インド株って儲かるの? リスクはどれくらい? 色々と検証してみた
はじめに
近年のインドは経済成長が凄まじいため、インドの株式投資を検討されている方も増加してきていると思います。
インド株式の代表的な指数としてボンベイ証券取引所における株価指数であるSENSEX指数があります。
1979年4月3日を基準日として、その日の時価総額を基準値100としています。
1979年4月における4か国の比較を行いました。
S&P500:当時は102で現在が4000弱のため、約39倍
日経平均:当時は6,000円で現在が29,000円弱のため、約5倍
香港ハンセン指数:当時は538で現在が29000前後のため、約54倍
SENSEX指数:当時は100で現在が49000前後のため、約490倍
これだけ見るとインドすげぇぇえになりますが、あくまでもインド国内で見るとこうなります。
というのもインドルピーの為替変動リスクがかなり大きいため、1979年4月では1インドルピーが26.3円だったのが現在は1.5円と価値が94%も下がっています。
それぞれを円に換算すると下記になります。
S&P500:円に変換すると約20倍
日経平均:約5倍
香港ハンセン指数:円に変換すると約18倍
SENSEX指数:円に変換すると約28倍
残念ながらどっちにしろ日本は最弱ですね。
今回は一部は架空にはなりますが、長期で運用した場合を含めシミュレーションしました。
なおSENSEX指数に連動するETFで最も歴史の長いブラックロックのiシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETF(コード:02836)は2006年12月に上場です。
SENSEX インディアETFの価格はおおむねSENSEX指数の1000分の1のため、2006年11月以前はその価格を適用しています。
分配金はこれまでほとんど発生していないので0%としています。
前提条件
・2006年11月以前の株価はSENSEX指数の1000分の1とする。
・分配金は0%とする。
・経費率(手数料)は0.64%とする。
・為替手数料は1香港ドルあたり15銭とする。
・毎月5万円前後投資。
・どれだけ相場が荒れても鉄の意志で投資を継続する(超重要)
1.直近10年間(2011年3月スタート)
記事作成日が2021年3月のため、単純に10年前の2011年3月スタートとしています。
リーマンショックで暴落しまくった後、株価は回復途上にある状態です。
投資額合計:6,090,731円
損益:3,186,511円
10年間合計利回り:52.3%
複利(=IRR(内部収益率)):8.4%
2.リーマンショック前のバブルピークの2007年10月
リーマンショックは2008年9月ですが、その前にサブプライムローン破綻があり、株価は1年くらい前から下がり続けていました。なので株価のピークは2007年10月になります。
なおリーマンショックによるバブル崩壊の大底は2009年3月です。
コロナショックの時はこれまで12年間積み上げた利益が全部吹き飛んでマイナスに転落しています。恐ろしい。
ただし吹き飛んだ分はすぐに取り返せています。
ボラティリティの激しさを考えると利回りはイマイチですね。
投資額合計:8,193,366円
損益:5,212,151円
14年間合計利回り:63.6%
複利(=IRR(内部収益率)):7.3%
3.ドットコムバブル(=ITバブル)絶頂期の2000年3月
ドットコムバブルピーク時からのスタートです。
バブル崩壊の大底は2002年10月です。
こうやって見るとインドも中国と同様に2015年に大きく株価が下がっています。
チャイナショックとの因果関係は不明です。
なお日本、アメリカはチャイナショックの影響はほとんどありませんでした。
投資額合計:12,727,729円
損益:22,985,337円
21年間合計利回り:180.6%
複利(=IRR(内部収益率)):8.9%
4.1991年5月スタート
日本ではバブル(1986年12月~1991年2月)崩壊後ですね。
なぜ1991年5月という中途半端な日付にしているかですが、
S&P500では初めてからコツコツ続けて17年10カ月後、リーマンショック後の2009年3月に、なんとマイナスに転落します。
後日の記事でS&P500や日経平均と比較しますので、同じ時期でいったん分析しました。
運用利回りは日経平均より大きく上回り、S&P500よりは下回ります。
投資額合計:18,042,636円
損益:58,915,150円
30年間合計利回り:326.5%
複利(=IRR(内部収益率)):8.4%
5.過去データ最長の1986年1月
今回の分析では最長の投資になります。
日本ではバブル(1986年12月~1991年2月)突入前ですね。
途中でマイ転はしていませんが、リーマンショックで1億円以上吹き飛んでいます。
35年間の運用ではS&P500をついに上回ります。
S&P500は551%のため、かなり上回ってますね。
投資額合計:21,244,080円
損益:154,830,692円
35年間合計利回り:728.8%
複利(=IRR(内部収益率)):10.0%
結論
どの期間で比較しても中国よりパフォーマンスは良かったです。
直近30年でもS&P500より若干下回りますが、日経平均よりかははるかに上回る結果となりました。
35年という長期でようやくS&P500を大きく上回る結果となりました。
アメリカはあれだけの先進国なのに直近30年では高度経済真っただ中のインドや中国よりも高パフォーマンスをたたき出すのはやっぱりすごいとしか言いようがないですね。
配当金はほとんど出たことがなく、ファンドが再投資に回していると思われます。
あと新興市場国の投資はまだまだ種類が少ないのが原因の一つと思われますが、現在でも0.64%と手数料(経費率)が結構割高です。
(S&P500は0.03%とほとんどタダ同然)
インドは今後成長していく可能性がかなり高いため、ボラティリティはS&P500と比べると激しいですが、投資先をアメリカと中国、インドに分けるなどのリスク分散目的で保有しておくのも一つの考え方と思います。
新興市場国は為替変動リスクが大きいため、指数が大幅に成長したとしても通貨価値が下がると、あまり運用利回りは良くならないこともあります。
インドという国に将来性を感じる方は投資を検討するのもいいかと思います。
投資はあくまでも自己責任でお願いいたします。
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