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<アラサー女子が抱える素朴なギモン>ともだちって何?

最近、結婚した。幼いころから30歳までには結婚したいと漠然と思っていたが、まさか29歳と364日で結婚するとは思わなかった。我ながらがめつい。

来る3月の結婚式に向けて、ご招待する人を考えているのだが、これがなかなか難しい。「呼ばれたし、しゃあないか」と無理に来てもらうのも悪いので、「本当に仲の良いともだちだけ招待しよう」と思ったのだが、これが首を絞めている。

そもそも、ともだちってなんだ? まずは、辞書で調べてみた。

<広辞苑>
とも‐だち【友達】
親しく交わっている人。とも。友人。朋友。元来複数にいうが、現在は一人の場合にも用いる。仁賢紀「―有りて其の意を悟らずして」。「遊び―」
<デジタル大辞泉>
友達(読み)トモダチ
互いに心を許し合って、対等に交わっている人。一緒に遊んだりしゃべったりする親しい人。友人。朋友(ほうゆう)。友。「友達になる」「遊び友達」「飲み友達」

おわかりいただけただろうか。

辞書によると、「交わっている」とあるので、つまりは現在進行形。よく、「学生時代のともだち」と言うが、それは「学生時代はともだちだった人」であって、いま親しく交わっていなかったら「ともだち」とは言えないのだ。

…ま、そんなことはないかもしれないが、数年会ってない昔のともだちに突然「結婚式やるから来てください」は言いづらいのは何となく伝わるだろうか。それに、当初考えていた「本当に仲の良いともだち」とは言えない気がする。

***

自分はともだちを継続するのが下手だと思う。

学生時代、それなりにともだちはいた。昼ご飯は必ずともだちと食べていたし、休みの日に遊びにいくともだちもいた。

しかし、いざ卒業してみるとどうだろう。自分から連絡をしないタイプの私は、向こうから連絡をしてくれたり、遊びに誘ってくれる人としか、会わなくなった。

私が昔のともだちと会ったりしない理由の一つに、共通の話題がないということがある。

学生時代なら進路の話とか、恋愛の話とか、先生の悪口とか、テレビの話を話題にしていた。以前勤務していた会社のともだちなら、仕事の話とか、恋愛の話とか、会社の悪口を話題にしていた。

そう、学校や職場という強制的に顔を合わせる場があれば、親しく交わることはできる。

しかし、卒業や転職をしてその場を離れると、否が応でも共通の話題がなくなる。だから、久しぶりに会ったとしても、「最近どう?」みたいな話を居酒屋で2時間くらいしたら満足するし、自分から誘わないタイプの私は、誘ってもらえなければだんだん疎遠になる。

これが私の「仲の良いともだち」が少ない理由である。

だから、自分から誘ってくれるともだちがありがたくて仕方がない。

ただ、誘ってくれるともだちというのは、当たり前のように私以外のことも誘っている。だから、約束して会っている途中で「あ、この後○○と約束してるから、行くね!」みたいな感じでタイムリミットが訪れると、「あ、私だけじゃかったのね」と寂しい気持ちになる。我ながら面倒くさい女である。

しかし、性格やスタンスはなかなか変えられないもので、いまさら「ともだちをたくさん維持できるように自分からガンガン誘おう」なんて思えない。誘ってくれるともだちとたまに会うくらいが、自分にはちょうど良いのかもしれない。

きっと、人間にはそれぞれ持てるともだちの上限数が決まっていて、私の上限は今くらいなのだろう。

私のともだちの定義には、辞書で言う「親しく交わっている人」のほかに、「強制的に顔を合わせる場がある人」もしくは「自分から遊びに誘ってくれる人」という条件が加わるのではないだろうか。

結婚願望しかなかったので結婚できて良かったのだが、さんざん「なぜ我々は結婚できないのか」を語り合った独女の会とも疎遠になるのか、と思うと複雑な気持ちである。

編集:アカ ヨシロウさん
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香山由奈
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