WSプログラムデザインの記録「星の王子さま」(オンライン専用プログラム)
実施日:2020.5.15(金) 20:00-22:00
場所:ZOOM
参加者数:21名(講師含む)
主催:電波工房
WSプログラム名:「星の王子さま」
カテゴリー区分: 他者と自分系
【ねらい】
対面できない、オンラインのやり取りに頼る今だからこそ、「つながる・出会う」という言葉を見直そう。
対面の代替えがzoomなのだろうか?対面こそが全てなのだろうか?
そもそも「人と知り合う/わかり合う」ということはなんだろう。
「はじめまして」「こんにちは」そこから続く言葉は何?
その人の来歴?年齢?外見?家族?出身地?
何を伝えたいの?何が伝わると楽しいの?
「ラベルを知らなくていい、知られなくていい」というコミュニケーションと「私(たち)を全く知らないだれかへ」のコミュニケーションを通して、「今、そこの、あなた」と「いつか、どこかの、だれか」は表裏一体であることを噛み締めて3日間過ごしてほしい。
「人と知り合う/わかり合う」とはなんだろう?
「私は何を伝えたいのだろう?何を伝えてほしいのだろう?」
作品を創る君たちは、これから4年間、(過去のだれかの)作品を観ることも、(いつかの誰かへ)作品を遺すことも、考えることになる。芸術大学生の始まりとして、ぜひこの問いに向き合ってほしい。
『星の王子さま』で、キツネが王子と仲良くなり、そして別れを悲しむ王子にキツネが伝えた言葉を。
「バラのためになくしたじかんが、きみのバラをそんなにもだいじなものにしたんだ。」
「大切なものは、目に見えない(Le plus important est invisible)」。
【内容】
19:50-20:00
画像設定を削除。(個々で全員同じ条件をつける)
20:00-20:10
電波工房の趣旨説明・メンバー・ゲストの自己紹介
本日の流れの説明
20:10-20:30 ブレイクアウトルーム(5分-7分)
全員ライブカメラをOFFにして貰い、アカウント名を全員統「ZOOM星の住人」一&同じ画像にして、相手の顔・情報が見えない「暗闇」を作り出す
ワークショップのタイトル発表、ステートメントの発表
20:30-21:00 ブレイクアウトルーム
(5分、8分、10分×3set)4、5人1グループ
お題①「目玉焼きに何をかける?」
「この星は移住者ばかりでまだ何も決まっていません。そこで皆さんにこの星のルールを決めてほしいと思います。
戻ってきた後、全員で「せーのっ」で何をかけるか発言。一番大きい声のものを採用。
お題②「出身地の方言で県名を言わずに土地の紹介をしあってください」
「この星は多様性を認めます。統一言語もありません。そこであなたが生まれ育った土地の言葉で自分の故郷のことを喋ってください」
戻ってきた後、全員で「ありがとう」を方言で言う。
お題③「一番過去の記憶について」
「この星はできたばかりで歴史がありません。そこであなたの一番古い記憶を話てください」
お題④「初めて親友、という言葉を実感した時のこと」
「この星はまもなく燃え尽きて消滅します。また皆さんは他の星へ移住しなければなりません。そこでどんな風に友達を作るか、どんな風につながっていくかわかりあいたいと思います。そこであなたが、初めて「親友」という言葉を実感した時のことを話してください」
21:10-21:20 月曜日への課題発表
「ボイジャーのゴールデンレコードに何をしたためる?
「まもなく移住をしなければなりません。かつて人類は宇宙にいる人類以外の知的生命体のために、ゴールデンレコードというものを作成し、様々な情報をしたためました。私たちも移住の前に、「今、ここにいた」ことを。そして、かつて地球という星があったことを遺していく必要があります。そこで最後、この問いかけをして終わりたいと思います。”あなたならゴールデンレコードに何をしたためますか?”」
21:20-40 (カメラオフのまま)ブレイクアウトルーム(10min)感想シェアとゴールデンレコード
ブレイクアウトルーム内にてカメラオンと改めての自己紹介(表示名も戻す)
21:40-21:50 チェックアウト
一人一人から今日の感想を一言ずつ
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後記
京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)の学生たちから「一年生との交流含めて、こんな状況だからこそできるワークショップを一緒に考えてください!」という無茶ぶりに応えてきました。
「知り合う」というテーマを芸術大学にふさわしく視点を変えて、ちょっとした電脳宇宙旅行に仕立てて2時間を過ごしてもらいました。
参加者は極めて短命なZOOM星の移住者として、お互い何も知らない者同士、この惑星が消滅するまでのひと時、対話をしながら少しずつ住人としてコミュニケーションを重ねます。
そしてZOOM星が消滅するまでに、自分たちが存在していたことを、ZOOM星に来る前にいてた「地球」のことを思いながら、無人衛星にどんなメッセージを託すかを考えることをお題にしてワークショップは終わります。
なかなか、エモく、演劇的なワークショップになりました。