2021年 リリース楽曲
あけましておめでとうございます。ハナカミです。
今回は2021年にリリースした楽曲の振り返りをします。視聴リンクも掲載するので興味を持った方は良ければ聴いてみてください。
1月
1.かわらかの - 恋(Hanakami Ryu Remix)
今年1発目のリリースはかわらかのさんの楽曲「恋」のRemixでした。
OMOIDE LABEL主宰のYZOXさんよりお声がけいただき、EPにリミキサーとして参加させていただきました。
サカナクションやスーパーカーのような、歌声を生かしたエレクトロニカ調のポップスを目指して制作しました。原曲の持つ暖かさや切なさを大事にしつつも、自分の得意とするグリッチや逆再生のようなエレクトロニカ的要素を取り入れることで、原曲とは違う風景を見せることに成功したような気がして気に入っています。
ちなみにこちらのRemixはWÖNDER GIRLさんセレクトの『OMOIDE LABEL SAMPLER selected by WÖNDER GIRL (Waves)』にも収録されております。感謝🙏。
2月
2.彼方への手紙
DOG NOISEさん主宰のobake maskより、音楽の異文化交流をコンセプトとした「Sapporo Sounds Singles Series」の1作目として、シングル「彼方への手紙」をリリースしました。
S4のコンセプト説明やリミキサーのpetetさんの紹介は、DOG NOISEさん執筆の作品紹介記事に詳しく書かれているのでその辺の説明はそちらに譲ります。
歌詞のテーマは「選択されなかった世界線の自分から現在の自分へ送る手紙」というもので、当時SF的なものにハマっていたためその影響を受けました。
このリリースから、私の今のひんやりエレクトロニカ/IDM×ボカロ路線が始まるので転機と言ってもいいのかもしれません。
3.Ambient(EP)
依頼の曲が多く力の入った制作が続いていたので、肩の力を抜くつもりで完全に息抜きで作ったアンビエントのEPです。
「AutoLayerGenerator」というドエりゃー冷たいアンビエントを作れるM4Lデバイスを入手し、それで遊んでいくうちにどんどん曲として形になっていきました。
緻密にビートを組んでいくタイプの緊張感のあるエレクトロニカ/IDMが好きなのですが、こういう感じの伸び伸びと作れるタイプのアンビエントも楽しいなと感じました。
4.光滴る
windjammer主宰のTakeru Kazesawaさんにお誘いいただき、former heroをリスペクトしたElectronica Houseコンピレーションアルバム『Migratory Bird』に、拙作「光滴る」を提供しました。
初めて経験する規模感のコンピで、普段から1ファンとして楽曲を聴いていたトラックメイカーの方達も参加するということもあり、制作中もリリース後も常にソワソワしていました。
リリース直後は、1人だけトラックの方向性が違って周りから浮いているように感じてそれが気がかりだったのですが、時間をおいて聴くとそれもまあ良しというか、それが自分の作風なんだと肯定できるようになりました。
収録曲どれも名曲揃いの素晴らしいコンピなのでよかったら聴いてみてください。
3月
5.HEAVEN(DJMIX)
楽曲ではなくDJMIXなのですが番外編として紹介させてください。
今年の3月の自分の誕生日に、私の半ばライフワークと化しているDJMIXシリーズ「Chill Emo Otaku Mix」の3年ぶりとなる続編をリリースしました。
詳しいことは私の書いたこちらの記事に諸々書いてあるのでそちらをお読みいただければと思います。
Twitterでは何度か言及しているのですが、同じシリーズであるのに前作「AQUARIUS」と今作を比較した際、その温度感の変化というか3年間でここまで殺伐とするものなのかと作風の変化に驚きました。私のDJMIXに寄せられる感想の中で印象的だったのが「死が近い」という形容だったのですが、今作に関しては私もそのように思います。
4月
6.Thousand Diamonds
私が参加している同人サークルprototypeメンバーで制作したコンピレーションアルバム『A-TYPE』収録の楽曲です。
prototypeは私の所属する大学のDTMサークル内のメンバーで立ち上げた同人サークルで、メンバーが今後就職などのライフイベントによってそれまでのような音楽活動が難しくなってもモチベーションを絶やさないように、音楽活動を最低限続けられるようにと、半ば生存戦略のような形で私が声をかけて結成しました。
『A-TYPE』はそんなprototypeの活動の第1弾として、今年の春M3にてリリースした作品です。
7.猫がなく feat. ひせん, QiA, kukoruca
この曲は前述の『A-TYPE』に収録されている私のもう1つの楽曲です。
知り合いのラッパー/シンガーに声をかけ、「希死念慮」をテーマにマイクリレーをしていただきました。
ちなみに『A-TYPE』には「脳漿系コンピレーション」というコンセプトがあるのですが、コンピを聴いて「脳漿」を感じていただけたでしょうか...
