「ショック・ドクトリン」コロナ禍の混乱に乗じてマイナンバーカードが進められた
「ショック・ドクトリン」とはテロや戦争、自然災害などで私たちがぼうぜんとしている時に、
平時なら批判が強い施策をこっそり導入する手法だ。
「火事場泥棒」とでも言えばいいだろうか。
カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインさんが命名した、
そんなドクトリンの後遺症に日本は悩まされている。
コロナ禍のどさくさに紛れて進められたマイナンバーカードだ。
他人の住民票が出てきたり、他人の医療や年金の情報が閲覧できたり
-とトラブルが相次ぐマイナカード。
それをジャーナリストの堤未果さんは本書で海外事例を参照に予測していた。
「カード取得者にはポイントを付与、健康保険証を廃止してマイナカードに一体化
-とまるで『アメとムチ』。
普及ありきで進められている」
日本がモデルとするデジタル先進国のエストニアでは個人情報の漏えい防止が最優先課題とされ、
問題発生時の政府責任が明確化されている。
個人情報を政府は勝手に見ることができない。
個人情報の主権が尊重され、
本人の意思で情報を削除できる。
ところが、日本ではいずれも保証されず、
個人情報の扱いに明確な縛りがない。
しかも政府の信頼は地に落ちている。
堤さんはデジタル化に反対ではない。
問題は普及に向けた拙速ぶりと強引なひも付けだ。
デジタル化に成功している台湾のデジタル担当相、オードリー・タンさんは
「一番、弱い人に合わせて作ることが大切」と
高齢者など情報弱者と対話を重ねながら制度を設計してきた。
ところが日本は…。
堤さんは言う。
「国民の声を聞き、手間暇をかけて民主的にやり直すべきだ。
そのプロセスで政府への信頼も回復する。
今こそ立ち止まり、検証して再構築するラストチャンス」 (鈴木伸幸)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/258669
ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』は、2007年に出版され、欧米で話題になった本です。
本書では、新自由主義に牽引されたグローバル化の功罪に対して、
ショック状態に陥った社会に便乗して実行されたものであると批判しています。
また、アメリカこそ、国家中枢機能まで民営化し、
それをサービス業務とする災害便乗型資本主義へと変転したことを指摘しています。
ジャーナリストの堤未果さんは、
新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行を「ショックドクトリン」と表現しています。
堤さんは、このショックドクトリンの後遺症として、
コロナ禍の混乱に乗じてマイナンバーカードが進められたと述べています。
↓
ショック・ドクトリン
https://ka2.link/situke/syougeki/#9