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「GREAT!」と言ってもらえるのは、ゲームの中だけ。だから大人は癒しを求める

そろそろ原稿を書かなければいけないのに、着手できない。なぜならば、ゲームがやめられないからだ。

私が最初に出会ったのは、小学校1年生の頃。誕生日プレゼントにピコ(※)をねだったところ、「ピコなんて子供だましだ」と父がセガサターンを買ってきてくれたのだ。
(まだ7歳なんだから、存分にだまされ、させてやれよ)

※ピコ(PICO)とは、製造した幼児向けの電子知育玩具である。絵本状のページが付いたソフトウェア、をタッチペンで操作する。テレビ画面と連動したお絵かき遊びなどが特徴。2010年販売終了。

おそらく自分がゲームで遊びたかった父は、セガサターン、そして「ぷよぷよ」と「トゥームレイダー」のソフトを買ってきてくれた。

トゥームレイダーとは、いわゆるアドベンチャーRPGで、鍛えられキリリとした肉体の女の人が、雪山や洞窟を冒険していき、コウモリやら熊やらをピストルで殺していくゲームである。

だいたい序盤のコウモリに血を吸われて、女の人が野太い悲鳴を上げて死んでしまい、小学校1年生には楽しさがちょっとよくわからなかった。(ていうか、7歳にそんなゲームをさすな)

一方、ぷよぷよは楽しかった。登場するのもゼリーみたいな丸い物体にぱっちりしたお目々がついているかわいいキャラ。同じ色のぷよぷよ同士はくっつき、4つくっつくと消える、という小学生にもわかりやすいルール。上からぷよぷよが落ちてくるので、処理できずに天井まで届いてしまうと負けというものだ。

レベルが上がっていくにつれ、だんだんぷよぷよが落ちてくるスピードが速くなり、「早くぷよぷよ同士をくっつけなきゃ!」と頭とコントローラーを持つ指をフル回転させる。そんなドキドキがたまらず夢中でゲームに励んだ。

それから早20年、RPGやアクションゲームのような難しいゲームはうまくできないゲーム下手も手伝ってか、パズルゲームおよびカジュアルゲームばかりやっている。

テトリスはもちろんのこと、スマホアプリになってからは、形は違えどキャンディークラッシュ、ディズニーツムツム、パズドラ……。気がつけば、おもむろにアプリを開き、スマホ画面に指を滑らせる。

パズルゲームのいいところは、頭を使ってプレイしているようで実はそうでもないから、他のことも同時進行で考えられるところである。仕事中の良い気分転換になるから、いわば体を動かさない散歩のようなもの。

それに、ゲームの中ではプレイヤーをたくさんほめてくれるのだ。例えば、うまくコンボを決めれば「やったね!」とか「GREAT!」などが表示され、こちらの気分を盛り上げる「ポワン、ポワン、ポワン(音の高さがちょっとずつ上がっていく)」 効果音も付いてくる。ステージをクリアすれば、ご褒美のコインなどももらえるのだ。

大の大人が生活していてこんなに褒めてもらえることはあるだろうか。

だから私たちは、ストレスがたまったとき、疲れたとき。ゲームアプリを開いて、褒められながら考えごとをする。ゲームアプリは、ストレス社会における救世主なのかもしれない。

それに、目的もなく単純作業を続けることが好きな私にとって、スマホのカジュアルゲームはぴったりだ。

最近は、「LINEシェフ」というカジュアルゲームに夢中だ。このゲームはパズルゲームではないのだが、パンケーキ屋さん、ハンバーガーショップなどのレストランにやってくる愉快な仲間たちに注文通りのメニューを提供するという何とも楽しいゲーム。

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「ストロベリーパンケーキいちごのせ」「マーマレードパンケーキチョコレート添え」など、注文通りのメニューが提供されれば嬉しそうに飛び跳ねて帰っていくし、提供が遅くなれば顔を真っ赤にして起こってしまうのがなんともかわいい。街のフードコート(客が超プリティバージョン)の店員さんになった気分で、永遠にできてしまう。

私は今、ブラウン(LINEのくま)と一緒に最高のシェフを目指しているのだ!

ただ、冒頭にもあったようにゲームに夢中になりすぎると、仕事や日常生活がおろそかになる可能性がある。カジュアルゲームを頑張ったからといって、事態が好転するわけではないのだ。

ああ、カジュアルゲームの世界で暮らしたいものである。

編集:らいむ

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香山由奈
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