して家に来たその日のこと。充電を終えて意気揚々と出庫したが、ちょっと目を離した隙になぜかソファの下で引っ掛かり、ウィンウィンと悲鳴を上げながら、動けなくてなってしまった。
何かを乗り越えようとするとき、ルンバは少し体を持ち上げて高さを出す。しかし、高くしたときにルンバの上の面がちょうどソファ底の木に当たってしまう。それでもゴリゴリ進もうとするので、ソファの底に当たり続け、ルンバの上面に傷がついてしまった。
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やってきた初日に、傷ものになった姿を見て、夫はルンちゃんが通れるように、ソファの足に何か噛ませてソファ自体を高くすることを検討し始めた。(いや、座り心地悪くなるだろ)
それからというもの、「もうこれ以上ルンちゃんのお顔を傷つけまい」と夫は誓ったようだ。
稼働させるときには、必ずその姿を見守り、障害物をよけてあげる。毎朝毎朝ルンちゃんがおケガしないように努めるのだ。(こうなったら、自分で掃除機をかけた方が絶対に早い。)
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そうして、ルンちゃんを見守りつつ、その生態を学んでいる中で気づいてしまった。そもそも、床に物を置いてるのが悪いんじゃないか?と。
それからというもの、我が家では毎日ルンちゃんの稼働に合わせて、床に置いてあるものを片付ける習慣ができた。
部屋をきれいにするためというより、ルンちゃんがちゃんと掃除できるようにするために片付ける。いささか人間がロボットに操られているようであるが、悪くはないだろう。
それに毎朝掃除機をかけるのは非常に難儀であったが、毎朝ルンちゃんのスイッチを入れるのはたやすい。
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結果的に我が家は、ルンちゃんが来たことで片付けや掃除の頻度が上がり、家の中がきれいになった。
これが伝わるかわからないのだが、掃除機をかけた後のフローリングはなんとなく輝きがちがっていて、スッキリした気分で一日が過ごせる気がする。
ちなみに問題となっていたソファは、ルンちゃんの稼働中だけ立てるという対策に落ち着いている。
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個人的感想だが、ルンバはもう二回りくらい小さいと、掃除できる範囲が広がるんじゃないかと思ってる。そしたら、ソファの下もラクラク掃除できるのに。
文・香山由奈
編集・アカヨシロウさん
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