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【褒める文化の大切さ】会社員にMVPは必要か?
学生時代にテストの点で合格不合格や通知表の評価が決まるように、社会に出て、会社員になっても「査定」があり、それによって給料が上がったり、ボーナスの金額が決まる。
給料のアップは中々すぐに叶えられることではないので、企業はあらゆる方法で、社員のモチベーションを上げようとする。
その方法の一つとして、毎月もしくは四半期ごとにMVPを決め、みんなの前で表彰することで、モチベーションアップをさせる企業もある。
私が以前、勤務していた会社もMVP制度があった。
営業職ならば、一番売上を上げた人や今まで受注できていなかった企業を発掘できた人が表彰される。売上とは、テストの点数のようにわかりやすい指標だ。
しかし、営業以外の例えばマーケティング担当ならどうだろう。営業の○○の案件受注に貢献した、とか。新しいツールを導入することに貢献した、とか。
ほとんどの仕事は、みんなが納得するような理由で表彰することが難しい。
MVPの良いところは、選ばれた人が「頑張ってよかった」とモチベーションが上がること。そして、選ばれた人が「普段頑張っている」と思っている人もほっこり嬉しい気持ちになる。また、ライバル視している人が選ばれれば、「コンチクショウ」と奮起するかもしれない。
悪いところは、何だろうか。一番に考えられるのは、選ばれた人が普段上司のごますりばかりしている人なら「なんであいつなんだ」とMVPを決める経営層に不満を抱くことだ。
だとしたら、みんなが納得する人を選ぶことが大切なのかもしれない。
解決策の一つとして、MVPを社員が投票して決める、という手段がある。ありがたいことに、以前勤めていた会社ではMVPの他に、投票制の賞もあった。MVPよりもみんなが納得する人選だったと記憶している。
ただし、こんな不満がでた。
「あれって、多くの人と仕事した人が有利な賞だよね」
そこで考えた。全員が納得する賞なんてないのではないか。みんなどこかで自分の頑張りを認めて欲しいし、労われたいと思っているのだ。
では、誰が労うのか。それは上司や同じ部署やチームなど、いつも近くで頑張りを見ている人がよいのではないか。褒めるところがなかったり、年上の相手なら感謝でもいいと思う。
以前の会社でそんなことを思って、「毎日の朝会で、一人ずつ順番に褒める」というのをやっていた。めちゃめちゃ恥ずかしかった。しかも「平等に褒めよう」と思っていたので内容に困ることもあった。
ただ、褒められた本人がちょっとはにかんでいるのが可愛くて、しばらく続けていた。私自身も褒めてもらうことがあって、素直に嬉しかった。
思えば小学校の時、「おともだちのよいところ」を見つけて発表したことはないだろうか。”おおきなおともだち”になっても、褒められることは、とっても嬉しいものである。
MVPに不満を言う人を救う方法は、そっと褒めてあげることなのかもしれない。
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