6月
8.BLOOD TYPE ORANGE(w/DOG NOISE,tak-kun)
obake maskよりリリースの『Fruit At The Bottom Collaborations』に、DOG NOISEさん・たっくんさんとの共作の楽曲「BLOOD TYPE ORANGE」を提供しました。
このコンピは、私がレギュラーで参加している「Fruit At The Bottom」というイベントのクルーで作ったのですが、今回はタイトルにもあるようにコラボレーションをキーワードに、クルー内で複数のコラボを組み楽曲を制作しました。
「BLOOD TYPE ORANGE」は自分なりのHYPERPOPを作ろうと思いデモを作り、その後DOG NOISEさん・たっくんさんとプロジェクトファイルを共有する形で制作しました。ちなみにタイトルの由来はエヴァンゲリオンの作中で用いられる識別指標です。
7月
9.SOREKARA(EP)
obake maskより初となる全曲歌モノのEP「SOREKARA」をリリースしました。
このEPの解説は、私の書いたセルフライナーノーツに詳しく書いてあるのでそちらをお読みいただければと思います。
またこのEPのリリース後、札幌にいるライターの佐藤遥さんからインタビューを受けたり、札幌のローカルFM局NORTH WAVEの長寿番組「4Steps Journey」に出演させていただいたりと色々な経験をさせていただきました。感謝🙏。
自分のやりたかったことや好きなこと、コロナ禍で考えていたことを作品として昇華することができてそれだけでも今年は本当に良い年だったと感じます。
このEPを1つ拠り所として、これを超えたり超えなかったり、先に進んだりたまに戻ったりしながら音楽を作りたいです。
10.nardius12 - Gloom(ハナカミリュウ Remix)
仙台在住のトラックメイカーであるnardiusさんのアルバム『Gloom』に表題曲のRemixで参加させていただきました。
敬愛するトラックメイカーの1人であるnardiusさんの楽曲をRemixさせていただくということで、嬉しさ半分ドキドキ半分といった気持ちで制作していました。
自分の使うシンセの音色だったり曲の調はnardiusさんからの影響が大きいので、変な言い回しですがRemixを作っていて時折STEM素材がするりと体に馴染む感覚があったのを覚えています。
ファンとしてもnardiusさんの4年ぶりのアルバムリリースはとても嬉しかったです。みなさんも良ければ是非チェックを。
9月
11.2nd Account
『obake mask × brutshits compilation』に、「2nd Account」を提供しました。
Soundcloud的なインターネット音楽の文化に影響を受けたレーベルとのコラボコンピということで、私も自分なりのインターネット感ある楽曲を作りました。
歌詞はもしも初音ミクのTwitter裏垢があったらというテーマで書きました。全文は載せません(チクチクしてるので)。
10月
12.バラバラ♡ハート
前述のprototypeによる2作目のコンピレーション『B-TYPE』収録の楽曲です。
『B-TYPE』は「切り取る」という行為を音楽で表現することを目的とした「Trimcore」という架空のジャンルをコンセプトに据えており、私は「Trim」と身体の切断を重ね合わせたバラバラ殺人をテーマにした楽曲「バラバラ♡ハート」を作りました。
このコンピも秋M3にてリリースしたのですがこの時は私も現地にてイベントに参加しました。当日はサークルスペースで売り子をしていたのですが、Twitterをフォローしていただいてる方が沢山遊びに来てくださり、人の温かみが荒んだ心に沁み入りました。
13.makurakotoba
IOSYS TRAX主宰のクラブイベント、#イオパのコンピレーションアルバム『ニュー・ノーマル・パーティミュージック ~ I/O/P SELECTED Vol.6』に「makurakotoba」を提供しました。
HYPERPOP、emorap、雅楽、流線などの要素を頭に思い浮かべて作った曲です。歌詞は、暗い部屋で横になりながらtwitchの配信を見てる時に思うようなことをつらつらと綴りました。
この曲を友人に聴かせたときに「ネオ万葉集」という感想が返ってきたのが面白かったです。
ちなむとイオパは人生で初めて遊びに行ったクラブイベントだったので、そのイオパが主催するコンピに参加できたのは感無量でした。
14.NCR
sabi君主宰のレーベルmiso-nicomi recordsからリリースの『異聞見聞録 上/下』にネクロファンタジアのアレンジ「NCR」を提供しました。
Twitterで「味噌レコで東方ブレイクコアコンピやってくれ〜」と無責任に呟いていたら、sabi君から本当にコンピをやるから参加してくれと連絡を受けて一転当事者になったのはギャグ漫画みたいで良い思い出です。
10月にリリースした上記3曲はどれもM3に向けて制作した楽曲で、それぞれ収録されているアルバムはどれもジャンルも毛色も違うのですが、それらが同じ空間に一堂に会するM3という場は音楽の自由さを改めて教えてくれて、SNSのフィルターバブルに取り込まれていると鈍りがちな感覚を取り戻せたのが良かったです。
12月
15.cotowari feat. 呟姫ねお - Eclipse (ハナカミリュウ Remix)
個人勢として活動しているVtuberの呟姫ねおさんをボーカルに迎えた、DOG NOISEさんの別名義であるcotowariの楽曲「Eclipse」のRemixを制作しました。
Ekcle以降の生き物みたいなベースミュージックが好きで、あの気持ちよさを自分でも作り出してみたいと思いチャレンジした楽曲です。
実は4月時点で曲自体は完成しており、DJの現場ではちょくちょくIDとしてかけていました。今年作った曲の中でも気に入っている部類の曲です。
16.Death Happens But Never Die Young (ハナカミリュウ Remix)
HARD GU.W-C.Iさんとkumoridaさんによるユニット矗雲の楽曲、Death Happens But Never Die YoungのRemixを制作しました。
原曲のリリックは漫画『違国日記』を題材にしており、打ち合わせの際にHARD GUさんから『違国日記』の素晴らしさを力説されたのに触発されて私も漫画を読んだのですが、自分の好みにドンピシャな漫画でまんまとハマってしまい、その熱量で作り上げた1曲です。
個人的に『違国日記』は静けさを感じる漫画で、対話と内省を繰り返していくその過程を自分なりにトラックに表現しました。
『違国日記』、オススメです。
おわりに
昨年よりはリリース曲数が少なくなりましたが、その分1曲ごと濃密な制作が出来たように思います。
2022年も頑張りますので皆様よろしくお願いします。
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